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「香り」の時代

column vol.1176

クリスマスが過ぎると、一気に年末感が押し寄せてきます…

この一週間はゆっくりと一年間を振り返っていきたいと思うのですが、私にとって今年、習慣化したことの1つが「香り」でした。

昨年の秋から始めた習慣なのですが、必ず一日の終わりにお香を炊きながら本を読む

そんな日々を送っています😊

「香り」は世の中を見ても、コロナ禍の巣篭もり人気が一気に加速。

私の周りにもルームフレグランスに凝り始めた人もいました。

ちなみに、ビジネス的にも香りは一大マーケットになりつつあります。


2028年までにアメリカで94億8000万ドル

クリスチャン・ディオールステラ・マッカートニーを含むLVMHフレグランス・化粧品部門は、今年上半期に前年比で13%成長

他にも、ロレアルリュクス部門は、YSLプラダヴァレンティノ香水の売上のおかげで、全地域でフレグランス2桁成長を記録したと報告しています。

〈DIGIDAY / 2023年12月13日〉

グッチを所有するケリングは今年の7月に、全額現金の38億3000万ドル(約5623億円)クリードを買収

これは、ロレアルがフレグランス・ボディケア会社のイソップ25億ドル(約3671億円)買収した直後に行われました。

フレグランス市場は活況を呈しており、スタティスタ・マーケット・インサイツによると、アメリカでは今年87億2000万ドル(約1.3兆円)の収益を生み出すと言われています。

さらに同社は今後10年間はこの市場が成長し続けるだろうと報告。

2028年までアメリカ経済94億8000万ドル(約1.4兆円)をもたらす可能性があると推測されています。

ちなみに、SNSでもフレグランスの話題は沸騰していると感じます。

実際、TikTokでは「#PerfumeTo」のタグ付けで53億件以上の投稿が寄せられている。

私の専門とする小売の現場でも、フレグランス関連のカテゴリー比率を高める商業施設が増えているのです。

香りがもたらす「プルースト効果」

香りを日常化することで、華やいだ気持ちになったり、癒されたり心にプラスになる。

それだけではなく、他にもたくさんのメリットがあります。

そのうちの1つが「プルースト効果」です。

〈lifehacker / 2023年9月7日〉

これは、匂いや味、音などの感覚的きっかけによって記憶がよみがえる現象を指す言葉です。

皆さんも嗅ぐと思い出す香りと記憶はないですか?

私はムスクの香りを嗅ぐと中学生の頃を思い出します。

なぜなら、自分がつけていた整髪料の匂いがムスクだったからです。

他にも、私の知人に今は無き実家のタンスがヒノキ素材だったこともあり、ヒノキの香りを感じるその時のことを思い出すという人がいます。

懐かしい香りに幸せな気分になる。

つまり、香りと記憶は密接に結びついており、香りを通してノスタルジックな時間を呼び覚ますことができるのです。

ちなみに、ライフハッカープルースト効果をこのように活用することを提案しています。

数ある記憶術の中でも人気があるものの1つが、勉強仕事をしている間に特定のフレーバーのガムを噛む、あるいは、決まった香りを空中にシュッとひと吹きするというものです。
その上で、テストを受けたり、下調べしてきた資料についてプレゼンテーションを行なったりするなど、実力を発揮すべき場面で、事前に使っていたのと同じガムやフレグランスを使うのです。

…もちろん、

しかし、実際にやってみると、その効果は人によってまちまちです。

というエクスキューズはあるようです…

ただ、いつも勉強の場練習の場嗅いでいる香りをテストやプレゼンなどの本番の場でも活用すれば、いつもの調子が出やすいというのは、私もこれまでの人生を振り返って共感するところです。

香りを効果的に使い、成果を出す。

プルースト効果をぜひお試しくださいませ😊

好みの香りを言語化できる新体験

冒頭のDIGIDAYの記事では、最近の傾向として、複数のフレグランスを使い分ける新たな傾向についても言及されております。

昔は1つの好みの香りを使う人が多かったのですが、今は服装のコーディネイトや気分によって香りも使い分ける時代

そんな中、さまざまな好みの香りを発見できる新しい技術が誕生しました。

「香りを言語化」するサービスを提供しているセントマティック株式会社「KAORIUM(カオリウム)」です。

〈TECH+ / 2023年12月26日〉

こちらは、香りのデジタルカウンセリングから好みを言語化してくれるサービス。

まずは、ベースとなる16種類の香りを閉じ込めたビンから一番好みのものを選びます。

TECH+

そのビンを手前のサークルに置くと、その香りの印象AIが解析

「すっきり」「みずみずしい」「清楚」などさまざまな表現幅の言葉がデバイスに表示されます。

TECH+

そして、1番しっくりくる香りの表現を画面上で選択すると、次はその表現に合った複数の香りのビンに新たな印が点灯

それらをまた嗅ぎ、しっくりくる言葉を選択し、何度か繰り返すと、好みが絞られていくというわけです。

最後に、AIが総合的に分析を行い好みの傾向を判断

選んだ好みの香りにタイトルをつけ言語化してくれると共にオススメの香りも3種類ほど紹介してくれるのです。

ワイン好みの味を可視化できると、ソムリエワイン屋の店員との会話が広がり、また新しい好みの味に出会うことができますが、まさにこれも同じことですね。

もちろん、ワインやフレグランスだけではなく、さまざまな分野で好みを可視化することによって、提供側もお客さんの好みが分かり、さらにさまざまな提案を行うことができます

当然、お客さんの満足度が上がりファンになってもらえる

この「好みの可視化」は、きっと大きなビジネスチャンスにつながるでしょう。

〜ということで、本日は「香り」をテーマにお話しして参りました。

ぜひ、皆さんの生活に、ビジネスにご活用いただけると幸いです😊

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