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「日々、」#12 揚げ茄子と光の箱
この前、バイト先で揚げ茄子を丼の上に並べるときに「三角に並べて!」と急ぎ気味で言われたことがあった。
私の脳内では突如として月刊ムーも万歳な脳内会議が行われてしまい、ピラミッドな三角なのか、バミューダトライアングルな三角なのか。私はそんな迷いを抱えてしまい、揚げ茄子を三角に並べることはできなかった。
そんな頭であるから、「エモい」という言葉も正直よくわからない。
二十代とは言えど25歳。ナイス
「日々、」#11 空と僕らの間には
なんだかやけに暑い北海道に、東京の専門時代の友人が北海道に旅行に来てくれた。
昔話やら近況やら、久々に長距離の運転の中で。そんなことをしていたら、秋が北海道にも遅れてやってきた。
聞いたところによるとみんなどこかで、見えるところや見えないところで頑張っているようで。
僕も少しは頑張れているだろうか。と少し考えたが、12月の個展の頃よりもこの先のやりたいことを具体的に人に話せる自分に気がついて。
「日々、」#10 鉛筆を削るように
6月、北海道は初夏とも春とも感じられる季節だった。
僕の学んでいる大学の科目でデッサンがあり、通信ゆえ本来は一人で動画を見て取り組むものなのであるが、せっかくなので画家として活動しているパートナーを呼んで鉛筆の削り方から何から、マンツーマンで教えてもらうことにした。
デッサンを体験したのはおそらく高校とか中学とかの美術の授業で、本格的なデッサンはおそらく初めてだった。
今回のデッサンは納得
「日々、」#8 ひこうき雲、白い蝶、
あの頃の誰かに会おうと思って日々生活しているけど。
それでも後ろを振り返ればドアは閉まっていたりする。
身近な人に会えなくなるとそれはもちろん寂しくはあるのだけど、どうやらその人はその人らしく汽車に乗ったらしく少し安心した。
白いひこうき雲を見ると昔飼ってたハムスターだと思ったり。春のモンシロチョウを見ると祖母が来たと真面目に思っている。
それは何度も離れてしまった人にばったり町で会う感覚で
「日々、」#7 どうやら、春らしい
春らしい。
快晴の日、一つの打ち合わせと母の車のタイヤ交換を済ませ。ちゃんとタイヤ交換ができているかの確認も兼ねて農業用の溜池まで車を10分ほど走らせる。
町の中では桜が満開で。子連れが公園で遊んでたりしているのを横目で見ながら信号を待つ。カーステレオでは矢野顕子が「ひとりぼっちはやめた」を歌っている。
チンタラと走っていたらスポーツカーが追い越していく。丁寧に磨き上げられえた黒いボディには
「日々、」 #6 頬の風と、春の光
もう5年以上前の、あれは確かな春だった。
その春に似た風の温かみが、今の僕の頬を撫でていた。
天気予報士がテレビの向こうで桜前線を追いかける日に、遅くなったけど僕は重い腰を上げてみて、若干の病み上がりの首をさすりつつ、数年ぶりに読めるようになった本の山を押し出した。
書類に必要事項を書き込んで明らかに出遅れていて締め切りギリギリの簡易書留を速達で送った。
つい3日ほど前、僕はとある通信制芸術大
とある写真家の視覚の話
いささか長い文章になるとは思うが、この際お付き合いいただければ幸いである。
三月から四月、というのは本当に僕にとっては過酷な季節であった。
割と高校前半ぐらいまでは平気だったものの高校後半ごろか。僕は春が近づくと首とか腰とか。あるいは自律神経がやられて寝たきりの状態になっていた。ひどい時には食事も取れなかった。はじまったのは高校三年生の頃からで当時は抑うつ状態と診断され、学校には春ごろには行けな
「日々、」 #5 写真の人
僕はテクテク、神出鬼没で年齢不詳なのである。
なかなか皆さんの周りには「今どこに住んでいるかわからない。」という人はいないと思うが、僕はよくそう思われてしまうようで、東川町に住んでいながら札幌とかから仕事をもらうこともあるし、バイトしてるのは旭川だったり、はたまたおそらく来月から二ヶ月くらいは西日本へとなんとなく出稼ぎに行く予定だ。
この前、近所の人に「今は東川に住んでますか?」と聞かれた。い
「日々、」#4 深川というところ
展示の搬出のため深川に向かった。
深川は僕の住む町の二つ隣の町で、車で一時間ほどのところにある。
実はこの数日後また首を痛めて寝込んでいたので4日ほど前のこととなる。
僕は実はこの深川の街並みが結構好きで時間とってうろうろしたいなと思っていた。
麻婆豆腐がうみゃーな中華料理屋さんに入り「お時間いただきますよ」と一時間ほどして出たのはうみゃーな麻婆豆腐だったな。
人口2万人ほどの町だが道路を
気まぐれエッセイ 「日々、」#3
冬だなと思う。春は消えてしまったのかなと思う。
そういえば、午前中のうちにやること片付けたくて犬の散歩が遅くなってしまった。
なぜ遅れたのかというと僕はノーコーディングながらも仕事とかでWebサイトを作るのだがそれについての手順とか、全部感覚だけでやってきたのでちゃんとWordかなんかに書き出そうと思ってマニュアル化したのである。
これで作業の中で何か抜けたりはないだろうし、完成してみたら逆
気まぐれエッセイ 「日々、」 #2
僕のこれからの写真について書いてみよう。
今日、川の方が白かった。川霧というやつだ。
冬のこの時期、河川敷に行くと樹氷なんかが出て「キレイダナー」という風景が広がる。
朝早く出かけた時なんか橋の上なんかにでっけえカメラとレンズを引っ提げた人たちをずらっとみることができる。
僕はというといささか肉眼に焼き付ける興味はあるものの写真に焼き付ける興味はなく。その辺が人とズレてるなと。よく思う。
気まぐれエッセイ 「日々、」 #1
北の朝はとにかく寒く、体調を崩しやすい。
特に僕なんかは体は細長くて腰を痛めやすく、首も長めなので痛めやすい。
そんなだと僕は今までフルタイムで働けたことなどないし、なんだか、社会で生きるのに不利な体で生まれてきてしまったなとつくづく思う。(アルバイトの求人とかに応募すると健康上の理由で大体断られるのは悲しい。)
フルタイムで働けないからといって、本当に何も得意なことがないというわけではない。
僕と首との最小公倍数
ここ数日、首が痛い。
つい一昨日まではほんとに吐き気がするぐらいに首を痛めていて、ようやく今日になって座れるように。
整体に2度にわたって通い詰め、やっとそれなりに動けるようになった。
おそらく原因といえば、むかしむかし顎の骨を骨折した時のむち打ちのようなものが冬になって出てきたのだと思う。
考えてみると三月で25歳。本厄を乗り越えて後厄であるが、古傷が痛むというのはこれは一種の「老い」かも
卒業、そして僕らが旅に出る理由。
6回親指でライターの火花を散らしたが、火がつく気配はなかった。
僕はタバコを吸うのを諦めて、ベランダの机に置いてあるロックの麦焼酎に手を伸ばしてそれを少し口に含み、喉にお迎えして月を眺めた。
終わったよ、と一言だけ月に告げて。
つづかない。たぶん。