攪拌不足の生地は石けんになる?

hyacca savonさんからまた興味深いご質問をいただきましたので回答をつけてみたいと思います。


明らかに攪拌不足の状態で型入れした場合、その生地は石けんになるのでしょうか?
そして、石けんにならなかった場合の救済方法はあるのでしょうか?


石けんになるか・ならないかはさまざまな条件をまとめて決まります。
攪拌は大きな位置を占めていますが、攪拌だけというわけでもないんです。
攪拌不足でも意外に普通に石けんができる場合は以下のケースです。

1 ひまし油など反応しやすい油脂が入っている。
2 乳製品など反応しやすいオプションが入っている。
3 シアバターなど高融点のものが20%くらい入っている。

1と2の場合は、反応するちからが強いので、攪拌が少なくても反応が進みます。
1はちゃんと石鹸ができますが、2はオプションがアルカリと反応するため、結果として予定外の過剰油脂が残ります。
3は室温や低温だと固まりやすいので、固まる→分離しない→時間をかけて中で反応が進む、という仕組みです。

逆に攪拌不足だと分離する場合は以下のケースです。
石けん作りでは、ふたつの混ざり合わない液体(油と水)を使ってひとつの塊(石けん)を作りますが、攪拌が不足すると部分的に分離した状態になります。

1 ソフトオイルが多い、またはディスカウントや水分が多い(反応が遅い)
2 はちみつなど生地がゆるむ素材が入っている(かたまりにくい)

この場合は攪拌不足だと時間と共に上に油が浮いてきます。
(ボウルの中で攪拌をやめておいておくと油が浮いてきますよね。それと同じです。)
それでも下の方はそれなりに石けんになっています。
極端なケースだと、アルカリの多い層が下に、油だらけの柔らかい層が上になり、分離が地層のように見えることがあります。

分離はリバッチをすると直すことができます。加熱をして生地をまとめ直す方法です。リバッチの仕方はこちらをどうぞ:

https://www.instagram.com/p/CcWxuuuPFUV/?hl=ja

Special thanks to:
(株)つくば林業石けん部
https://www.instagram.com/hyacca_savon/
ご質問ありがとうございました!

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