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忘れられない初恋〜中学校〜

中学生になり、僕は1組になった。
なんと、ともみちゃんも1組だった。

僕の中学校は、僕が通った小学校と隣の小学校が通うことになる。
隣の小学校分生徒が増え、中学校は5クラスもあった。

そんな中、ともみちゃんと同じクラスになれてなんて運がいい。

お似合いだった直哉は5組で、付き合った情報はなかったから、まだチャンスはあるのかもしれない。

わずかな希望を取り戻したけれど、相変わらず意識はしてしまっていて、話しかけることはできなかった。
気づけば、ともともみとあだ名で呼ぶこともできなくなってしまった。

それでも、ともみちゃんと同じクラスになれたことは嬉しく安心できたこともある。

隣の小学校の生徒たちは、僕の小学校よりも、だいぶませていて、すでに付き合ったりしている人たちもいた。

それでも安心できたのは、ともみちゃんの入ったバスケ部は恋愛禁止から。

ともみちゃんは、隣の小学校の生徒ともすぐに仲良くなり、やっぱり人気者だったけど、恋愛禁止と知りホッとした。ともみちゃんは真面目だからルールも破るわけないし。

僕自身も、他の女子から話しかけられることも増えたけど、ともみちゃん以上に話していて楽しいと思える女子はいなかった。

でも、ともみちゃんはそんなことなかったらしい。
6月頃、クラスでともみちゃんが付き合っているという噂が流れた。
それも相手は、直哉でもなく、同じ1組で、小学校5、6年も同じ1組のけーすけだった。

正直、ともみちゃんがけーすけを好きだという感じも、けーすけがともみちゃんを好きだという感じも全く気づかず、信じられなかった。

けーすけの方から告白して付き合うことになったらしい。
恋愛禁止なのに告白されて付き合ったともみちゃんのショックと、けーすけよりは仲良い自信はあったから、僕が先に告白していれば、という後悔で心がぐちゃぐちゃになった。
なにより、恋愛禁止で安心したのは、ともみちゃんが他の誰かにとられないというより、自分が告白しなくていい理由によるものだと気づき、ちっぽけな自分にガッカリもした。

実際のところ、ともみちゃんとけーすけはお互い部活もあったりで、特にデートとかもなくすぐに自然消滅したらしい。
中学生の恋愛なんてそんなものだろう。

この後の、ともみちゃんは誰かと付き合ったかどうかはわからない。
知りたくなかった。
仲の良い男子は、たくさんいて、バレンタインにチョコをこっそり渡しているのを、偶然見てしまったこともある。

せっかく、中学校でも同じクラスになれたのに、ともみちゃんとの距離は縮まらないままだった。

#忘れられない恋物語

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