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教会の問題

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キリスト教会はとても居心地のよいところです。でも、満点を期待してはいけないでしょう。たくさんの問題を抱えています。とくに内側にいると見えないものを、なんとか見ようとするひねた者が…
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2022年10月の記事一覧

ハロウィーンとケルト文化

ハロウィーンとケルト文化

偶々開いた本(『ケルト神話・伝承事典』木村正俊・論創社・2022)によると、ケルト社会では、10月31日までが夏で、半年後に冬が終わる、つまり、季節は当初二種類しかなかったのだという。但し、一日のサイクルはユダヤでのように、日没で終わるものだったため、10月31日の日没後は、冬の始まりということになる。
 
ケルト文化では、異界と現実界、つまりあの世とこの世とは往来が可能と考えられており、死者の霊

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言葉を考えたりとかしませんか

言葉を考えたりとかしませんか

作文を小中学生に教えることがある。中学生となると、いろいろな大人の文章に国語で触れるものだから、さすがに感得できるようになるが、小学生だと、どうにも直らない性質がある。それは、話し言葉をそのままに文字にする、ということである。
 
耳で聞いて言葉を覚える幼児の段階では、文字で書いたときに発覚することがある。宿題を「しくだい」、体育を「たいく」、言うを「ゆう」のように書いてしまうのだが、これも話し言

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恵まれる礼拝説教がある

恵まれる礼拝説教がある

「この説教を、ぜひほかの人に聞かせたい」などと言うと、少し高慢に聞こえるだろうか。「あの人に、聞いてほしい」と素直に思うような説教がある。「この」というのが、ある日の特定の説教である場合もあるが、同じひとの次の説教を信頼している場合には、「この人の説教を聞いて戴きたい」という言い方にもなる。どういうシチュエーションであってもいい。
 
教会の礼拝に参加している方は、そうした礼拝生活を送っているだろ

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教会に必要な「きよさ」

教会に必要な「きよさ」

プロとして彼女は、白魚のような指で、ピアノを弾き続けた。
 
違和感がおありの方は、ピアノを弾く方であろうか。ピアノの弾ける友人がよく言っていた。そんなのは嘘だよ、ピアノを弾くには筋肉が必要なんだから、と。
 
どうにも勝手なイメージというものが先行することが、世間ではよくある。「クリスチャン」に付く枕詞は「敬虔な」であるように思われているようである。一体いつからそうなったのか知らないが、これに対

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統一協会とキリスト教界

統一協会とキリスト教界

国会中継に、つい見入ってしまった。首相は、統一協会問題で激しく責められている。前日に、解散請求のためには刑事罰が必要だと説明していたが、この日は、民法における不法行為も可能だという見解に修正した。非常識な献金を、信仰という名目で払わされた信者ないしその家族などの被害者を救済するという建前で、国会が一つになり、統一協会問題に立ち向かう道を作りたかったのであろうか。自民党内部への追及を少しでもかわした

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「私たち」という言葉(続)

「私たち」という言葉(続)

難しい言葉で説明されると、理解するのも難しくなるだろう。前回の「私たち」という言葉について、もう少し具体的に改めてお伝えできたらと願いつつ、触れることにする。
 
1.自分と共通項をもつ人々と、語る自分とを含む「私たち」
 
誰かほかの人がいて、その人たちと、私とが、皆該当しますよ、ということを言いたいときに、私が使う言葉が、この「私たち」である。至って普通の感覚だと往っていと思う。説教者が、「私

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