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診察ノオト 完結編3/3

前回はこちら。
診察中の録音問題をめぐるあれこれ。

医師に事情を話す

診察の本質を見失わないようにしたいです。
診療中の録音は、ひとつの手段にすぎません。

もしご家族や友人が付き添えず、診察当日お一人では不安でしょうがなかったり、内容を理解できそうもなかったりでしたら、正直に医師に伝えてください。きっと一緒に最善の方法を見つけてくださるはずです!

「症状の説明」でしたら、口頭ではなく紙に書いてくれるようお願いするといいですね。

「治療方針の説明や決定」までしないといけないのでしたら、家族も通話で一緒にお話を聞くという形にしてもらえないか相談してみてください。

※もっとも、時間の猶予があるか確認したうえで、一度持ち帰るのが多くのケースではベターだと思われます。

究極の医療DX

個人的には、むしろ病院(医師)側で録音・反訳するのがデフォルトという診察こそ理想だと考えます。そうなれば、医師も患者さんだけに集中して診察できます。

たとえば、反訳は電子カルテに反映され、医師は内容を確認するだけです。お会計後、患者さんは自由に電子カルテにアクセスできる。

…そうなることが、究極の医療DX※だと考えます。

でも、現状そうはなっていませんので、患者さんやご家族にとってベターな形として「診療ノオト」が開発・提供されたのかなと想像します。

〈参考〉
※医療DXについて
『第1回「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム会議資料』よりhttps://www.mhlw.go.jp/content/10808000/000992373.pdf


録音・反訳の効能

診察中うまく質問できない患者さん、メモを準備しても質問事項でいっぱいになる患者さん…

性格的なものだったり、その日の体調だったり、あるいは不安な気持ちが全面に出てしまい理解が追いつかなかったり不十分だったりしているかもしれません。

これらのケースも、診察の録音を聞くことである程度解消できることもあります。音声なら医師の言葉だけに集中でき、余計な情報を遮断できます。ラジオと同じです(ラジオ好きな高齢者の方には特に有効かもしれません)。

会話において相手の表情も重要な情報のひとつですが、かえって理解を阻害する要因となってしまう患者さんもいらっしゃいます。

情報をさらに単純化した反訳(文章化)は、文字なので対象として客観的に理解できるという患者さんもいるかもしれませんね。手書きだと不安な感情が蘇るかもしれませんし。


「診察ノオト」の試み

そもそも、医学は難しいです。医師は当たり前のように流暢に説明しますが、特殊なのです。
医療の提供として医学を噛み砕いて、わかりやすく説明する努力はします。でも患者さんも「工夫」が必要かもしれません。ご自身やご家族に合ったものを探してみてください。

色んなご意見はあると思いますが、私は「医療ノオト」を応援したいです。録音・反訳によって、患者さんやご家族が不安や後悔を減らせるチャンスですし、おそらく大手製薬会社や他のスタートアップ企業による治療アプリにはない機能ですし!


まとめ

「診察ノオト」アプリに端を発した記事は、今回で終わりです。派生する話題はまだまだありますが、かなり割愛しての全4本でした。

途中で横道に逸れた話題もしたせいで、読みづらい箇所もあったかもしれませんが、診察の意義を考えるきっかけになってくださると嬉しいです。

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