タンジタクミ

読書/哲学/俳句/音楽/会社員/道産子 ※発言はすべて個人的なものです。

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最近の記事

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シャアと大きな物語(ガンダムを見て考えたこと2018)

ガンダムがこんなに面白いとは知らなかった。無知であった。 どんな風に面白いと感じたのか、何を考えたのかを記録に残しておきたくて、これを書いている。 ここで言うガンダムは、1stガンダム、Zガンダム、(ZZガンダムは見ていない)、逆襲のシャア と連なる宇宙世紀(UC79-93頃?)のアムロ・レイとシャアの物語について話だ。 恥ずかしながら、僕がこれらをちゃんと見たのは齢30も過ぎたついこの間のこと。ガンダム放送開始から来年は40年という今年2018年だった。きっと来年アニバー

    • 2019年1月に本を読んで考えたこと

      2019年という数字を見て、オリンピックまであと一年と考えると、ぼんやりとした憂鬱が訪れる。なんか、BBCとかEUの方では経済的な問題を考えても、オリンピックは開催されないのでは?とか言われてると聞いたのだけど。この漠然とした不安感はなんなんでしょう。 ■AIと憲法(山本 龍彦) AIについては、長らく何かが気になる感じがあった。ぼんやりとした期待と、それから不安感や不信感。 なんだろうと頭の片隅で考え続けていて、なんとなく言葉に出来そうな気配がしてきたところで、それにはっ

      • 2018年11-12月に本を読んで考えたことと年末にあらためて想ったこと

        自分に対して残念なのは、ここ2ヶ月あまり本を読みながらブログ用のメモをとっていないことだ。 どうしてこうなったんだろう。確か秋口くらいからメモをしなくなった。 理由はなんとなくイメージ出来ていて、1つは通勤の半分以上が車になったり、あまり体調が良くなくて電車通勤も寝てしまい、本自体それほど読めなかったこと。2つ目はここにあまり書きにくいことで悩んだりしてたこと。3つ目は仏教学とかが、ちゃんと勉強して入ってみて簡単には書き上げられないことになってきていること。まあ、3つ目はだい

        • 2018年9-10月に本を読んで考えたこと

          思い出そうとしている。しかし、この2ヶ月については、自分が何をやっていたのかを上手く思い出せない。断片的なメモはあるし、日記はつけていたから、日々を重ねていたことは確かなのだけど。そこには日々しかなかったのかもしれない。まとまった物語に還元が出来ないような時間の流れ方だった。 それにしても、この2ヶ月はこんなに仕事以外の本を読んでなかったんだろうか。記録が少なくてびっくりした。人事論とか仕事の本は結構読んだ記憶は確かにあるのだけれど。 ■思弁的実在論と現代について(千葉雅

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        シャアと大きな物語(ガンダムを見て考えたこと2018)

          2018年8月に本を読んで考えたこと

          これを書いているのは、もう9月も10日以上も過ぎた今だ。この今からすると、8月に考えていた事というのは、もうまるで3年も前のことのようになってしまった。このところ時間が長く感じる。若返ったかのような気分だが、これはたぶん家族に乳児がいるせい(おかげ)だ。乳児の急激な変化(成長)は日常の引き伸ばす、のかもしれない。 だいたいいつも、本を読みながらevernoteにメモをとっておき、それをまとめて整理する感じでnoteにアップしている。これは読んだときと書くときに思考が地続きであ

          2018年8月に本を読んで考えたこと

          2018年7月に本を読んで考えたこと

          なんか隙間時間の読書ばっかりだった気がする。通勤回数が少なかったからか。 ◾さよなら、インターネット(武邑光裕) GDPRはもちろんだが、それに限らない現在前線のインターネットの論点を整理するには最適な本だと思った。結論ではなく、問いを整理する本。識者たちの刺激的な引用にあふれていて、それだけでも読み応えがある。読み直そうと思って、しかも短期間にちゃんと読み直した。めずらしい。 「オープン・ネットワークとしてのインターネットは、1990年代後半からシリコンバレーに集中する

          2018年7月に本を読んで考えたこと

          2018年6月に本を読んで考えたこと

          現実世界では色々なことに右往左往しているのに、何か踊り場のような、でも気分は悪くない、楽観的で不安定な閉塞感のようなムードが心の中間層にあった。(心の底は何か感動のようなものがずっとある。)これは単に季節のせいかもしれないし、季節なんてそんな1年スパンじゃないもっと大きな流れのせいかもしれない。前者だとすると、梅雨という点でもそうだし、僕は10年以上日記をつけているのだけれど、その日記を後からぼんやり眺めると、たいてい5月には大なり小なりの挫折感があり、6月はそれにどう立ち向

          2018年6月に本を読んで考えたこと

          2018年3-5月に本を読んで考えたこと

          3月は仕事の本ばっか読んでた。いや、そもそも疲れてすり減っていたので、本を読む頻度自体少なくなっていたと思う。 4月後半から急に読書の波が戻ってきた。きっかけは忘れた。きっかけなんかは、ないのかもしれない。 あと、なんだか急に橋本治が読みたくなって、直近の本を5冊続けて読んだ。これもきっかけはわからない。昔に比べて切れ味が減ってる?と気になって、ついでに昔の本も読んだ。一貫して、勉強すると楽しい、(けれど)世界は頭の外にある、という話をしていた。 哲学については次のとっかかり

          2018年3-5月に本を読んで考えたこと

          2018年2月に本を読んで考えたこと

          1月に続き。ビジネス、仕事関係の本を除いて、読んで考えたことを書く。 ■ 世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」(木村泰司)ビジネス系といえばそうだから、ここに書かないでおくか迷ったけど、2つだけ書きたいことがあったので。 1つはあらゆることが、あまりにも最近に起きたということ。学生時代に学んだ歴史では全然ピンとこなかったのに、最近になって痛いほど、あまりに色々なことがここ数百年に起きたことに身震いする。30年生きてみて、その時間の短さと長さを感じたからだろう

          2018年2月に本を読んで考えたこと

          2018年1月に本読んで考えたこと

          何か読んで何考えたか、いつもすぐ忘れてしまうのは僕だけなんだろうか。何かにつけ、皆よく覚えているなと思わされる。 それで、今年は本を読んで気になったことを極力書いて置こうと思う。興味の軸で目に見えるストックを増やしたらどうなるのかに興味がある。 (※ビジネス系の本 (に類すると自分の判断する本。マーケティング関係とか含めて) の事は書きません。理想は、だんだんと混ざって行くことだとは思っている。) ■アジア主義 ―その先の近代へ(中島岳志)年末から年始にかけて読み終わった

          2018年1月に本読んで考えたこと

          良い読書2017(哲学、アジア主義、中空構造、小説)

          2017年読んで良かった本たちを俯瞰すると、1本の大きな流れが見えた気がした。良い風潮じゃないだろうか。これはこのタイミングで記録しないと風化してしまう感覚だと思うので、書き落としておきたい。 1) 哲学へ この流れのとっかかりは何だったのだろうか。 まずキーとなったのはやはり『いま世界の哲学者が考えていること』(岡本 裕一朗)だろう。大きな流れを作ってくれた本であり、今年もっとも頻繁にページ (Kindleだったけど)を開いた本だ。 簡単に言うと、「哲学というものは世の中

          良い読書2017(哲学、アジア主義、中空構造、小説)

          #読んどけ良本 『すぐに未来予測ができるようになる62の法則』

          奔放な知識の羅列だ。 おすすめされていたタイトルを見た時、「未来予測の法則がナンバリングされている」タイプの本だと思っていたからびっくりした。 日下公人「すぐに未来予測ができるようになる62の法則」という本の話だ。確か、何かのマーケティング本でサクッと軽くおすすめされているのを見て、軽い気持ちでKindleで購入した。 買ってからしばらくは、Kindle上でNCB(No Click Bookの略。「積んどく本」ならぬ、電子書籍における買って放置している本のこと)だった。

          #読んどけ良本 『すぐに未来予測ができるようになる62の法則』

          快の守備範囲理論

          快を受け取る守備範囲の狭距離化が社会全体に起きている。そう世の中を理解してみる。 どういうことか。 Post-Truthと2016年の諸ニュースたち まず、昨年のトランプ氏の当選やBrexit、キュレーションメディアの文脈の中で語られたPost-Truth(ポスト真実)という言葉。「客観的な事実や真実が重視されない状況」を指すこの端的な言葉は、仮に眼下の事象に対して「明白な事実関係」があったとしても「自分にとって都合と心地が良い」言説を信じるという態度が社会に広がってきてい

          快の守備範囲理論

          面白すぎて買うことにした高い本「料理と帝国」

          本はまずは図書館で探す。特に、高い本や、なんとなく気になっただけで、繰り返し読むことはなさそうな本はなおさらだ。 この本もまずは図書館で借りたが、面白すぎたのと、あまりに情報が多く、ゆっくり何度も咀嚼したいので買うことにした。 レイチェル・ローダン「料理と帝国――食文化の世界史 紀元前2万年から現代まで」 定価7,000円以上する本。画集、写真集などのジャンル以外で買うのは初めてじゃないだろうか。 簡単に言うと、あらゆる食文化が人間世界でどのように広がったのかを解説して

          面白すぎて買うことにした高い本「料理と帝国」

          続:書き先=時間の投資先をnoteにしたこと。

          まだ3つしか記事を書いていないのだけど、はじめてから1週間程度でnoteを触る機会が増えた。思ったこと。 ※一番最初に、noteをはじめるきっかけを書いたこの記事の追記です。 まず、集客や課金のあり方のイメージがついて、肌感化としてなるほどな、と思えた。よく出来ている。簡単だ。やはりユーザーたらんというか、自分で触ってみないとわからない。近々メルカリもやってみないと。 もう1つ、他の人のnoteを読む機会も増えて思ったのだが、なぜか他のブログサービスより(またはニュース記

          続:書き先=時間の投資先をnoteにしたこと。

          トマス・ピンチョンの難と快 #読書

          トマス・ピンチョンとは、ノーベル文学賞常連のアメリカの覆面作家である。 唐突ですが、まずはこちらを御覧ください。 この作品にはあらゆる領域の情報が利用されているが、中心となる概念としてサイバネティクスと(情報理論の)エントロピーが挙げられる。 正しいとも正しくないとも判定不能な物語群は、すなわち情報エントロピーの最大化の方向へと進行している。そしてそのような小説自体が一種の情報であると同時に「情報についての物語」をも構成し、読者を真偽に関するフィードバックのループへと巻き

          トマス・ピンチョンの難と快 #読書