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“月”が照らす大いなる可能性

column vol.861

昨日、ZOZO創業者の前澤友作さんが、月旅行プロジェクト「dearMoon」に参加するクルー8人を選定したことを発表。

夜のニュース番組でも大々的に取り上げられていましたね。

〈マイナビニュース / 2022年12月9日〉

クルーの公募には249の国と地域から約100万人の志願者が集まったそうです。

一体どんなお顔ぶれなのでしょうか。

旅で得たことを地球に還元

こちらが8人のメンバーとなります。

リアノン・アダムさん
 ……1985年4月19日生まれ(37歳)、アイルランド、写真家
スティーヴ・アオキさん
 …… 1977年11月30日生まれ(45歳)、米国、DJ / プロデューサー
イェミ・A・Dさん
 ……1981年11月4日生まれ(41歳)、チェコ、振付師
ティム・ドッドさん
 ……1985年2月27日生まれ(37歳)、米国、YouTuber
ブレンダン・ホールさん
 ……1994年5月1日生まれ(28歳)、米国、映像作家
カリム・イリヤさん
 ……1990年4月20日生まれ(32歳)、英国、写真家
トップ / チェ・スンヒョンさん
 ……1987年11月4日生まれ(35歳)、韓国、ミュージシャン
デヴ・ジョシーさん
 ……2000年11月28日生まれ(22歳)、インド、俳優

日本人にとって一番知られているのが「BIGBANG」T.O.Pさんではないでしょうか?

そして、日本人と言えば、お一人バックアップメンバーとして日本人女性が選抜されています。

ケイトリン・ファリントンさん
……1989年12月18日生まれ(32歳)、米国、スノーボーダー
ミユさん
……1997年12月3日生まれ(25歳)、日本、ダンサー

25歳のダンサー、ミユさんです。

19歳で世界最高峰のダンスバトルで世界チャンピオンのタイトルを獲得した経歴の持ち主。

Instagramで

まだほとんどの人類がやったことのない体験や味わったことのない感情を経験した後、私が生み出すダンス作品や活動で、今より多くの人に夢や笑顔を与えたいと強く思っています

と熱き想いを語っていらっしゃいます。

dearMoonの打ち上げは2023年の予定で、イーロン・マスクさん率いる宇宙企業スペースXが開発中の巨大ロケット「スーパー・ヘヴィ」と、それによって打ち上げられる巨大宇宙船「スターシップ」を使用。

月の裏側を回って帰ってくる約1週間のミッションに対して前澤さんは

この旅を通していろんなことを得て、それを地球に還元して欲しい

と抱負を語っております。

また、前澤さん以外にも、日本のスカパーJSATが今年8月、自社の通信衛星の打ち上げでスターシップを使う契約を締結。

さらに一部報道では、スマートフォンと衛星間の直接通信を目指すアメリカのASTスペースモバイルが、複数の打ち上げを契約した際、スターシップを使うオプションが含まれていたとされています。

そして何と言っても、NASAなどが進める国際有人月探査計画「アルテミス」では、スターシップを改造した月着陸船を使うことが計画されており、2025年に予定されているアポロ計画以来となる有人月探査ミッション「アルテミスIII」でもさっそく使用されることになっています。

今月、このアルテミス計画についてもニュースが報道されていましたね。

月に再接近!「アルテミスI」終盤へ

それは、アルテミス計画の第1弾として打ち上げられたNASAの宇宙船オリオンがアメリカ時間の5日午前、再び月に再接近したというニュース。

〈CNN / 2022年12月6日〉

オリオンはかつてのアポロ着陸地点など月面の写真を撮影し、月の約128.7km上空を通過

月を周回する今回の飛行で2度目の接近でした。

「アルテミス計画?何それ?」…という方のために、もう少しこの計画について説明させていただきますね。

これは、アメリカ政府が出資する有人宇宙飛行(月面着陸)計画で2025年までに「最初の女性を、非白人の方を」月面に着陸させることを目標としています。

ちなみに、アルテミスの由来はギリシア神話に登場する月の女神

アポロ計画の由来となった太陽神アポロンとは双子とされています。

この計画は、主にNASAとNASAが契約しているアメリカの民間宇宙飛行会社、そして欧州宇宙機関 (ESA)カナダ宇宙庁(CSA)オーストラリア宇宙庁(ASA) などの国際的パートナーによって実施されており、日本のJAXAも参加しております。

計画自体はNASAが主導しているものの、月面での持続的な駐留を確立し、民間企業が月面経済を構築するための基盤を築き、最終的には人類を火星に送る(有人火星探査)という長期的目標に向けた次のステップとして、国際的なパートナーシップが計画を前進させる上で重要な役割を果たすことが期待されているのです。

この「持続的な駐留」というのがキーポイントになっており、ここで重要となるのが「食料」です。

できれば、月で食料を調達したい。

そこで今、注目されるのが「月面農場」プロジェクトです。

月で野菜を育てる「月面農場」への期待

これは、月で野菜を栽培するというもの。

各国でこの分野の研究が進む中、日本でも2021年から国が主導して動き始めました。

〈NHK / 2022年12月1日〉

日本チームのサブリーダーを務める千葉大学教授の後藤英司さんによると、主食となるイネ、大豆、ジャガイモや副食となるトマト、イチゴ、キュウリ、レタスなどを狭い空間で育てる研究を行っているそうです。

「月面」という言葉が使われていますが、実際には地下での栽培になります。

月はほとんど大気がないため太陽の放射線が直接降り注ぎ、昼と夜の温度差も大きいので地下に基地を作る計画が検討されているのです。

イメージはこんな感じです。

JAXA
JAXA

いや〜 ワクワクしますね〜〜

とはいえ、月の厳しい環境でイネがきちんと育つのかどうか…?

そんな不安を払拭するために、後藤さんは今、国内で月を想定した「低圧栽培装置」を使い、繰り返し実験を行っているのです。

月面農場の研究は民間でも進んでおり、プロジェクトに参加している愛知県のベンチャー企業は今年2月、月の成分に近い砂を加工した人工の土壌で、小松菜を栽培することに成功

後藤さんは月面農場に対して、こんな未来予想図を語っていらっしゃいます。

月面農場は、おそらく2030年代に小型のものができると思っている。さらに10年20年後に100人、1000人が滞在するようになったら、好きな農作物を育てて、それをレストランで食べて、みんなで楽しく生活していく。そういうイメージを持っている。

私たちが月で生活できる時代が、すぐそこまで来ているのかもしれませんね。

まずは、前澤さんたちが来年どんな希望を持ち帰っていただけるのか?

個人的には、宇宙系YouTuberティム・ドッドさんがどんな世界を発信するのか非常に注目しています。

〈Tim Dodd / Everyday Astronaut / YouTube〉

それでは、良い週末を!

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