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石けん作り。 メールや講座内外で石けん作りに関する質問をたくさんいただきます。おもしろ…

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石けん作り。 メールや講座内外で石けん作りに関する質問をたくさんいただきます。おもしろい質問・ためになる質問が多いので、noteを使って公開返信することにしました。多数の方から寄せられた質問や個人から許可をいただいた質問を掲載していく予定です。

最近の記事

ぶどう樹液石けんでデザインするには?

お教室をしている方からの質問が届きました。 ぶどうの樹液を後入れしてゆっくり手混ぜをしても、トレースがあっという間に出てしまい、受講者の方のデザインがボテボテになってしまう、どうしたらぶどう樹液の石けんでスムーズにデザインができるか、というご相談です。 ぶどう樹液は私もよく使う素材ですが、トレースが早まることは一度もないんです。トレースが出やすい素材というわけではないので、トレースが早まるということは、おそらく苛性ソーダ水の水分が少ないので、反応が早まり、生地の熱が上がった

    • トレースが出やすいのは精製?未精製?

      やっこさんからもうひとつ質問です。 未精製のオイルと精製されたオイルどちらが、トレースが出やすいのか?もう一度教えてください これは油脂によって違います。 未精製だとトレースが遅くなるのはオリーブオイルです。ココナツオイル もそんな気がします。 未精製だとトレースが早くなるのはマカダミアナッツオイルです。アボカドオイル もそんな気がします。メーカーによって差があるかもしれません。

      • きれいな酒粕石けんを作りたい

        受講者の唐澤さんから酒粕石けんについて問い合わせをいただきました。 酒粕パウダーを使って酒粕石けんを作ったのですが、翌日、写真のように茶色のダマが出てしまいました。 (中略)綺麗なクリーム色の酒粕石けんを作るのにどうやったらいいか教えていただきたく、よろしくお願いいたします。 800gバッチで作り、低脂肪乳が水分の18%入っていて、発砲スチロールで保温したとのことです。200gバッチのときはきれいにできたそうです。いただいた画像を見ると全体的に飴色で濃いオレンジ色がポツポ

        • 攪拌不足の生地は石けんになる?

          hyacca savonさんからまた興味深いご質問をいただきましたので回答をつけてみたいと思います。 明らかに攪拌不足の状態で型入れした場合、その生地は石けんになるのでしょうか? そして、石けんにならなかった場合の救済方法はあるのでしょうか? 石けんになるか・ならないかはさまざまな条件をまとめて決まります。 攪拌は大きな位置を占めていますが、攪拌だけというわけでもないんです。 攪拌不足でも意外に普通に石けんができる場合は以下のケースです。 1 ひまし油など反応しやすい油

        ぶどう樹液石けんでデザインするには?

          冷蔵庫に入れて保冷しても石けんができるのはなぜ?

          受講者のhyacca savonさんから以下のご質問をいただきました。 冷蔵庫の中のように低温でも鹸化するのはなぜなのでしょうか。心なし、むしろ保温するより綺麗な仕上がりな気がします。固まってるけど実は質が悪い、とかそういうことがあるのでしょうか。使い心地は保温したのと変わらない気がしています。 まず冷蔵庫に入れて生地がどうなるかと言うと早く固まります。 固形石けんを作っているのですから、どんどん固めたいですよね。 普通は固まってくる=鹸化が進むと考えますが、それ以外の

          冷蔵庫に入れて保冷しても石けんができるのはなぜ?

          ステアリン酸を石けんに加えるには?

          やっこさんより脂肪酸の使い方について質問が届きました。 > ① 融点が高いステアリン酸の場合、ソフトオイルのみで入れたい場合、ソーダ水に直接入れるのか?ステアリン酸の粒にソーダ水を入れて溶かした方がいいのか? ステアリン酸はパームオイルやシアバターなどに含まれる脂肪酸です。油脂の成分なので、油と一緒にして使います。例えば250gバッチで、オリーブオイル240とステアリン酸10gを使うとします。ふたつをボウルに入れ、ステアリン酸が温まるまで加熱するとオリーブオイルは70−8

          ステアリン酸を石けんに加えるには?

          パームフリーの石けんとは?

          石けん教室のための教室を受講しているやっこさんより質問が来ました。 パームフリーの石鹸って何ですか? 動物油脂フリーとかみかけるんですが、代わりのオイルを使ってる意味でしょうか?パーム油の代わりになるオイルはありますか? パームフリーは環境への配慮などからパームオイルを使わない石けん、またはレシピのことです。 パームオイルは硬さを出す役割があるので、パームオイルが入らないと溶けやすかったり柔らかかったりします。パームフリーのレシピでは、他の材料を使って硬さを出しているもの

          パームフリーの石けんとは?

          苛性ソーダを使わずに石けんは作れますか?

          苛性ソーダは劇物(注)だから扱いたくない。苛性ソーダを使わずに石けんを作ることができますか?という質問をたまにいただきます。いくつか選択肢がありますので、自分のイメージに近いものを選んでみてください。 手軽に石けん作りを楽しみたい方向け (1)クラフト用の石けん素地を使う 細かいフレーク状になっているクラフト用の石けん素地が売られています。 自然な石けんらしさはそのままに、ハーブや精油など好きな材料を混ぜ込んで簡単にオリジナルの石けんができあがります。好きな型に入れて、ま

          苛性ソーダを使わずに石けんは作れますか?

          石けん教室の先生として自分らしさや個性を見つける方法は?

          私の開催している3回コースの作り方講座の受講者からいただいた質問です。10人に尋ねたら10通りの答え方がある質問ですね。私の回答は華やかなものではありませんので、ひとつのアイディアとして読んでいただけたらと思います。 自分らしさや個性は自分の中にあるので、「見つける」という場合は、それを意識できるかできないかということだと思います。普段何気なくしている行動の中にも自分らしさは出ているのではないでしょうか。 例えば、本屋さんで雑誌を手に取るとき、興味を持って手に取るものと、目

          石けん教室の先生として自分らしさや個性を見つける方法は?

          バターの種類によって違いはある?

          石けん作りに使うバターについての質問が届きました。 (Q) シアバター、ココアバター、アロエバターなど色々と種類がありますが、バターの種類によって大きな違いはありますか? (A) バターと呼ばれるものはいろいろあってややこしいので、3つのグループに分けて説明します。 1つは本物の固形油脂のバターです。シアバター、マンゴバター、ココアバター、サルバター、コカムバター、イリッペバター、ムルムルバターがここに含まれます。熱帯地方の果実から取れる本物の油脂で、それぞれ鹸化価があ

          バターの種類によって違いはある?

          石けん作りの情報収集のために見ると楽しいサイト

          ボタニカルパレード主催のオンライン講座 From Food To Soap はたくさんの方々にご参加いただきました。どうもありがとうございました。最後に話をした石けん作りの情報収集のために見ると楽しいサイトをいくつか追加して紹介します。 出版社のホームページ 出版社ごとにカラーがあり、好きな出版社のホームページはすみからすみまで読んでしまいます。出版されている本のタイトルや内容を読んで、その本を読んだつもりになることも。タイトルからアイディアを膨らませていってレッスンテーマ

          石けん作りの情報収集のために見ると楽しいサイト

          石けんがピンク色になったのはなぜ?

          キッチンソープの色について質問をいただきました。画像の下半分の石けんです。 (Q)キッチンソープを作ったら石けんが薄いピンク色になりました。レシピはココナツオイル がメインです。ピンクになった理由は何でしょうか?また使用に問題はありますか? (A)もしかして精油にレモングラスやメイチャンを使いましたか? (Q) 精油はレモングラスを使いました。 (A)薄いピンクは精油の色です。生地に入れているときは色がわからないのですが型出しするとピンクっぽくなります。問題なく使えま

          石けんがピンク色になったのはなぜ?

          石けんが硬くてカットできない。

          できあがった石けんがとても硬くカットできない。どうしたらいい?というご相談をいただきました。今回は実際のやりとりを要約したものです。 レシピの掲載は許可をいただいています。(Q)質問者、(A)私です。 ーーー (Q) 600バッチで作った石けんが硬く切れませんでした。 レシピはひまわり270g、パーム核180g、パーム120g、ひまし30gです。オイルを半分(300g)に分け、それぞれに水分オプション100gと苛性ソーダ40gを合わせたものを加えました。それぞれ乳酸ナトリウ

          石けんが硬くてカットできない。

          石けん作りにおすすめの本は?(3)

          石けん作りの本やアロマやハーブの本などは一通り持っている、さらに深い知識をつけたいという方におすすめなのは、ソーパーさんが個人で出している本です。 こんな本があったらいいなと思うものは、石けんを作っている人がいちばん知っています。初心者向けのとてもわかりやすい冊子もあれば、デザインや化学など専門性の高い本もあります。どれもワンテーマでわかりやすくまとめられた本が多いです。本を出す方は教室をしている場合が多いので、講座受講とセットにすると本の内容をより深く知ることができたり、わ

          石けん作りにおすすめの本は?(3)

          石けん作りにおすすめの本は?(2)

          ここでは私が石けん作りに役立ったと感じた本をいくつか紹介します。古い本が多いです。 新版 お菓子「こつ」の科学: お菓子作りの「なぜ?」に答える 河田昌子・著(柴田書店) 石けん作りで乳製品や卵を使うにあたり感じていた疑問が解決されたり、砂糖や塩の役割がわかったり、というメリットがありました。この本に限らず、お菓子作りや料理の科学の本はどれも参考になることが書かれていると思います。出版年数が新しい本を選んで買ってもいいかもしれません。 アロマセラピーとマッサージのための

          石けん作りにおすすめの本は?(2)

          石けん作りにおすすめの本は?(1)

          石けん作りの知識をつけるのにおすすめの本はありますか?という質問をたくさんの方からいただきます。答えがいくつかあるので3回に分けて書きます。 おすすめの本はたくさんあります。油脂の本、化学の本、アロマの本、ハーブの本などなど・・・でも石けん作りと関連させて書いてある本はほとんどありません。これらの本の情報と実際の石けん作りには隔たりがあるのです。例えば油脂の本。オイル辞典のような本があります。食用のオイル辞典にはオリーブはエキストラバージンがよいと書かれているはずです(石け

          石けん作りにおすすめの本は?(1)