「理想論」につくる余白
vol.5
当社のオフィスがある渋谷にも出店している「大阪焼肉・ホルモン ふたご」が面白い試みに挑戦しようとしています。
今週25日に「渋谷ネオ焼肉・ホルモン ふたご」がオープンするのですが、その注目メニューとして、Z世代向けの「スマホ断食サワー」が発売されるそうです。
〈よろずニュース / 2023年5月14日〉
グラスの底が半分かけており、グラス単体では自立できない仕様。
かけた部分にスマホを挟むことでようやく自立する仕組みになっております。
さらに、スマホのライトを付けることでドリンクが光り輝き、「映える」というわけです。
つまり、スマホを手放さないと映えず、映えたら映えたでスマホが使えないので写真が撮れない…
まさに「スマホ断食サワー」の名にふさわしいメニューです(笑)
このメニューが発表されてから、SNSでは賛否両論で盛り上がっているのですが、少なくとも良い宣伝効果にはなってはいます。
しかし、なぜこのようなメニューを開発したのか?
企画の背景には、スマホが普及した現代特有の事情があります。
開発に先立ち、10~50代の男女1000人に実施したWEB調査で、65%が
と回答。
また、73%が「自分も我慢しようと思ったことがある」と、多くの人が食事中のスマホ操作を気にしていることが明らかになったそうです。
そこで、スマホを手放さざるを得ないドリンクを生み出したとのこと。
普通、この手の話はストレートに表現しようとすると説教くさくなってしまいがちです…
しかし、「スマホ断食」という愉快なネーミングや映えたければスマホを手放さないといけないユニークな仕掛けで「笑える余白」をつくりだしています。
この余白があることで、理想論が可愛らしく見える。
また、二人以上で来店したり、スマホ二台持ちしていれば、映えた姿を撮影することができ、スマホ(撮影)を諦めたくない人たちを受け入れる余白もある。
だからこそ、賛否の「否」の人も反対しているというよりは楽しい気持ちで「いじっている」というムードになるのです。
そうして、「大切な人とはスマホを忘れて、食事と会話を楽しもう」というコンセプトが、バスることも相まって多くの人たちに優しく伝わっていくわけです。
理想論を優しく、楽しく浸透させていくというのはビジネスだけではなく人間関係全てに通ずるところですね。
新店舗がオープンしたら、早速行きたいと思う好事例でした😊
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