鉱脈は、足元にある
vol.129
「灯台下暗し」というように、ヒット(チャンス)の鉱脈は結構、足元にあることが多いと感じます。
最近、面白いと思った事例がアメリカのピザハットの事例です。
“引っ越し専用ピザ”の「Moving Box Table」が登場したのです。
〈TABI LABO / 2024年9月12日〉
こちらのメニューには、手順通りに折り畳むとあっという間に厚紙がテーブルに早変わりする専用ボックスが付いています。
完成した姿が、こちらです。
なぜ、ピザハットが引っ越し専用のピザを販売し始めたのか?
その理由は、アメリカの引っ越し文化にあります。
同社が行った調査によると、何と79%もの人々が「引っ越しの際ピザを床で食べた経験がある」と回答。
確かに、わざわざ食器を出してくる必要もないですし、シェアもできるので非常に便利です。
一方で、引っ越しの際は床にピザの箱を置いて食べる人も多いという習慣もありました。
そこで、組み立てるとテーブルになる箱を開発したわけです。
SNSでは早速、称賛の声が溢れているようで、ピザハットのアイデアはハマったわけですが、逆に言えば、今までなかったことが不思議に思う方も多いのではないでしょうか?
これこそが、灯台下暗し的事例で、人はその光景を当たり前に感じてしまうと、それ以上深く考えなくなる傾向にあります。
そこに、簡易的でもテーブルがあった方が良いよね、とまで考えないということです。
実は、これは誰にでも当てはまることで、人間の脳を考えるとよく分かります。
ケンブリッジ大学の研究によると、人は1日に最大3万5,000回の決断。
さらに、脳は全重量のたかだか2%を占めるに過ぎないにもかかわらず、全エネルギーの18%も消費しているのです。
つまり、エネルギー消費量が非常に多い。
そこで、無意識に脳はサボろうとします。
当たり前の中にある鉱脈を見逃してしまうというのは、脳の特性を考えたら自然なことなのかもしれません。
だからこそ、クリティカルシンキング(批判的思考)がビジネスの中でも重要視されていたり、我々のようなマーケターが外の目目線で当たり前を深掘りすることを求められるわけで、
これは、文化人類学的リサーチという昨日の話にも通ずるかと思います。
当たり前に対する深掘りの仕組みをいかに個人、組織の中で設計するか。
そんなことを改めて感じさせる、今回の事例だったのではないでしょうか😊
〜ということで、3連休もあっという間に最終日です。
来週も3連休がありますが、まずは今日を楽しくお過ごしくださいませ。
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
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