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クリエイティブは “半径3m” の遊び心

column vol.855

最近、とある企業のコンセプトブックを制作していることもあり、いつもより「クリエイターモード」が強めなのですが、最近素晴らしいクリエイターさんの記事に出会うことができました。

それは、WIREDの記事。

〈WIRED / 2022年11月26日〉

こちらは「Nintendo Switch」でお馴染みの『PICO PARK』を開発したTECOPARK三宅俊輔さんの記事です。

『PICO PARK』とは、最大8人のプレイヤーがかわいらしい二頭身のキャラクターを操作し難所を乗り越えていく、協力アクションパズルゲーム

どんな作品か知りたい方は、ぜひこちらもご覧くださいませ。

〈PICO PARK / YouTube〉

この三宅さんのお話を拝見して、自分のクリエイターとしての原点に触れたような気がしたのです。

クリエイティブは「小さな輪」から生まれる

三宅さんにはゲームクリエイターとしての礎となった幼少期のエピソードがあります。

当初は「ローカル通信用(近くのSwitch本体同士で無線通信を行い、複数人で一緒に遊ぶ方法)」として開発したことの理由を問われた三宅さんは、このように答えていらっしゃっているのです。

私が幼い頃、年上の従兄弟がよくノートでゲームをつくってくれたんですよ。鉛筆や消しゴムを使ったコマンドRPGをつくってくれたり、マンガを描いてくれたり。身の回りにあるもので遊びをつくることは、その従兄弟から学んだことですね。

年上の従兄弟は、ゲームをつくって自分を喜ばせてくれた。

その原体験を受けて、三宅さんは同じゲームでもオリジナリティ溢れる新しい遊び方を考えるようになったのです。

社会人になってからも会社の同僚や上司を呼んでいろいろな遊び方で楽しんでいたんです。例えば、一人で遊ぶ『ドクターマリオ』を、一人がコントローラーの右半分、もう一人が左半分を持つことで強引に二人協力プレイしてみたり、画面をプロジェクターに映すときにあえて上下反転して映してみたり。同じゲームでも遊び方を新しく考え、みんなで試してみるということをよくしていました。

つまり、ゲーム開発へのモチベーションの源泉は、周りの仲間を楽しませること

そのための遊び心を大切にしているのです。

“遊び心” 溢れた昭和時代

私は小学校3年生まで東京世田谷区にある社宅に住んでいたのですが、小学校に入るまではファミコンが無い時代

しかも、子どもは外で遊ぶのが世の習わしでした。

3つ上の兄の世代は上下も含めて子どもの数が多い。

そして、私の1つ上の年齢まではそのグループでまとまっていました。

私も当然、そのグループに入れるものだと思っていましたが、兄は弟がグループに入られるとどうも調子が狂うようで、絶対に入れてくれませんでした…

他は同い年はいなく、年下しかいませんでした。

そこで、私は下のグループと一緒にグループをつくったのですが、年長者なので、その日の遊びは私が決めなければならない状況だったのです…(…という記憶)。

ただ、社宅の庭や近くの公園での遊び方って、たかが知れているわけです…

それでも、毎日メンバーに参加してもらうためには、常に新鮮な遊びを提供しなければなりません。

「あっ、みんな飽きてきたかも…」と思ったら、次を考案する。

都度、新しい遊びを提案する時はみんなで輪になって私が説明をする。

そこで、みんなが笑ったら、遊びがスタートする。

そんな体験が今の自分をつくっているような気がします。

……とはいえ、当時のメンバーは、きっと私に相当気を使ってくれていたのだと思いますが…

最初は「数人」をイメージする

私はこの半径3mの小さな輪で最初はアイデアを考えて、その人たちを喜ばせることがクリエイティブの原点だと思うのです。

マーケティング的に言えば、それを「代表顧客」とか「ペルソナ」となります。

お客さまと言ってもさまざまな方々がいらっしゃるわけです。

特に支持していただけそうなお客さまを明確にイメージして、プロモーションやコミュニケーションを仕掛けないと非常に曖昧なものになってしまいます。

そのスタンスはnoteでも同じで、まずは私の記事を読んでくださる中から特に喜んでくださっている(……だろう…)数人の方を思い浮かべて、ドラフトを書きます。

その後、そのコアな部分は大切にしながらも、マス的な視点で見直す

どなたが読んでも分かりやすいか、考え方が偏りすぎていないか。

スケールを広げて推敲し、完成させています。

私自身はまだまだこの精度を高めていかないといけないと日々反省していますが、人気noterさんの記事はこの作業がとても上手い

理想はラジオパーソナリティだと思っているのですが、「私だけに語りかけられている」と感じていただきながら、誰もが共感している話になっていること。

この視点の縮小・拡大がウケるクリエイティブの本質であることは間違いないでしょう。

そういう点でも他のnoterさんの記事を拝見することで勉強になることがたくさんありますね。

眠っている間にクリエイティブ力がUP

とうことで、最後はnoterさんからのとても素晴らしい刺激を共有して締め括りたいと思います。

それはこのマイナビニュースの記事。

〈マイナビニュース / 2022年11月25日〉

日本の睡眠課題解消に取り組む仮想コミュニティ「ZAKONE(ザコネ)」に加盟するマッキャンアルファNTT東日本NTT DXパートナーが、視聴しながら仮眠することでクリエイティビティが向上するという仮眠ミュージックビデオ「カレ〜なる仮眠」を公開いたしました。

〈ZAKONE Sleep Network Hub  / YouTube〉

2018年のOECDによる調査によると、日本人の睡眠時間は7時間22分で世界ワースト1位

この睡眠の短さは、疾病リスクの向上・日中の眠気・生産性低下などの悪影響を及ぼしています。

そこで、このプロジェクトが目をつけたのが「仮眠」です。

眠りには、眠りの浅い「レム睡眠」と眠りの深い「ノンレム」がありますが、このノンレム睡眠の中にも実はステージが1〜3段階あるようで、睡眠が深く脳と体が完全に休んでいる状態であるステージ3に対して、ステージ1〜2体は眠っているものの脳は起きている浅い睡眠状態とのこと。

睡眠はまず眠りの深いノンレム睡眠から入ります。

この中でステージ1〜2にあたるのが「仮眠」になるそうです。

仮眠は、適切な方法で取得することにより、睡眠不足の解消脳内情報の整理・記憶に役立ち、生産性の向上に加えてモチベーションアップクリエイティビティ向上に繋がるとのこと。

仮眠の推奨取得時間は20分程度

上記YouTubeを見ていただけると分かりますが、約25分間仮眠パートでは画面が真っ暗で心地よい音楽だけが聞こえています。

その後、ベルが鳴り響き、視聴者を仮眠から起こし、ユニークなミュージックビデオが始まります。

そして、3分間ぐらいで映像は終了。

ちなみに、このマイナビニュースの記事では、その効果についても触れられています。

この仮眠ミュージックビデオを視聴しながら仮眠をとり、国際学会でも採択されているDX推進などのクリエイティビティ向上に必要な力を客観的に評価するデザイン思考テストを受験してもらう実験を行ったところ、期間中に複数回上記フローを行った参加者の60%が初回テスト受験時からスコアを上昇させ、さらにそのうち50%がスコアランクを1段階以上上昇させたという。

noteで高まるクリエイティビティ

いや〜凄いですね…!!

驚きです!!!

日常に睡眠を上手に取り入れながら、創造性も高めることができる。

クリエイターのみならず、さまざまな人にとって大変ありがたい映像です。

ちなみに「カレ〜なる仮眠」“カレ〜”カレーライスカレーなのですが、その辺のネーミングの経緯など詳しい話が気になりましたら、ぜひぜひマイナビニュースの記事を読んでいただけると幸いです。

………と、

あれ?

刺激を受けたnoterさんの話じゃないの…??

と思われた方もいらっしゃると思いますが、実はこのマイナビニュースの記事を書いた方は、元JAXA職員齊田興哉さん。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、noterさんです。

こちらが、マイナビニュースに掲載されたお話をご紹介しているnote記事です。

先日のサイボウズ 執行役員ビジネスマーケティング本部長の林田保さんもそうですが

相互フォローさせていただいているnoterさんのご活躍に大変刺激を受けたという話でございます。

今後もたくさんの素晴らしきnoterさんから勉強しながら、私もクリエイティビティを高めていければと思っております。

ぜひぜひ引き続き、皆さんよろしくお願いいたします!

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