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教会の問題

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キリスト教会はとても居心地のよいところです。でも、満点を期待してはいけないでしょう。たくさんの問題を抱えています。とくに内側にいると見えないものを、なんとか見ようとするひねた者が…
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2022年9月の記事一覧

うるさい

うるさい

京都に住んでいたことはあったが、離れると、京都地元の話題には疎くなる。偶々知ったことがある。「泣いてもかましまへん!」ステッカーなるものが配布されているという。電車やバスのような公共の場で、赤ちゃんが泣いても、気にしないから大丈夫だよ、というメッセージを伝えるものなのだそうだ。
 
主催は「京都府子育て環境日本一推進会議」だといい、この動きは「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」のひとつなのである。
 

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説教批判

説教批判

「説教批判」という言葉がある。世の中には「批判」という言葉を聞くと、それだけでもう血が頭に上る人もいるが、ドイツ思想を少しでも知る人は、穏やかに応じるはずである。カントの「批判書」が物語っているように、「批判」とは、日常日本語で用いる「検討」または「吟味」という程度の内容を指す語と捉えているだろうからである。しかし、やはりただの「検討」とは違う。「検討」なら自分ひとりでもできるが、「批判」は恐らく

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たしかにA、しかしB

たしかにA、しかしB

中学入試の作文を指導している。その中で、便利なフレーズとして「たしかにA、しかしB」の形を覚えてもらうことにしている。「別の意見のよいところを認めた上で、それでも自分はこちらがよいと思う」という場合の常套句である。
 
日本語だと「たしかに」の代わりに「なるほど」もよく使うだろう。小学生には似合わないので「たしかに」で教えている。これが英語だと、かなりいろいろな表現が取れるらしい。ドイツ語では、z

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共につくる

共につくる

息子がジャズのギターを学んでいる。大きなバンドでは、そう目立つばかりであってはならない。いや、小さなバンドでもそれはそうだろう。リズムを刻む重要な役割がある。しかし、ソロあるいはソロ・フィーチャーというような演奏の時間も与えられることがある。そこでは主役である。聴衆を魅了することが求められることになる。
 
そのソロだが、中にはきっちりフレーズも決めて、決めた通りに演奏する、というタイプの人もいる

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エステル記に覚える憤り

エステル記に覚える憤り

いまの時代、いまの場所で見る風景が、世界の基準であるわけではない。まして、この自分の考え方が適切であるなどという保証は、どこにもないことも分かっている。だが、どうにも不快に感じる聖書の物語がある。
 
そもそも聖書という名前がよくない。そこに人間が描かれている限り、人間がいかに汚く愚かであるか、が伝わってくるようにしかできていないのかもしれない。
 
改めて開いた、エステル記。ユダヤ民族にとっては

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政治的なことを説教で語ることを問う

政治的なことを説教で語ることを問う

礼拝説教で、政治的意見を語るのは是か非か。時折誰かが話題にする問題がある。「政治的なこと」とは何か、それが何を指しているのか、ということを曖昧にして議論しても仕方がない。また、この問いそのものが妥当かどうか、それも検討する必要があるような気がする。
 
政治に関わることに、全く触れてはいけない、とするのも、実際的に難しいかと思われる。純粋に聖書の中の過去の歴史と道徳のようなことだけを語ることだけが

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