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革新的な「農業」への一歩

column vol.1179

本日はから年末年始の買い出しに行って参りました。

向かった先は鎌倉

鎌倉市農協連即売所、通称「連売」での買い物がメインでした。

新鮮な鎌倉野菜の数々〜♫

そんな光景を眺めていると、最近見かけた農業に関する革新的なニュースを思い出しました。

〜ということで、今回はその中からいくつかお裾分けさせていただきます。

ぜひ、最後までお付き合いくださいませ!


印象的なネーミングで価値を伝える

まず最初にご紹介したいのは、千葉県銚子市笠上町で農家を営む坂尾英彦さん

元クラブDJの経歴を生かし、地域経済を活性化していらっしゃいます。

農業をエンターテインメント化して、たくさんの人を銚子に呼びたい

と、日々農業体験異業種とコラボしたフェスなど関連イベントも織りまぜ、革新的な農業を目指していらっしゃいます。

〈東京新聞 / 2023年12月25日〉

坂尾さんのトレードマークはアフロヘアー

Hennery Farm / Webサイト

ご自身の農場「Hennery Farm」にて春キャベツと夏場のトウモロコシを育てていらっしゃるのですが、トレードマークにちなみ「アフロきゃべつ」「アフロコーン」と名付けてブランド化

人気を集めているのです。

もちろん、ネーミングの面白さだけなら一過性になってしまいますが、そこはご両親から引き継いだ確固たる野菜の美味しさが味方します。

家業を引き継ぐ前は、レコードや子供服を輸入販売していたそうですが

うちの野菜は美味しいのが当たり前になっていたが、すごく価値があるんだ

と気づいて、30歳で現職に就き、その魅力を伝えているというわけです。

農業にエンタメ性を取り入れ、価値を高めている

非常にマーケティング的な視点を感じました。

ネームバリューを追い風にする

マーケティング的な視点ということでいえば、もう1つ興味深い事例があります。

皆さんは、栃木県で生産されている「とちおとこ」をご存知でしょうか?

ええぇ…??「とちおとめ」じゃなくて…??

…はい、確かに栃木県の特産品といえば、イチゴ「とちおとめ」でしょう。

しかし、同県の真岡市では「とちおとこ」という国産バナナの生産にも取り組んでいるのです。

〈朝日新聞 / 2023年10月23日〉

生産するのは豊田恵介さん

本業印刷会社の会社員なのですが、ITの仕事などをしている仲間の力を借りながら、日々チャレンジされています。

私が注目したのが「とちおとめ」という地元の名産のネームバリューを活かしていること。

ラベルには「栃木のおとめに恋した」と、ユニークな謳い文句が。

とちおとこ

もともと国産バナナには希少価値があります。

その上でネームバリューに乗っかるという、良い意味でのコバンザメ戦略を仕掛けているのです。

この効果はなかなかなものがあるでしょう。

実際、テレビ番組など数々のメディアでも取り上げられているとのこと。

しかし、こちらも味に自信があるからこそ支持を得られているのです。

一度食べたお客さんからは

香りがよく味が濃厚。昔の高級品のバナナのよう

評価を得る

アフロの坂尾さん同様、商売上手ですね〜

百貨店がイチゴを栽培

イチゴ人気にあやかったバナナの話をしましたので、今度はイチゴをフューチャーしたいと思います。

私の専門である小売業新たな取り組みが見られます。

近鉄百貨店が何とイチゴの栽培に初挑戦したのです。

〈関西テレビNEWS / 2023年12月26日〉

遡ること、今年3月。

近鉄百貨店秋田拓士社長は、激しい百貨店競争を生き抜くため、新たな一手を打ち出しました。

それが農業ビジネスです。

川上の生産まで入って、良い商品を自分たちで、いろんな商品をつくり出していきたい。僕らは今、中期経営計画で “価値” を求めているんです。百貨店の “貨” を価値の “価” に変えたい

良いもの、美味しいものを提供したいという思いを突き詰めた結果、農業部門を設立

では、なぜイチゴだったのか?

実は、全国各地で続々とブランドイチゴが開発され、価格はこの10年で何と50%もアップしています。

“特別なイチゴ” ほど値段は高く、ブランド化されるということもあり、同社では百貨店の客層にマッチすると考えたのでした。

これは、小売を通して消費者を知るからこそ狙える戦略であると思います。

実際、「あべのハルカス」にちなんで名付けられた「はるかすまいる」は、価格はサイズに応じて1000円前後にもかかわらず、飛ぶように売れ、用意した100パックは夕方までに完売

急遽、追加販売するほどの盛況ぶりだったそうです。

私は今後、水耕栽培技術の導入により、商業施設でも当たり前のように農作物がつくられる時代が来ると予想しています。

小売企業が農業に進出する。

その原風景として今回の取り組みが語られるような気がしています😊

農家にも地球にもやさしい米づくり

「未来」の話が出たので、最後に1つ、新しい時代にふさわしい農業のカタチをご紹介して本日は締め括りたいと思います。

食のトータルプロデュース企業の「ヤンマーマルシェ」「NTTコミュニケーションズ」がタッグを組み、「水稲栽培による中干し期間の延長」スキームを構築。

地球温暖化を防ぐ取り組みを進めています。

〈Forbes JAPAN / 2023年12月26日〉

…水稲栽培による中干し期間の延長…??

「何のこっちゃ??」

…と思う方もいらっしゃるはずですので…、簡単に説明いたしますと…

気候変動への影響が大きいメタンガスを削減する

という話です。

「メタンガス排出」と聞いて多くの方の頭に浮かぶのが「牛のげっぷ」ではないでしょうか?

(私もそうでした…😅)

でも、実は2020年度の日本のメタンガス排出量の中で牛のげっぷが占める割合は27%

対して、稲作42%にも上ります…

一方、出穂前に一度水を抜いて田面を乾かす「中干し」期間を従来よりも7日間延長することで排出量を3割削減できる

そこで、今回の2社の取り組みが進んでいるというわけです。

現在、福井県滋賀県5ヵ所実証実験で実施。

この中干し期間延長のエビデンスとなるのがNTTコムのIoTセンサー「MIHARAS」です。

こちらのセンサーは水田に刺すだけ地温水位水温などのデータを取得でき、得られたデータはアプリに自動連携することができます。

このことで、温室効果ガスの減少量を認証する「J─クレジット」申請まで一気通貫で完結することが可能に。

つまり、メタンガスを削減しつつ、申請も楽になるというわけです。

さらに!

データ化することで省力化生産性向上などの営農活動にも活用できます。

非常にメリットの多い取り組み。

今後の実装に引き続き注目して参ります🫡

〜ということで、本日は農業に革新をもたらすトピックスをお話しさせていただきました。

気がつけば、もう夕方……(汗)

この後は、晩酌を楽しみながら、美味しい鎌倉野菜に舌鼓を打ちたいと思います〜

皆さんも、ぜひぜひ冬休みの夜をお楽しみくださいませ😊

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