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「日々、」 #5 写真の人

僕はテクテク、神出鬼没で年齢不詳なのである。

なかなか皆さんの周りには「今どこに住んでいるかわからない。」という人はいないと思うが、僕はよくそう思われてしまうようで、東川町に住んでいながら札幌とかから仕事をもらうこともあるし、バイトしてるのは旭川だったり、はたまたおそらく来月から二ヶ月くらいは西日本へとなんとなく出稼ぎに行く予定だ。

この前、近所の人に「今は東川に住んでますか?」と聞かれた。いや、住んでるって。散歩もしてる。

んまーしゃーないなー、と思う。地元で仕事があるわけじゃないしなあ…と。

札幌ではよくフォトフェスタとか展示のサポートしている。

周りの作家さんは物凄くいいペースで作品を発表されていたりしていて、僕もそのサポートを仕事ですると「いいなー」なんて見てるのだが。

ものすごく僕は制作ペースが遅く、とにかくずーっと考えてる人間なのでなかなかコンペとかには出せずにいる。

僕みたいなタイプの人間はいるのか知らんが期日とか締め切りを作って制作するのが苦手なので、いくつか区切りを決めて製作した作品はあれど、何かを目指して製作したものはほとんどない。

たまに副賞のあるポートフォリオレビューとか助成金の出るコンペとか。出しなよと言われることもあるのだが。どうにもそこで評価されるのは心から望んでいない気がしてできないでいる。

何か作家として評価されるのはありがたいし、それを目的として活動するのは全然いいと思うのだが。でもそこで表彰なんかされて写真なんかに残ってSNSなんかに載せられたりして。そこに友人知人が写ってるのはものすごく嬉しいのだけどそこに僕がいたらと思うとすごく嫌だな…と思うのである。

多分僕が何か偶然に賞なんか引っかかったりしてしまったとしたら多分表彰式にはあまり行きたくはない。不特定多数の目に作品ではなく僕個人が目を晒されるのは嫌なのだ。作品の存在は誰かのためになれと思うけど、僕自身はそんなにありがたいもんじゃないぞ。

僕は綺麗なパーティー会場より汚い中華料理屋さんが好きだし、表彰台より展望台が好きだ。

僕は死んだ時、自分の写真集がこの世界に残ってて、誰かしらに「あいつは変わり者だったけど、いいやつだった」と言われる。そんな人生を送れればいいと思っている。

今回の写真は札幌。書いてるのも札幌…。
オラの地元には汚い中華料理屋がない…。

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