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歌詞と雑文。

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#創作大賞2024

風の言葉

風の言葉

 言葉は際限なく溢れ そのほとんどが意味を持たない
 言葉の半分は空に消え こころの半分を隠す
 本当の気持ちは半分も見えない
 残った意味も 風に揺れる葉のよう

 さよなら ホントのさよなら

 言葉は鳥のように空に飛び立ち 遠くに散っていく

 聞こえていた笑い声 輝いていた光
 その影は地上に残る こころの欠片
 波に揺れる水面のように ささやかに揺らめく
 隠れた半分のこころには もうひ

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no more war

no more war

すれ違う人たちがいる人生を重ねる
子供の頃に見てた夢は少しだけ似てる

もしこの世界中が小さな町だとする
支配も争い合うこともなくなればいい

明日、世界が滅びても
この思いは変わらない

明日、世界が滅びても
この思いが変わることはない

悲しい人たちがいる終わりの見えない
戦禍の中で震えながら涙に暮れる

分からない事は分からなくてもいい
本当の事は心が教えてくれる

明日、世界が滅びても

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首都を目指す

首都を目指す

この山河の曙を静かに震わせて
重戦車は遠くに進む

怒りを内に鎮めた冷たい車体
重戦車は首都を目指す

人の澱んだ鼓膜には定かに聞き取れず
重戦車は静かに進む

いつかこの旗を彼の地に打ち立てん
重戦車は首都を目指す

隣の町

隣の町

昨晩の未明
隣の町で殺人事件があったって
近くの公園で、叫び声を聞いたって
お喋りなその子は、早口で話す
パトカーが沢山、集まって来たって

良くないと喋る友達と、一緒に、
その町の方へ歩いたよ
通りはしんと静まって
犬の声だけ聞こえていた
みんなと別れて一人で帰ろう
心がくるくる回ってくるから

怒ると意外と怖い人っているもんね
噂もあったけど誤魔化して逃げ出した
話し声が聞こえる

腐った臭い

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夏空

夏空

空はどうして青いのだろう
風も吹かない砂浜で
立ち尽くしている
ぼくは独り

乾ききった横堤防に
今はカラスが群れている

海はどうして大きいのだろう
数え切れない数字が
ぼくの手のひらから
流れ落ちた

忘れてしまった何かがある
思い出せない

太陽が眩しい

眩しい太陽
緑の野原

今何かが
心に咲こうとしている
そっとしておきたい
瑞々しい感覚

じっとしていよう
もうすぐに
努力の度合いを

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犬矢来

犬矢来

舟を漕ぐ手を止めても直ぐに舟は止まらない
静かに時は流れる
流れ星の流れた先は愉快な掃き溜め
泥にまみれても穴を掘ろう

並べ替えた言葉で遊んでいる
欲張りな子供はいつも笑っていた
拾った糸を投げても届かない
雪の日に凍った窓を開けよう

カラのカバンを枕に眠ってる
水のない所で魚は生きて行けない

金の欠片の落ちてそうな辺りを駆け回る
鼻先に肉をぶら下げた犬のようだ

愛

愛は静かな波のように心の岸辺に寄せる
言葉に出来ない想いを優しく包み込む

愛は月の光のように降り注ぐ
目に見えないけど確かな温もりを感じる

愛は星のように夜空に輝く光
遠く離れているだけ求めてしまう

愛は花のように季節を超えて咲き誇る
その香りは永遠にこの胸に残る

愛は風のようにそっと思い出を運ぶ
それは自由を求め続けること

愛はすべてを許すこと
愛はそのすべてを受け入れること