「唯一無二」の人になる
column vol.1180
明日は毎年恒例の「今年の振り返り」を行いたいと思っておりますので、今回が年内最後の記事となります。
2023年の締め括りはどんな話が良いか色々と考えたのですが、本日は原点に立ち返りたいと思います。
私の原点は「マーケティング」や「ブランディング」です。
こちらのアカウントを訪れてくださる方のほとんどが、何かのプロフェッショナルであり、noterさん(SNSクリエイター)です。
皆さんの多くはすでに「固有性」を確立しているか、「オンリーワンであろう」と目指されていると感じています。
そこで本日は「唯一無二のつくり方」をテーマにお話ししたいと思います。
すでに完成されている方は「おさらい」に、志半ばの方は「補完するヒント」に、ぜひ活用いただければ幸いです😊
知ると差がつく「フォーカスRPCD®︎」
最近、ブランディングについて非常に分かりやすいメソッドに出会いましたので、ぜひ共有させていただきます。
それが、「COEDOビール」やヤマサ醤油「鮮度生活」などを手掛けたブランディングデザイナー・西澤明洋さんの「フォーカスRPCD®︎」です。
〈東洋経済オンライン / 2023年12月25日〉
こちらは
という5つのステップを通して「唯一無二」をつくるメソッド。
最後の「(5)デザイン(D)を整える」は「カタチにする」「実行する」に言葉を置き換えても良いかもしれません。
メソッドの図を拝借させていただきますと、このような流れとなっております。
個人的には、特に
が大事だと考えています。
この土台が崩れてしまうと、もしくは曖昧だと、その後のステップが台無しになってしまう…
家づくりでいえば基礎工事。
ここが弱いと、それこそ “台” 無しになってしまうわけです…
「P&G」の圧倒的な競争優位性
「高度なマーケティング戦略」といえば、その1つに挙げたいのが「P&G」です。
「圧倒的な競争優位性」を築く、その戦略性は世界のマーケターから注目を集めています。
源泉となるのが「アスピレーション(憧れ)」。
自分たちは、どのような「圧倒的な支持」を得たいと願っているのか?
それを明らかにするために、同社では「5つの問い」を自らに課しています。
「どんな成功イメージ(憧れ)を持つか」がスタートになっているのですが、ここでのポイントをP&Gは「勝利」としています。
つまり、「他が及ばない」優位性を確立するということです。
もちろん、ナンバーワンを狙うということもあります。
一方で “オンリーワン” を目指すという方向性もあるでしょう。
前者はレッドオーシャン、後者はブルーオシャンという “市場の海” を泳ぐことになるわけです。
「ロールモデル」からの離れ方
このような話をすると、大抵の人は「オンリーワン」、つまり「ブルーオシャン」を目指すと言うでしょう。
一方で、ここに注意点があります。
…なせなら、人は意外と…
ブルーオシャンを目指しているつもりが、レッドオーシャンに向かっているパターンが多いからです…
その落とし穴の入口が、実は「アスピレーション(憧れ)」でもあるのです。
この場合は「ロールモデル」と言った方が分かりやすいかと思います。
誰しも成功への情景を思い浮かべる際、目指すべき憧れの存在がいることが多いでしょう。
西澤さんでいえば、建築家の安藤忠雄さんです。
大半の人は、誰か(何か)に憧れて、その道を志すわけで
その人と別のポジションをとろうとしていても、何だかんだいつの間にか、その人に近づいてしまうことが往々にしてある。
企業単位で見ても同様です。
他社からの成功事例から学んだ後、そこから離れようとしても、事例が無意識の中でベンチマークとして色濃く残り、時間の経過とともに徐々に近づいてしまう…
もしくは、その差が内輪的なものになってしまい…、外から見るとあまり変わり映えしないというケースもあるのです。
それほどアスピレーション、ベンチマークの影響力は強い…
そしてまた、人は「嫉妬」もします。
自分では競争を避けて独自路線を歩んでいたつもりでも、嫉妬をきっかけに競争心に火がつき、その人に近づいていってしまう…
サッカーで喩えると、自分は献身的なプレーが武器なのに、つい「ファンタジスタ」として華やかなプレーを賞賛されるチームメイトに嫉妬心が芽生え、時折トリッキーなプレーをしてしまうという、そんなイメージです。
こうした傾向は、会社組織でも見られます。
面談でその人の個性や役割を確認し合っても、憧れの人、嫉妬する対象に引っ張られて、その人の良さがボヤけてしまう…
だからこそリーダーの役割があるのですが…
人と同じ経験をしない
…ですから、せっかくセルフブランディングでオンリーワンの種を見つけても、本人が思っている以上にさまざまな影響を受けて、人はその固有性を見失ってしまうわけです…
武道や茶道、華道などに共通する「守破離」という考え方がありますが、この言葉はセルフブランディングを見つ直す上で参考になります。
守破離とは、道を極めるためのステップ。
まずは師匠の真似を徹底し「型を守る」。
そして型をしっかりと身につけられたら、今度はその型を破る。
ちなみに「型破り」という言葉はここから生まれたそうです。
そして最後は、その流派から離れ、自分の型をつくり上げていく。
つまり、道を極めるには最後は「離れなさい」ということを守破離は教えてくれているわけです。
逆に言えば、それほど「オンリーワンであることは難しい」と捉えることもできます。
もう1つ、ご紹介したい先達の教えが、スティーブ・ジョブスさんのこの言葉に表れています。
これも、人の同質化しやすい特性について語っていらっしゃいます。
当たり前ですが、学びとは「誰かから影響を受ける」こととも言えるわけです。
だらこそ、常にさまざまな人から学びつつ
併せて「そこから離れるか」ということが肝要になります。
『メモの魔力』の著者で、SHOWROOM株式会社・代表取締役社長の前田裕二さんは学んだことを「抽象化」されていますが、まさにこれも「離れる」ためのメソッド。
「離れる技術」をいかに確立するかがポイントですね。
2024年は「離れる」
上記までが本文ですので、基本的には話としては以上なのですが、最後に蛇足として自分の話をさせていただきます。
(…最後まで読んでくださる方は、長くなって申し訳ございません…)
今回なぜ年内最後の記事にこのテーマを取り上げたかというと、それは私自身の2024年のテーマが、まさに「離れる」だからです。
今の会社に中途入社して来年で22年。
副社長になって来年の3月で丸5年になります。
この間、先代社長に憧れつつ、学んできました。
しかしこの年末、先代が他界して丸1年が経ちました。
今年は、彼が遺した本や講演録を読みまくりましたが、一方でそろそろ「離れる」段階なのかもしれないと感じております。
もちろん、これからも先代からの学びを大切にしながらも、いかに自分らしさを確立するか。
2024年はその始まりだと感じています。
そこで、最近は先代と私の違いを分析し始めています。
ちなみに、chatGPTに私が書いたnoteを読み込んでもらった上で
と聞いてみました。
するとchatGPTからは、こんな答えが返ってきました。
…差異については微妙だとは思いますが…、私の興味関心については確かにそうだなと思う部分もあります。
そして、何より私はchatGPTの最後の言葉に希望を持ちました。
…やばい…、4000文字を超えてしまいました…
…2024年「型破り」できるように頑張りたいと思います!
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