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そこ は行ってはならぬところだった

 関西で育ったある一定の年齢以上の方は、そう言われて育ったのではないでしょうか?行ってはならぬはずの"そこ"の地名を久々に聞いたのは、沖縄在住時のことでした。


友人が関西旅行に行って、そこ に行くというのだ。
『え?危ないよ。大丈夫?』思わず返すと、
『今は観光地化されてるからー。』
そうなの?知らない間に、禁忌の場所が観光地になっていたのか・・・と。フランスで言うところのムーランルージュや、オランダの飾り窓のようなものかと(両方、行ったことがあります)。

正確には、近隣地区が危険?

 筆者は、新世界に詳しくないです。初めて行ったのも4年前。行ってはいけないと聞かされていたし、いけない物質を吸い込んだり、悪いことをしたりするかっこつけトラベラーではないからです。

大人になって分かってきたことは、3つの地区に分かれているということです。

あえての手書き

①あいりん地区

 地図上の赤い四角がいずれも少し歪んでますが(申し訳ありません。心の目で右に5°傾けてください)、南海線と大阪地下鉄に挟まれた地区のことです。他のサイトで歴史などたくさん紹介されているので省略させていただきます。靴が片方だけ売っているという泥棒市などかある地区です。
 
 ドヤ街の安宿に宿泊する配信者もいますが、そこに暮らしている方は冗談でそんな生活をしているわけではないので、筆者は失礼な気がしています。

 そして、一般の関西人は近寄らない地区だと認識をしていただくのが正解です。

 下記で道を尋ねた古本屋の男性も、「駅の南は行ったらあかんで。ややこしいから」。そういうことです。

②飛田新地

 料理組合を名乗っていますが、営業時間に写真を撮ると裏からヤバい人が消すように言いに出て来るという現存違法遊郭です。橋下徹が顧問弁護士を務めていました。この記事が面白いです。著作を購入されている方は、出自をご存知なのか疑問に思います。ここで、客として来ていた島田紳助と知り合ったと噂です。

今日は、筆者の真面目な面が出ちゃいました。おーい。誰か、ビールもう一杯持ってきて~(笑)

③新世界

 今回、訪問した地域。行き方が分からず、駅近くで半屋外の古本屋さんの男性に「スマートボールとかできる地域に行きたい」と伝えると、ジャンジャン横町やな?と言われました。通天閣やジャンジャン横町に行きたいと言えば、いわゆる新世界に行けます。

 この地域もインバウンドの影響で、コロナ前と変わっていました。Japanese Culture Tourという旗を持った怪しい白人男性が、アジア人の団体を率いるツアーなど、町の飲食店にいる殆どがインバウンドでした。特に思い入れのある地域ではありませんが、また一つ、日本の町が消えたという感じでした。

④今宮戎

 地図の中央上部に、恵美須町とあるのが見えると思いますが、この辺りに今宮戎神社があります。強烈なインパクトがあり、他の神社と違います。

十日戎の日には、境内に入る前から、大音量で「商売繁盛、笹持って来い♪」という謎のオリジナルソング(10秒あたりから)が流れています。意外に、大阪人の豪気さが発揮されていて、お賽銭はお札が多かったです。

 場所的に、御利益あるのか?と失礼なことを思っていた筆者ですが、友人4人とくじをひいて、まさかの4人とも「大凶」でビックリしました。ちなみに、筆者は辛うじて末吉。一番、失礼なことを思っていたのに。

このホウキ、買うと景気よいかけ声をくれます。

んで、実際、どうなのよ?

 変な見栄を張って、横道に逸れたりしない限り、大丈夫だと思います。ただ、一本路地に入ると、4年前と変わらない少しリアルな感じの世界が広がっていました。

完備されている和室の使用目的はなんでしょうか?

他の人は知らんが、筆者の目的はスマートボール

 スマートボール、大きく2つに分かれます。多いのがお金使い切りパターンで、球がガラス盤の向こう側という台が多い気がします。

20代の友人も、この前に座ると、背中に哀愁が漂う

もう1つが、筆者の好む景品交換方式でパチンコに近く、球を直接触ることができ、勝ちの実感を感じられるところが魅力です。こちらは、逆に言うと、止めどきが分からなくなりそうな怪しい香りを放っています。

この小皿が満杯になると、球が50個と分かりやすい

ルール、知っとお?

 ルールは単純。お金を入れると、
上の青い放出口から、ガラガラと勢いよく意外にきれいな澄んだブルーの、想像より大きい球が出て来る(100円で20球だったような)

それが、手元のグレーの通路を通って、1つずつ排出口に流れ込む。

右手のレバーを引いて、球を放つ。
たった、これだけ!この球が5とか15とかの入り口に見事入ると、上から青い球が出て来ます。

指輪しているからこそ、帰りたくない日もあるのか?

こちらは欲しい景品分の球が貯まったらそこで交換してもらえるというプレーヤーに止めどきの選択権があるのです。

球がなくなるまで遊ぶもよし、景品に交換するのもよしということです。

いざ、交換

 満足いくまで楽しんだら、手元のブザーを押します。それぞれの台が中央が空間になった長い円卓のようになっており、そこで待機している従業員の方がいらっしゃるので、どれが欲しいと告げると、景品と交換してくださいます。

明朗会計です。商品の下に、必要な球の数

リアルに大人だけの世界

そして、意外でしょ?パチンコと同様、18歳未満立ち入り禁止なのです。大人が小銭を握りしめ、景品のお菓子を狙う。走り回る子どももいない。こんなかわいい、罪のない場所が他にあるでしょうか(笑)そして、なぜか日本人率は高かったです。

他にも楽しめるよ

 射的が最も多く感じました。絶対落ちなさそうな大物から、絶対落ちるような小物まで、皆さんの勘と腕次第です!

やり方を知らなくても安心。教えてもらえます。
もちろん、実弾禁止。誤解のないように書いておきましょう。

ガチャガチャや自販機もあなどれない

 4年前からありました。昨今のブームに乗ってるわけではありません。

美味しい出汁がとれそうです。
カップル用など、あらゆる客層のニーズに応えます。

自販機の値段と、地区の治安は比例する説 というのを聞いたことがありますが、さすが関西という自販機を発見しました。

筆者の訪問は1/10でした。正直ものではあります。そして、サステイナブル(笑)賞味期限で消費期限じゃありませんものね!(フォローになってる?)

賞味期限は12月です

グルメもあるよ

 筆者はタイの屋台とかでお腹を壊したことはありますが、現地の一般の方が食べている食事は偏見を持たず食べる方です。

でも、逆に言うと、一般の方が食べていないものは食べられません、ごめんなさい。というわけで、食べたことはありませんが、新世界で食べられるよということで。最近は、難波でも、昆虫食の自販機とか見かけますね。

他には、串カツが有名です。

バカッターがいると、成立しなくなってしまう世界。

どのビリケンさんも偽・・・オマージュ

 飲食店の店頭に、それはそれはたくさんのビリケンさんがいます。アジア人を馬鹿にしたようなお顔をされていますが、産みの親はなんと、アメリカ人女性とのことです。

足の裏を触ると、願いを叶えてくれると言われていますが、本物は実は入場料を支払って入る通天閣の中にしかいません。ご利益の理由は、お腹が出てて、足に手が届かないからと聞いた覚えがあったのですが、公式サイトには書いてないので、デマでしょうか。

オマージュの一つ

思い出の1枚はどこで撮る?

 にぎわいをカメラに納めたい方は、断然、ジャンジャン横町側からがオススメです。

個人的お気に入りは、逆の素朴な通天閣本通り商店街側からの写真です。

アーケードの輪が、いい感じ。

自慢したい場所ではない

 独特な場所であるのは確かですが、関西人として、他の地方からいらした旅行者に積極的に見せたい所かと尋ねられれば答えはNOです。

行くも行かぬも、読んでくださる方に委ねます。
本日は、長めになってしまいましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。皆さまの、関西旅行が楽しいものとなりますように。

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