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#エッセイ
忘れられない初恋〜好きでいてくれてありがとう〜
2022年12月末。
実家に帰ることを連絡しともみちゃんと会う日が決まった。
会うのは5月にともみちゃんの家へ行って以来。
会えなかった半年の間も、定期的に連絡はとっていた。
僕がLINEで誕生日を祝ったからか、ともみちゃんも祝ってくれた。
何より僕の気持ちに整理がついていた。
今だと思えるタイミングだった。
でも、直前でともみちゃんの方から会えないと連絡が届く。
特に理由がなかったこと
忘れられない初恋〜言わせてしまった別れたい〜
「別れたい」
電話でそう告げたのは、僕ではなく、映画館のともみちゃんの方からだった。
旅行に行きたいと言っていたから、映画館のともみちゃんの誕生日の3月にお祝いをして、伝えようと思っていた。
先に言われてしまった。
先に言わせてしまった。
僕の気持ちに薄々気づいていたんだと思う。
旅館の予約をとろうとしたら、自分でとると言われたとき、そんな予感がしてた。
付き合ってからは、楽しい毎日だった。
忘れない初恋〜はじめての君の家〜
「帰ってくるとき、連絡してよ」
久しぶり再会したあの日、ともみちゃんにそう言ってもらえてから、僕はSNSで地元に帰ることを匂わすことはなく、直接ともみちゃんに連絡できるようになっていた。
夏に帰る連絡をしたら、コロナが第何波が来だしてるタイミングで会えないってなった。
それでも
「むしろ、会いたい!」
って連絡をくれて、会えなくてもそれだけで心が満たされた。
会うことができたのは、それから3ヶ
忘れられない初恋〜ショートカットじゃなくなってた君〜
2020年末、地元に帰り、腐れ縁の長谷とファミレスで人生について語り合ってた。
この楽しい風景をインスタグラムのストーリーに投稿する。
すると、一件のメッセージが届く。
初恋のともみちゃんからだった。
奥底にしまっていた気持ちが押し寄せ、胸がザワザワするのがわかる。
ご飯に誘ってくれた。
嬉しい。すごく嬉しかったけど、僕にはもう別のともみちゃんが隣にいて。
別にただご飯行くだけなんだけど
忘れられない初恋〜君を忘れて好きになった人〜
「よかったー。私も今日、ギンガムチェック着てこようか迷ってたんですよ。被るところだった。」
映画館バイトの研修日、ギンガムチェックを着る僕に彼女がそう言ってきた。
これが僕と映画館のともみちゃんとの出会いだった。
第一印象は少し変わった子。
そして、やっぱり名前が気になった。
僕は「ともみ」という名前の子に会うと、意識する一方で、一番最初に恋愛対象からは外れるようになってしまっていた。
そ
忘れられない初恋〜告白。片想いが終わった。〜
映画を観終わったら告白するのは決めていた。
映画館の前に公園があるから、ベンチに座って告白しようと思っていたけど、その日は雨で、どうしたものか。
そんなことで頭がいっぱいなんだけど、気づかれないよう映画に集中する。
映画が終わると、ご飯を食べることになった。
ご飯の前に告白したいと思い、お店を探すふりをして、告白できそうな場所を探す。
ショッピングモール内を何周もぐるぐるまわる。
たまらなくなっ
忘れられない初恋〜2つの決断〜
2018年、9月。
僕は芸人を辞めた。
ともみちゃんと飲んでから、半年後。
ようやくコンビを組むことができ、舞台へ戻った。
このコンビでは1年活動したけど、休んだ分のブランクを取り戻すことができず、限界を知った。
そう思えたからか、辞める時は清々しい気持ちだった。
解散してからの僕は、コンビを結成する頃にはじめた映画館のバイト先で、社員になることを視野入れ働いていた。
普通の幸せを手に入れるた
忘れられない初恋〜夢を叶えた君とふたりで飲んだ夜〜
2017年、3月。
ともみちゃんがライブに来てくれてから、3年近くが経とうとしている。
僕はどうしようもない日々を過ごしていた。
コンビニの夜勤に週4で入り、残りの3日はただただ時間を持て余す、ほぼフリーター同然だった。芸人と名乗る資格なんてない毎日。
舞台にはもう1年半近く経っていない。
コンビを解散したのは、3年目の夏だった。
地道ながら手応えを感じつつも、中々結果が伴わない。コンビ仲が
忘れられない初恋〜客席に君がいるライブ〜
芸歴は2年目になっていた。
デビューし、ライブを重ねるごとに、感覚も掴んできて、ライブの出番も少し増えていた。
その中で、2年目から5年目までの選抜された若手が出られる新ネタライブに選ばれた。
とにかく嬉しかった。
普段ではご一緒できないような、劇場で人気や実力がある先輩たちと同じ舞台に立てる。
養成所時代、中の下くらいに位置にいた僕らからすれば快挙だった。
相変わらずバイト三昧ではあったけど。
忘れられない初恋〜同窓会となりに君がいる〜
同窓会があったのは、成人式から2ヶ月後の3月だった。
場所は千葉だったけど、地元の最寄り近くというわけではなかったので、東京から向かう。
幹事は、大学でも野球やってて成人式に来れなかった直哉だったけど、その日も結局いなかった。
それでも会がひらかれることに感謝。
「私、ゆうりくんの隣がいい」
そう言って、ともみちゃんは隣に座ってくれた。もう楽しい。
「私も近くがいい」
と言って、1度ライブに
忘れられない初恋〜再会はベタに成人式〜
なんとか養成所を卒業し、無事、芸人としてデビューした僕。
デビューといっても、事務所ライブが月に1,2回ある程度で他の時間はバイトばかりだった。
時間はあり、地元が千葉ということもあって、2ヶ月に1回くらいのペースで帰省していた。
地元に近づくにつれ、偶然同じ電車に乗ってたりしないかなとか、最寄駅で会えないかなとか、そんなことを思いながら電車に揺られる。
ツイッターにも帰省することをつぶやく
忘れられない初恋〜君のいない学校〜
ともみちゃんは地元から少し離れた新学校へ、
僕は自転車で通える地元の商業高校に進学した。
裕福な家庭ではないから、電車賃すらかけたくなかったり、ブレザー着たかったりとか、いくつか理由はあったけど、いちばんは自分を変えるのにちょうどいいと思ったから。
環境を一変したいとは思っていたけど、人見知りの僕にとって、知り合いが1人もいない学校に行くと、スタートでつまずく恐れがあったし、かと言って知り合い
忘れられない初恋〜中学校〜
中学生になり、僕は1組になった。
なんと、ともみちゃんも1組だった。
僕の中学校は、僕が通った小学校と隣の小学校が通うことになる。
隣の小学校分生徒が増え、中学校は5クラスもあった。
そんな中、ともみちゃんと同じクラスになれてなんて運がいい。
お似合いだった直哉は5組で、付き合った情報はなかったから、まだチャンスはあるのかもしれない。
わずかな希望を取り戻したけれど、相変わらず意識はしてし
忘れられない初恋〜修学旅行〜
クラス替えもなく、5年生の幸せな気持ちとともに6年生になった。
6年の時は、ともみちゃんとは隣の席にも近くの席になることもなくて同じ班にはなれなかった。
それでも毎日が楽しかった。
6年生になっても昼休み一緒に遊んでたし、掃除の時間で、体育館のトイレ掃除をする僕に、体育館の外の掃き掃除担当のともみちゃんが、窓の外からトイレに顔のぞかせてきたり、休日は少年野球チームに入ってた僕がトイレを使うため