見出し画像

「いい人」の力

column vol.1114

ずる賢い人が成功して、いい人は損をする」は正しくなかった

そんな見出しに惹かれて読んだのが、こちらのライフハッカーの記事。

〈lifehacker / 2023年9月26日〉

心理学者のスコット・バリー・カフマンさんクレイグ・ノイマンさんは実験通して、確かにずる賢い人が出世するなど成功しやすい場合があることは認めつつ、それは「短期的」であると結論付けています。

お二人は

邪悪な特性を持つ人々は、自尊心が低く、他者と親密につながることができず、人生の満足度も低い傾向にあります

と指摘。

「成功し続ける人(長期的成功)」には「共感力」が不可欠ということですね。

こちらは、他の事例からも見ることができます。

例えば、大阪大学大学院人間研究科の研究グループが行った「社会間接互恵性」についての実験です。


「情けは人のためならず」という真実

同研究グループは5~6歳の子どもを被験者に、他の子どもに利他行為(手伝ったり、おもちゃを貸したり、など)を行なった子ども(親切児)を見ていた別の子ども(親切行動観察児)が、その後どんな振る舞いをするか調べました。

〈STUDY HACKER / 2019年12月7日〉

その結果、親切行動観察児親切児に対して親切に振る舞うことが判明。

つまり、

他人に親切にすると、その様子を見ていた他の人から親切にされやすくなる

というわけです。

ここから、優しい行動に対して周りの人たち(第三者)結構感じ取っていると分かります。

ちなみに、「社会間接互恵性」とは他人への親切行為が自分への評価とつながり、第三者から恩恵を受ける、そうした社会の仕組みです。

私が思うに親切というものは、自分が与えたエネルギーよりも返ってくる感謝は小さいことがほどんどです。

100与えたとしたら、60〜70で返ってくるだけでも良い方

一方で、周りが自分の行動を感じてくれたとしたら、それが10〜20でも3〜4人いたら、合計で100以上の見返りがあると言えます。

まさに「情けは人のためならず」

良いことをすれば、巡り巡って自分にもよい報いがくるというわけです。

「いい人」がもたらすチームへの影響

また、ケース・ウェスタン・リザーブ大学の研究論文は、共感的なリーダーシップがもたらすポジティブな影響を脳神経画像によって証明しています。

被験者に対して「共感的なリーダー」「そうでないリーダー」の両方について、それぞれの出来事を思い出してもらうという実験なのですが、MRIで脳を撮影すると以下のことが分かりました。

「共感的なリーダー」
…ポジティブな反応。ミラーニューロンの領域、つまり “何かに共感する部位” が活性化された。
「そうでないリーダー」
…同じ部位が負の影響を受け、注意力の低下などにつながることが明らかになった。

「そうでないリーダー:注意力の低下」という部分が気になります。

この部分を掘り下げているのがラ・トローブ大学の研究なのですが、コールセンターで働く150名の従業員を対象にした実験では、直属の上司への信頼度によってパフォーマンスが左右される結果になったのです。

つまり、共感のある人はチームの力を高めるということ。

「いい人」の力は凄いのです。

「報われない」と思ったら

翻って、私はどうかと言うと、「いい人」でありたいとは思っていますが、「ナチュラル・ボーン・いい人」であるとは口が裂けても言えません(笑)

しかし、そんな私のような人も世の中いると思いますので、そういう人のヒントになるような賢者の知恵をお届けいたします。

例えば、共感力をもって同僚に尽くしているのに「何か報われない」と感じる時です。

『あなたはもう、自分のために生きていい』『あなたの「しんどい」をほぐす本』の著者で、心理カウンセラーのPoche(ぽっしゅ)さんは、必ずしも「報われる=結果」とは限らないと仰っています。

〈東洋経済オンライン / 2023年9月26日〉

例えば、資格試験に合格するために「猛勉強」したとします。

不合格になれば結果は出せなかったことにはなりますが、周りの人よりもその分野の知識や経験を得ることができたと思えば、「努力への報い」はあったと言えます。

つまり、たとえ求めていたもの(結果)が得られなかったとしても、その想いや行動に対して得たものを発掘すれば、必ず報い(自分にとってのプラス)はあるというわけです。

「失敗」から得られる本当の「報い」

発明王のエジソン「失敗は成功のもと」を体現した人でしたが、実験に失敗する度に「このやり方では上手くいかないことを発明した」と結論づけていました。

人間関係も同じですね。

自分が働きかけて上手くいかなかった時は、「もっと良いやり方を探せる良い糧となった」と思えば、得ているものがあるわけです。

そしてポイントが、まさに「もっと良いやり方に目を向けたこと」にあります。

上手くいかなかったことの原因を自分の中に探すことになるからです。

人間関係で上手くいかない場合は大抵、お互いに原因があるのですが、「こちらが何か与えている」と思っている時は、どうしても「相手の不満」が心を支配します。

相手にネガティブな感情を持っている時は、ほぼ希望通りにいかない

そこで強引に相手に望む結果に導いても、その案件という短期的成果を得られる代わりに、どんどん相手の心が離れていき長期的に考えると、ますます上手くいかなくなるでしょう…

少し気持ちが落ち着いたら、ちょっとずつ視線を自らに向けていき、「まぁ、自分もこういう所があったかな…?」と思えるようになると、相手に対して心に余裕が生まれ、相手との関係も好転していく。

ちなみに、私が不満で心が支配された時は、童話『北風と太陽』の話を頭に浮かべるようにしています(笑)

こうした1mm1mmの積み重ねが、自らに「成熟」をもたらしてくれます。

そうすると相手の弱さに寄り添えるようになり、その上で相手に働きかけることができ、結果として当初望んでいた形に近づいていく

人間関係も「急がば回れ」ということでしょう😊

〜ということで、本日は「いい人」の力と、「報われない」と思った時のマインドセットについてお話しさせていただきました。

「いい人」は胸を張っていただきたいですし、「報われない」と思っている方は考え方(捉え方)次第ということです。

ぜひ参考にしていただけたら幸いです〜

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

この記事が参加している募集

マーケティングの仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?