きれいな酒粕石けんを作りたい


photo credit: 唐澤さん

受講者の唐澤さんから酒粕石けんについて問い合わせをいただきました。

酒粕パウダーを使って酒粕石けんを作ったのですが、翌日、写真のように茶色のダマが出てしまいました。
(中略)綺麗なクリーム色の酒粕石けんを作るのにどうやったらいいか教えていただきたく、よろしくお願いいたします。


800gバッチで作り、低脂肪乳が水分の18%入っていて、発砲スチロールで保温したとのことです。200gバッチのときはきれいにできたそうです。いただいた画像を見ると全体的に飴色で濃いオレンジ色がポツポツと見られます。
以下のようにお返事をしました。

酒粕パウダーがダマにならないように入れること、反応熱により茶色くならないようにすること、このふたつをしたいのですよね。以下のようにしてみてください。

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1 苛性ソーダ水を作り冷まします。
2 オイルをすべて合わせたら、酒粕パウダーをそのままオイルに入れます。
3 ブレンダーをかけてパウダーをきれいに混ぜ込んでください。
4 苛性ソーダ水とオイルが完全に室温になったら、ふたつを合わせます。
  苛性ソーダ水は一度に入れず、4回くらいに分けて入れます。
  4分の一入れたらゴムベラ で1分混ぜる。これを繰り返します。
5 苛性ソーダ水がすべて入ったら、いつものように混ぜてください。
  ぽってりしてつやつやの生地になるまでブレンダーをかけます。
6 800gバッチで作るなら、型は250gバッチサイズ3つに分けていれてください。保温はせず、室温でかためます。ただし、暖かい場所がおすすめです。
7 3、4日して、しっかり固まってから型出ししてください。
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*酒粕パウダーは水に溶かずにオイルに直接入れることで、少し茶色になりにくくなると思います。水があると反応しやすいので。
*大きなバッチほど熱が上がりやすいので、型に入れるときは3等分に分けてください。

(注)この質問をいただいたのは3月上旬でまだ気温が低い時期だったので、温かい場所で室温で固めると書きましたが、夏なら涼しい場所で室温か数時間冷蔵庫に入れるなどして、生地の温度が上がらないように調整が必要です。また真冬だと室温で置くだけだとソーダ灰が出やすいので、型の上が冷えないようにするためにタオルで包んで一定時間、保温箱に入れて室温管理するなど、工夫が必要です。
「保温しない」「室温で置いておく」という作り方はあるのですが、ひとつのやり方で一年を通して同じように作るのは無理があります。季節や室温に合わせて、生地の状態をときどき確認しながら、その都度調整する方が目的にあった石けんが作りやすいです。

special thanks:  唐澤さん
質問と写真の提供をしていただきました。
どうもありがとうございます!

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