常に「目的」を振り返る
vol.122
当社では、8月はインターン月間。
第一週はプランナー、今週はデザイナー、最終週はコピーライターと、3職種、3週に渡って1週間ずつ実施しています。
どの職種も企画課題が与えられ、最終日の金曜日に発表するのですが、毎年、必ず見かける光景があります。
それは、企画をつくっているはずなのに、企画書をつくることが目的になってしまうというケースです。
と、普段企画をつくらない方はそう思うかもしれませんが、企画書はあくまでも企画を効果的に伝える「手段」であり、単なるツール。
究極、トークだけで相手が企画内容を理解し、承認してくれるならば、企画書はなくても良いと思っています。
企画とは伝えることを絞りに絞ったら
と、大体5つのことが言えれば良くて、あとはマーケットデータや事例などは補足資料に過ぎません。
インターンならば、⑤は難しいとは思うのですが、④ぐらいまでをまとめれば良くて、しかもできれば端的にまとめる方が良いわけです。
長話を聞くのが好きな人は少ないように、企画書もなるべく重要なことを手短に話す。
でも、大抵は企画書の枚数は多くなり、長話になってしまう…
なぜならば、みんな「素晴らしい“企画書“」をつくろうとしてしまうからです。
デザインやアニメーションを凝り、時に過剰に感じるほどのデータや事例の数々。
それはそれで良いのですが、「企画書をいかに充実させるか」が目的になると、話が盛り盛りになり、重要なこと(相手が企画を採用するメリット)が見えにくくなる…
では、企画は通らないわけです…(涙)
こうした目的と手段の逆転については、フリーアナウンサーの古舘伊知郎さんも指摘しております。
〈現代ビジネス / 2024年8月8日〉
ABEMAの『キャリアドラフト 掴め、ミライ。』という番組の司会を務めているのですが、学生のプレゼンテーションを聞き、違和感を感じることがあるそうです。
番組の内容は就職活動中の現役大学生が、約120社もの企業の人事担当者に向けて2分間の自己PRのプレゼンを行い、人事担当者が気に入ったら、その場でオファーを出すという「リアル就活番組」。
古舘さんは、そこで感じる違和感について、このように仰っています。
本来、プレゼン資料(パワポ)は自分が伝えたい言葉をまとめたものであるはずなのに、「資料を上手につくること、読むこと」が目的になってしまっているということです。
プレゼンは相手に訴えかけるものであるはずなのに、手段が目的になってしまっていることで、訴える言葉が予定調和的で無機質なものになってしまっているとのこと…
そこで、古舘さんは
というアドバイスをされているのですが、これは「目的に戻る」「本当に伝えなくちゃいけないことを絞り込む」とも言い換えられるでしょう。
就活のプレゼンも
という端的な理由を伝えることが重要になります。
それ以外の話はあくまでも補完でしかないと考えれば、企画書はもっとシンプルなものになり、分かりやすく、伝わりやすいものになっていくでしょう。
本日は、企画について例に出しましたが、仕事でなくても、普段の生活でも手段が目的なってしまうことは多々あります。
以前、若いカップルからこんな話を聞きました。
二人で休日のデートを楽しむため、前の晩に話し合った結果
に行くことにしました。
その展覧会が行われている美術館は、二人が初めて訪れる遠方にある場所。
初めてその地に降り立った彼女はテンションが上がり、二人は寄り道に寄り道を重ね、結局彼女はヘトヘトに…
そして、彼氏に「疲れたから、美術館にはもう行きたくない」と言ったそうです。
展示会を見たかった彼は、その申し出にムッとし、「わざわざここまで来たのに」とケンカになったそうです。
さて、皆さんだったら、どちらの肩を持ちますでしょうか?(笑)
ここで、デートの目的を明らかにしたいと思います。
皆さんは、目的と手段、どちらがしっくりときますか?
日常の中でも、手段はすぐに目的になってしまいます。
常に気をつけたいところですね〜😊
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