バターの種類によって違いはある?

石けん作りに使うバターについての質問が届きました。

(Q) シアバター、ココアバター、アロエバターなど色々と種類がありますが、バターの種類によって大きな違いはありますか?

(A) バターと呼ばれるものはいろいろあってややこしいので、3つのグループに分けて説明します。

1つは本物の固形油脂のバターです。シアバター、マンゴバター、ココアバター、サルバター、コカムバター、イリッペバター、ムルムルバターがここに含まれます。熱帯地方の果実から取れる本物の油脂で、それぞれ鹸化価があります。種類はそれほど多くありません。すべてが熱帯地方で育つ植物です。
シアバター、マンゴバターのふたつは石けん作りの上ではほぼ同じと考えて大丈夫です。イリッペバターも似ています。ココアバターも差し替え可能ですが、シアやマンゴよりも硬さが出ます。ムルムルバターはココナツオイルに似ています。

2つめはソフトオイルを固形油脂に加工したものです。加工方法は水素添加(飽和脂肪酸に加工)、またはワックスや固形油脂を添加したものです(つまり軟膏のようなもの)。昔ながらのショートニング(大豆や綿実油)は前者、最近売られているアボカドバターやホホババターは後者になります(アボカドバター は前者もあるようです)。主にクリームなどのコスメに使います。一般的にソフトオイルとして流通しているものがバターとして売られているときはこのようなタイプです。ついでに、ややこしい余談ですが、1つめのバターで脂肪酸(ステアリン酸やパルミチン酸)を取り除いてソフトオイルにしている場合もあります。シアオイルがその例です。

3つめは固形油脂に植物エキスを添加したものです。アロエバターはアロエのエキスを固形油脂に混ぜ込んだものです。添加の方法はいろいろありますが、エキスが入っている点では共通しています。固形油脂はココナツオイルのときもあれば、シアバターのときもあれば、混合油のときもあれば、いろいろです。これもコスメ用ですが、もし石けんに使うなら鹸化価は使用されている油脂の数値を使います。購入の際は原材料を確認してください。植物名(葉や花)+バターのときはこのタイプだと思います。

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