「日々、」#7 どうやら、春らしい
春らしい。
快晴の日、一つの打ち合わせと母の車のタイヤ交換を済ませ。ちゃんとタイヤ交換ができているかの確認も兼ねて農業用の溜池まで車を10分ほど走らせる。
町の中では桜が満開で。子連れが公園で遊んでたりしているのを横目で見ながら信号を待つ。カーステレオでは矢野顕子が「ひとりぼっちはやめた」を歌っている。
チンタラと走っていたらスポーツカーが追い越していく。丁寧に磨き上げられえた黒いボディには街路樹の桜が写し出された。まあ、こんな気分も悪くないと思いながらマイペースで進んでいく。
溜池の周りは標高が少し高いからか桜は7分咲きくらいで2、3日早かったかなと思いながらしゃがみ込んで何も考えずにいた。
満開がよかったか、と少し思ったが。確かに満開の桜を美しいと思うのは日本人の心であろうが、自分はどうにも十分に7分咲きの桜を楽しんでいるようで。それどころか周りの杉も、そして白樺も。等しく冬を乗り越え葉をつけ始めていたので、その喜ばしい姿を見せられるとそれでよいかと思ってしまった。
日本人の心も大切にしつつ。いい塩梅で自分の心も大切にしてやろうと。
風と水面はそれに賛成してくれているようだ。と、とても都合よく解釈した。
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