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部下に恵まれる「上司」とは
column vol.1187
本日は、とある仕事で、あのWBCで侍ジャパンのヘッドコーチを務め、チームを世界一に導いた白井一幸さんのお話をお聞きすることができました。
その際、監督を務めた栗山英樹さんのリーダーシップの真髄について触れられたのですが
栗山さんといえば
信じて、任せて、感謝する
という選手のモチベーションを高める三ヵ条が有名ですが、白井さんの哲学も含めて終始
選手に何を求めるか、ではなく、自分たちが何を選手たちに与えるのか
という姿勢を感じました。
白井さんの表現をお借りすると
「どのように選手に関わるのか」
ちょうど最近、私が刺激を受けた記事ともリンクするので、本日は【部下に恵まれる「上司」とは】と題して、そのヒントをお届けいたします。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
組織の強さとは、リーダーの強さ
監督・コーチと選手という関係を、リーダー・上司と部下という関係に置き換えてみます。
部下に何かを求める前に、自分が部下に何をできるかを考えてみるという話になりますね。
よく
「優秀な人財が欲しい…」
と切実な想いを抱く場面があったりしますが
ティネクト取締役CFO & 鹿せんべい代表取締役の桃野泰徳さんの著書、『なぜこんな人が上司なのか』を受けて書かれた
デイリー新潮の【「優秀な人材ばかり欲しがるトップは無能である」という真理 台湾企業が示してくれた教訓】の記事に、このような言葉がありました。
「優秀とされる人だけを残しても組織は強くなりませんし、逆に凡人とされる人だけを集めても弱い組織になるわけではありません。
組織の強さとは、リーダーの強さと覚悟が反映するものです。仮に『ウチの会社には国際競争力がない』と思うリーダーがいるとすれば、それは『あなた自身が世界で戦う器ではない』ということに過ぎません。」
…なるほど……(汗)
確かに、白井さんも栗山さんの「圧倒的な覚悟」について言及されていました。
それは「目的」に対して、そして「任せる」ということに対して。
まず、目的についてお話しすると、侍ジャパンの目的は何だったのか?
そうですね、
「優勝」
ではありません…!
優勝することは目標であって、目的ではないのです。
目的とは「永遠に達成できない」もの
目標は達成できるもの。
WBC優勝や、売上達成がこれに当たります。
一方、目的とは理念や理想のことです。
ちなみに、侍ジャパンの目的は
「観る者に感動を与えるプレーをすること」
でした。
野球選手のお手本になることですね。
そして心掛けたのは「全力プレー」。
そうしたチームの想いが、日本中を熱狂させたでしょう。
この目的をつくり出しのが栗山さんです。
誰よりも強い「感動を起こすチームをつくりたい」という熱意。
このリーダーの熱意について、『メガヒットが連発する 殻を破る思考法』の著者であり、伝説のマーケターと呼ばれる和佐高志さんは、このように仰っております。
チームを率いる時には、リーダーがパッション・情熱を持っていなければなりません。チームは、恐ろしいほどリーダーを見ているからです。P&Gジャパンでも、日本コカ・コーラでも、成功しているリーダーにパッション・情熱がなかったというケースはあり得なかったと思います。
まずリーダーがパッション・情熱を持ってこそ、メンバーも熱くなる。
侍ジャパンは、まさにそのことを証明したわけです。
若手社員が求める上司とは?
目的を明確にするから熱意が芽生える。
そうすると「挑戦心」が湧くわけです。
そして、リーダーや上司が失敗を恐れず、挑戦することで、部下も挑戦心に火がつくわけです。
…よくよく考えてみると、当たり前ですね…
失敗を恐れているリーダー・上司から
「失敗を恐れるな!」
と言われても、恐れてしまいますよね…(汗)
ちなみに「挑戦」について、興味深いデータがあります。
三井住友海上火災保険が、社会人3年目以内の若手社会人(20代~30代)を対象にして行った「挑戦に関する意識調査」によると
「上司・先輩が挑戦していないとモチベーションが下がると思うか」という質問について
「あてはまる」「ややあてはまる」…計61.8%
という結果になったそうです。
さらに、「挑戦している上司・先輩のもとで働く人」に、「仕事を通じて成長できていると感じるか」聞いたところ
「仕事を通じて自分が成長できている」…79.5%
と、約8割の方が答えているのです。
上司・先輩が挑戦していることと若手の成長実感には強い結びつきがあり、部下の成長実感を高めるには上司・先輩が挑戦している姿を見せることが大切であると、同社は考察しています。
つまり…
「なんか、ウチのヤツら(部下・後輩)、挑戦しないんだよな…」
という悩みについては〜
…いやいや…、まぁまぁ…、一旦この辺にしておきましょう…
部下は上司の「写し鏡」
そして、栗山さんの2つ目の覚悟である「任せる」ということに関していえば、それも「目的」があってこそ腹を括れるのでしょう。
人間誰しも「自分が可愛い」わけで、ついつい保身に走ってしまい、普通は任すことができません…
一方で栗山さんは、目標(優勝/結果)よりも目的(感動/理想)を優先したからこそ、選手を信じ続けることができたのでしょう。
準決勝のメキシコ戦での村上選手のサヨナラ打は、そうして生まれたわけです。
もしも、優秀な部下に恵まれたいのであれば、まずはリーダー・上司自ら目的をはっきりさせて、熱意を持って全力で挑戦する。
そうすれば、きっと部下にも影響が広がり、モチベーションと成長につながる。
そんなことが、本日の白井さんのお話や事例記事から得られたことでした。
部下は上司の「写し鏡」
…個人的には耳と胸が痛い話ではありますが…、肝に銘じておきます…
ちなみにですが、白井さんによると、大谷選手は20歳の頃から、自身の目的について
「世界一の選手になること」
と、周りに話していたそうです。
ではでは「世界一」とは何か?
それは記録や成績など結果ではなくて
「世界一愛され、応援され、影響を与えられる選手」
になること。
えっ!でも、それって絶対叶わないじゃん!
と思ってしまいそうですが、だからこそ良いのです。
目標にこだわると、達成するとモチベーションが下がるどころか、時に「燃え尽き症候群」に陥ってしまう可能性もある…
一方、目的には完成(達成)しないからこそ、いつまでも追求することができるわけです。
目的とは、ゴールのないゴール
WBCで優勝しても尚、燃え続けることのできる大谷選手の深イイ話に触れることができました😊
〜ということで、noteに書き綴っていたら、再び胸が熱くなってきましたが、明日は土曜日です。
とりあえず、燃え上がるのは月曜日からにしたいと思います(笑)
皆さんも良い週末をお過ごしくださいませ!
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