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忘れられない初恋〜修学旅行〜

クラス替えもなく、5年生の幸せな気持ちとともに6年生になった。

6年の時は、ともみちゃんとは隣の席にも近くの席になることもなくて同じ班にはなれなかった。

それでも毎日が楽しかった。
6年生になっても昼休み一緒に遊んでたし、掃除の時間で、体育館のトイレ掃除をする僕に、体育館の外の掃き掃除担当のともみちゃんが、窓の外からトイレに顔のぞかせてきたり、休日は少年野球チームに入ってた僕がトイレを使うために体育館に入ると、ミニバスやってたともみちゃんがわざわざ声かけてくれたり、こんなささいな出来事を今でも覚えてるくらいに好きでたまらなかった。

パワプロのマイライフで結婚した時、ともみちゃんとの結婚生活を妄想しちゃったりしてた。
これはマイライフの正しい楽しみ方なのか?
それでマイライフで子どもができたら女の子でともみって名づけちゃってた。聞かれてもないのに、2個下の弟にランダムで決めたらこうなったとか説明してた。
気持ち悪いよねー。

そんな恋する僕はもちろん、学生にとってのいちばんのイベントと言えば修学旅行!

林間学校では班は先生の独断と偏見で決められてたけど、修学旅行は自由に決めていいということになった。これはアツい!

班決めの日。たしか6時間目に行われた気がする。
班は自由に決めていいとは言われたけど、ルールがあって、男女比もあり、男子が3,4人で女子3人の男女の班を作らなければいけなかった。僕からすればこの方がありがたい!
まずは、男女分かれて各々仲の良いグループで固まっていく。
僕も親友のたかちゃんと、当時いちばん面白かった秋葉と、残念なことにこんなに日に休んでみんなから忘れかけられていたバイソンとグループを作った。バイソンがどこの班にも入れてないことに気づける優しい一面も僕にはありました。
ここまではみんなスムーズに決まっていった。
でも、男子グループと女子グループが班になるまでは中々決まらなかった。
話し合いがまとまらないとかではなく、みんながみんな動き出せていなかった。
まあ、そういうお年頃ですよね。

ともみちゃんが作ったグループなんて昼休みみんなで遊んでるグループだったから、ここで班になれば楽しいに決まってるのは、わかってたし、何よりともみちゃんと一緒の班になりたいに決まってた。

昼休み一緒に遊んでるくらいだから、男子の中ではともみちゃんとは仲の良い方だと自覚あったけど、ともみちゃんはクラスの中心人物だから、早くしないと他の誰かと一緒になってしまうかもしれない。
そんなことわかっていたけど、それでも動きだけなかった。

あまりにうだうだしている生徒たちに
「この時間で決まらないなら勝手に決めるぞ」
と先生が絶望的な言葉が飛んでくる。

6時間目の終わりの時間が近づき、
ぼちぼちと班が決まりだす。
ともみちゃんのことしか見ていなかったから、誰からどういう理由で動き出していたのか覚えていない。

結局、僕は勇気を出すことはできなかった。
情けない。

それでも
「一緒でもいい?」
ともみちゃんの方から声をかけてくれた。

ほんとに僕は幸せ者だった。
いつもともみちゃんの方から声をかけてくれる。申し訳なさすぎる。

こうして、ともみちゃんのおかげで一緒の班で修学旅行に行けることになった。

嬉しくて楽しみで仕方なかったけど、修学旅行はあまり楽しむことはできなかった。

ともみちゃんってもしかしたら僕のこと好きなんじゃないかって気持ちが、修学旅行の班を声かけてくれたことにより、より気持ちが大きくなってしまって、とんでもなく意識してしまったんだ。

1泊2日、ほとんどの時間をともみちゃんと一緒に行動したのに、終始ぎこちなく、いつもより笑わせることはできなかった。

6年生になり、好きな人がいることの楽しさだけでなく、難しさも知った。




#忘れられない恋物語

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