見出し画像

「サステナブルな世界」の最新事例

column vol.1111

1111回目の記事ということで、「世の中に良い取り組み」について語りたいと思います。

持続可能の社会への取り組みはさまざまな所で見られていますが、最近「ファッション」について気になる事例がいくつかありました。

その1つがフランス10月からスタートする「お直しボーナス」です。

〈Forbes JAPAN / 2023年9月4日〉

本日はこのニュースを皮切りに3つの良い取り組みをご紹介させていただきます。


フランスの「お直しボーナス」

「お直しボーナス」が正式なネーミングではございませんが…、フランスでは服や靴の修理・お直しをする人を対象にボーナスを支給

消費者はヒールの修理衣類の裏地の張り替えなどのお直しに対して、6ユーロから25ユーロ(約930円〜3900円)の補助金を受け取ることができるようになります。

「製品寿命の延長」が目的なのですが、服の穴など直せるものは直していく

そういう意識を育むことで、環境負担を軽減しようというわけです。

さらには、修理業界を支援することで、新たな雇用創出を生み出すきっかけにもしていきたいそうです。

この計画は、2020年2月施行のフランス政府の廃棄物政策「循環経済法」に基づいたもので、こうした修理を奨励する動きは、衣類だけには留まりません

同国では、2022年から冷蔵庫洗濯機などの家庭用電化製品の修理に関しても、補助金制度が適応されるようになっており、10ユーロから45ユーロ(約1500円〜7000円)の割引があるのです。

一方で、ファストファッション人気は拡大

昨年度フランスの市場で販売された衣類、靴、家庭用リネンは33億点にのぼり、2021年よりも50万点多かったそうです。

識者の中には、安価な新品が流通する中、今回の「お直しボーナス」は根付かないのではないかと見る方もあり、賛否分かれるところです。

今回のフランスの新しい取り組みは、新品とお直しの調和をどう考えていくかの「考具」になりそうですね。

※上記の文章の為替は2023年9月4日時点のものです。

米リセール市場の期待の星

この話に関連して、アメリカに目を向けると、どうやらリセール市場が好調のようです。

〈WWD JAPAN / 2023年9月13日〉

特に子ども服が伸長しています。

今年7月に「メルカリUS」が発表した2023年度リユースリポートによると、22年に最も成長したカテゴリーは、前年比19.2%増子ども服

取引額で言えばおよそ19億ドル(約2774億円)となります。

2位メンズウエア(14.5%増)を大きく引き離していますね。

そんなリセール市場において注目さているのが、循環型マーケットプレイス「スウォンドル・ソサエティ」です。

スウォンドルはサイズアウト型落ちした子どもの衣料品を一般ユーザーやアパレルブランドから下取りし、交換または販売するフルサービスのプラットフォーム。

さらに、自社サイトに加え、「ウォルマート」やファッション専門のフリマアプリ「ポッシュマーク」と中古品を売買するリコマースのネットワークを構築しています。

扱っているブランドは「ピッコリーナ」「マイトリー」「クラシック・プレップ・チルドレンウエア」「ロケッツ・オブ・オウサム」など人気のものばかり。

他にもトピックスがあるのですが、特にお伝えしたいのが同じく子ども服のリセール・マーケットプレイス「ショップトゥモローズ」を買収したことです。

アメリカのリユース市場は、22年と比較して31年には86.7%増3250億ドル(約47兆4500億円)に達すると見込まれており、中でも子ども服は同期間に146%の成長率が期待されています。

そうした中で、きっと、スウォンドルは存在感を発揮するマーケットプレイスの1つになっていくでしょう。

※上記の文章の為替は2023年9月13日時点のものです。

循環型社会を奏でるディスコ

ファッションの話が続いたので、最後はおめかしして出かける場所についてのトピックをお届けしたいと思います。

オランダのアムステルダムにある、とあるディスコが「循環型ディスコ」として注目を集めています。

〈AMP / 2023年9月8日〉

その名は「ジェントル・ディスコ」

電子音に合わせ、踊る若者たちの様子がひと味違うのです。

Mediamatic.net

…何やら、敷き詰められた四角いマットのようなものの上で靴下の姿になって楽しんでいます…🧐

実はこのマットに「循環型」のタネが詰まっています。

中に入っているのは何と「ヒラタケ」の菌糸体

仕掛けたのは人類生態学の研究者のアルネ・ヘンドリックスさん

きのこを育てて刈り取ったあとに残る菌糸体を捨てられる前に引き取り、これを建材として生きる建築物をつくれないだろうか

と思い、今回の取り組みに挑戦したそうです。

実は、元気のなくなった菌糸体は優しい刺激を与えることで発育が進みます。

その刺激とは、裸足で踏むぐらいがちょうど良い。

ただ踏むだけだと面白味がないので、「踊るのはどうだろうか?」と発想が膨らんでいき、ジェントル・ディスコというダンスパーティーが生まれたのです。

ということで、「ディスコ」といっても建物ではなくイベントのこと。

不定期での開催のようですが、大体月一回ペースで行われているそうです。

ちなみに次は今月の29日に実施されます。

〈Mediamatic.net / Webサイト〉

発育した菌糸体は、鳩のための居住空間「ピジョン・タワー」の素材として活用され、いずれは土に分解

そこで生まれる鳩の糞を栄養にトウモロコシが育ち、そのトウモロコシを鳩が食べるという有機資源のループが生まれます。

これが循環型ディスコの正体。

面白い発想を生み出す人がいるものですね😊

〜ということで、いかがでしたでしょうか?

サステナブルな取り組みは次々と誕生していますので、またご紹介したいトピックスが揃ったら、随時記事にさせていただきます!

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

この記事が参加している募集

マーケティングの仕事

SDGsへの向き合い方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?