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「思い出」こそ一番の「資産」

column vol.1122

最近、インフルエンザが流行っていると感じていましたが、実はコロナの第10波も同時に感染が広がっているようですね。

〈読売新聞 / 2024年1月26日〉

改めて、手洗いうがいなどなど、感染予防の大切さを意識したわけですが、「コロナ」ということで言えば、巣篭もり生活があったことで感じた「衰え」があります。

それはコロナ前よりも「食が細くなった」ことです。


「経験投資」は若いうちにする

約3年間、私たちは行動制限されていたわけですが、制限解除後、再び昔の仲間と飲み会を開いた時に、以前よりも「食べられなくなったなぁ…」と実感することが多いのです…

私はもともとよく食べる方で、それこそ20〜30代の頃の旅の写真を見返すと、プロレスラー並みに食べていました。

今は半分、下手すれば1/3ぐらいで十分と思うぐらいで、月日による変化にちょっと悲しい気持ちになってしまいます…(涙)

そんな時、頭に浮かぶのがアメリカのベストセラー本『DIE WITH ZERO』です。

パンデミックの拡大と同時期の2020年に発売され、たちまち増版されるほど話題になりました。

〈幻冬舎ゴールドオンライン / 2024年1月19日〉

直訳すると「ゼロで死ね」…(怖、、)

つまり、「全財産を使い切って天国に旅立っていこうぜ」という話なのですが、筆者が訴えたいのは

「人生最後に残るのは、経験から生み出された思い出である」

ということ。

つまり、若いうちから「惜しみなく経験に投資しましょう」ということです。

どういうことかというと、アメリカ人70歳の時に資産や貯蓄額が最大になるそうですが、その年代から若い頃我慢していたことにトライしようとしても、なかなかハードルが高いということ。

実際、水上スキーを始めたり、ライブを観に行ったり、世界中を旅したりするといったような新しい挑戦に億劫になる70代の方は多いことでしょう。

これは冒頭の私の話に通ずるところかと思います。

20代だったから、異国の地のメニューを思う存分食べることができた。

長期投資は若いうちからやった方が良いというのと同じで、経験投資もなるべく早い方が良い

それだけ、思い出というのは変え難い資産なのです。

思い出とは唯一無二の貴重な財産

初恋、部活、結婚式、旅などなど、良き記憶は、思い出すだけでも幸せな気持ちになるのではないでしょうか?

さらに言えば、『質問の一流、二流、三流』の著者、桐生稔さん「嫌な思い出」も貴重な財産になると仰っております。

学生時代、貧乏旅行でベトナムに行き、10円のラーメンを食べて腹を下しました2日間高熱でうなされたのですが、これもまた最高の思い出です。

確かに、大ピンチ&大失態エピソードは、武勇伝として語られる節がありますよね。

この間、上場企業の経営層が集まる懇親会に招かれた時も、最初は皆さん、難しい顔をして仕事の話をしているのですが

過去の大ピンチ&大失態エピソードに話が進むと、一気に会話に熱が帯びてきます

そして、極め付けは学生時代の話

昭和時代における、部活の理不尽な練習や先輩からのしごきに話が及ぶと、その会イチの盛り上がりを見せたのです…(笑)

その時、皆さんが話す表情は学生時代に戻ったかのよう

日本経済をリードする企業の経営層の皆さんですら、学生の頃の思い出が一番といわんばかりのムードだったのです。

良い記憶も、大変だった記憶も、あとあと興奮して話すぐらいの大切な財産になる。

思い出の価値の高さを改めて感じた瞬間でした😊

「思い出消費」を戦略化する

よく会話において「聞き上手」が出世すると聞きますが、桐生さんは質問力の差をこのように表現されています。

三流は、相手の大切なものに興味がなく、
二流は、相手にやみくもに質問し、
一流は、相手の思い出を質問する

相手の思い出が大切なことほど、心の距離を縮めるわけです。

ビジネス全般で考えてみても、子どの頃に熱中したおもちゃやゲーム、コレクションなどを、大人になってから爆買いする方も多いですよね?

それぞれの世代の時代背景をリサーチして、商品開発をすると、上手に思い出消費につなげられると思うのです。

例えば、私が身なりを意識始めた中学生の頃(1990年代前半)は、整髪料の香料といえば、「ムスク」「シトラス」の2強だったわけです。

ですから、未だにこの2つの香りを嗅ぐと、甘酸っぱい思い出が蘇ってきます。

思い出に絡めた商品は、大いなる情緒的付加価値を手にすることができるでしょう。

こちらはプロモーション戦略など、さまざまなビジネス戦略に展開できるかと思います😊

〜ちなみにですが、先ほどの「部活苦」自慢の最後は、概ね皆さん

こんなふざけた習慣、俺たちの代で終わらせてやったよ〜

と仰っていました。

大手企業の上層部になるような方は、改革者が多いのでしょうね〜

そんなことにも刺激を受けつつ、思い出戦略について今後も考えていきたいと思います!


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