kitanotabibito

湘南生活の詩のようなもの

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最近の記事

雲のかたち

露天風呂の壺湯にはまり 手と足を投げ出して空を仰ぐ なんていい天気 青空に雲が浮かぶ その雲のかたちを 子供のように見ていた ふだんは空を仰ぎ見ることもなく まして雲なんか眺めることもないのに 何か忘れていた遠い昔の 童心を思い起こす 星座に動物を想像するように 雲に牛や猫を見る 腹が減っていたら大きなランチプレート ヒレ肉にステーキか ピザのような円形もあり 昼飯を抜いて温泉でくつろぐ ゆったりとした時間に 空想のひとときが なにもかも忘れさせ 不感の湯という 体温と同

    • しこり

      検査でしこりが見つかる 副腎に甲状腺 前立腺と膀胱 2cm以下の培養実験 大きくなったら生体検査で 悪性かどうか診てみましょう しこりはどうしてできる 思い当たるのは どこで暮らしているのか 別れた家族 息子たちとの確執 7年行き合っていない姉 どうしているのか病気の人 みんなしこりになり わたしの肉体に瘤をつくった それはやがて大きくなると 増殖して転移して 体全体を蝕んで しこりだらけになったなら 切除してしこり鍋にして食べようか 三か月したら再検査してみましょう 医者は

      • 解放の日

        ウイルスとの戦争は人間の勝利になるのか 戦いの記録は感染者と死者数 それが逓減してゆき皆無になると 政府は戒厳令を解き 今日から自由を宣言した 商店はシャッターを開け 飲食店はテラスに椅子を並べる 街はまた賑やかに買い物客が戻り 駅から人が吐き出される 音楽が高らかに鳴り響き 人々に笑顔が戻る これでマスクがとれて 警戒線が解かれたら われわれは完全に勝利をおさめる 未知のウイルスとの二年に渡る戦争は 街から人が消えた 観光地は死に 多くの自殺と失業と破産を残した まだ安心は

        • ステイホームとホームステイ

          ステイホームというから、部屋にいることが多くなる。それは金を使わなくていい。音楽も聴けるし本も読める。だけど、アウトドア派のわたしには禁固何か月という刑罰みたいなものだ。この半年は自分と向き合えたという人もいるだろう。見えなかったものが見えたとか、したかったことができたとか、コロナで、生活ががらりと変わり、その恩恵もまたあった。  全然別のことだが、ホームステイのことを思い出した。うちの親父は他人を自宅に住まわせるのが好きな人で、わたしが小学生のときから、次々にいろんな人を

        雲のかたち

          音楽回帰

          図書館が再開してしばらく経つのに、本だけしか借りに行っていなかった。音楽CDも貸しているのを忘れていた。それをまた録音するためにコンパクトなステレオを買ったのじゃなかったか。  わたしはCDを買って揃えていたのだが、もうモノとしてコレクションするのはやめた。若いときはレコードをせっせと集めて千枚くらいあったろうか。それは古本屋をやるときに蔵書と一緒にすべて店に出して売った。以来、コレクターではなくなった。給与の半分もレコードに費やして、親に叱られたこともあった。生活費が足り

          愛媛松山未踏地紀行3

          二日目は海だった。天気も悪くはない。関東の海は禁止されて泳げないが、四国は遊泳かできる。どこに行くか、ネットで調べてきたが、迷うところだ。港からフェリーで島に渡ると、海の綺麗な人気スポットはいっぱいある。その中で、鹿島という松山の北のほうにある島に行くことにした。バスで松山駅に出る。予讃線の電車に乗る。高松行とあった。沿線には今治などがある。四国は小さいから、歩いてみると、なんだ、すぐ隣かとなる。北海道で暮らしたり、東北も広いから、その感覚でいたら、香川県も普通電車で行けると

          愛媛松山未踏地紀行3

          愛媛松山未踏地紀行2

           道後温泉に着いた。駅がかわいらしい。みんな写真を撮っているのが判る。ぼちゃんのカラクリ時計などはあまり興味がない。新しく作られた観光名所や復元されたところには入りたいと思わない。道後温泉といえば、必ず出てくる古い温泉が本館だが、そこに入りたいとやってきたのだ。入口でまた検温と熱のある人は入れない。電話番号と時間と名前も書かせられる。衣服はロッカーに直に入れないでとビニールの袋を渡された。厳重なのは、東京ではそんなでもないのに、地方のほうがかなり神経を遣っているのが判る。風呂

          愛媛松山未踏地紀行2

          愛媛松山未踏地紀行1

           いつも使う稲毛駅から成田空港行の快速に乗れる。4時半に起きて、5時半過ぎの電車で向かう。朝飯はホームでコーヒーとホットサンド。朝靄が田圃を幻想的にしていた。やがて朝日が昇ってくる。40分くらいで着いた。第2ターミナルで降りると第3ターミナルまで歩いて15分とか。新しくできた第3は利用したことがない。ここ3年は飛行機にも乗っていないほど、旅行に出なかった。あいつと別れてから、堰を切ったように、わたしは旅に出ていた。LCCの第3は、若者たちが多い。建物は簡単な構造で安普請だ。J

          愛媛松山未踏地紀行1

          ガンジーの眼鏡

          ガンジーが掛けていたメガネが3600万円で落札されたとニュースで報じていた。きっとメガネはいくつかあるのだろう。前にもそんなオークションで出たことがある。それと、ガンジー記念館を以前見たが、その中にも展示されていた。  いまから11年前にインドに行ったとき、わたしは自分の土産にインド更紗とガンジーの掛けたような丸い真鍮の細い縁のメガネが欲しいと、ニューデリー中の眼鏡屋を見つけるたびに入って見た。だけど、現代風の日本でも売っているようなモダンなものよりなかった。インド更紗もど

          ガンジーの眼鏡

          不健康診断

          いまの勤め先は、ちゃんとしている。健康診断を見ていて判る。前に勤めた会社では、いい加減なところは、すっかりと手抜きで、診断項目が少ない。レントゲンも心電図も血圧も採血・検尿もしないで、問診と体重、視力と聴力と、簡単なもので終わる。それで何が判るのか。前に勤めた警備の会社では、本当は法律で年に二回の健康診断をしなければならないとされていたのを、年に一回よりしないで、ごまかしていた。一人ちゃんとやれば一万円以上はかかるので、安く本社近くのクリニックと契約しているのだろう。  こ

          不健康診断

          酒とタバコは完全にやめられた

          酒は相方と暮らしていた半年前までは、毎日のように飲まされていた。わたしがいらないと言えば、自分だけこっそりと買ってきて、トイレで隠れて飲んでいた。病気が好むのだ。わたしはつきあいで、晩酌のようにして一緒に飲んでいたが、飲みたくないので、断ってからは、今年に入ってからは、あまり飲まなくなる。まして、一人で千葉に越して暮らすようになったら、数えるほどより缶酎ハイなど買っていない。ウイスキーのボトルを最初に買ったのが、三か月もあったし、梅酒なんか、まだ半分は残ったままだ。このひと月

          酒とタバコは完全にやめられた

          『自粛バカ』という本が売れている

           『自粛バカ』という新書が売れているようだ。著者は池田清彦氏。養老孟司さんが推薦している。リスクゼロ症候群に罹った日本人への処方箋と書かれている。面白そうだから読んでみようかと、値段を見たら、新書のくせに1400円以上もする。それでやめた。出版社も売れると見込んで強気の値段をつけた。タイトルからだいたいの内容は想像できる。それにしても、猛攻撃されるようなタイトルをつけたものだ。勇気がないとできない。たぶん、いまは言いたくても我慢している人ばかりだろう。世間がみんなそうなのだか

          『自粛バカ』という本が売れている

          夏バテには山ワサビ

          食欲がないのは夏バテだろうか。背中がまた痛くなり、連動してみぞおちがしくしくする。半年前にもこんなことがあって、九段の病院の内科に診てもらうが、ソナーで調べてもなんともない。いままた同じようになるが、ストレスと夏バテなんだろう。食べたら胃がもたれるので、ますます食べられなくなる。これはちょうどいい機会なので、食べないで痩せるか。  それでもますます体力もなくなるので、猛暑を乗り切るには、食べないといけない。どうも、膨満感があるのは、水分ばかり摂っているからだろう。若いときに

          夏バテには山ワサビ

          電動バイクの人気

          電動バイクがいま人気があるのは、テレビの番組で充電させてくれませんかという出川のレギュラー番組の影響もあるだろう。わたしも6年くらい前に、電動バイクが欲しいと思ったときがある。そのときは、青森にいたが、ホームセンターで新発売の電動バイクでも50ccのスクーターと同じ格好と大きさをしていたのが5万円以下で売られていた。それなら自転車代わりに乗ってみたいと、買おうと思った。実に値段も安い。ところが、次にそれを見に行ったら、もう展示していないで、引き下げてしまった。何か問題があった

          電動バイクの人気

          Go to トラブル

          政府が旅行に行けというが、地元では来てもらいたいが、来てほしくないような。複雑な思いでいるのは、わたしもだった。こんなときに旅行に行っていいものかと。このGo to travelを文字って、前にGovernor omit Tokyoというジョークが新聞に出ていて笑った。東京都民は外されて、キャンペーンから外される。わたしは千葉県民だから、もらえるものはもらえる。それが目的ではなく、コロナの対策はしっかりとして、それでもどこかに旅行に行きたいというのは、別にコロナでなくても、い

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          菓子三原則

          核三原則というのがある。核兵器を持たず、造らず、持ち込ませずというものだ。それが、わたしの場合は、菓子三原則は、お菓子を持たない、造らない、持ち込ませずと、同じことになる。それは危険なもので、わたしにとっては、甘いもので汚染され、糖尿病など死に関わる病気を併発する毒と同じなのだ。  それで、青森にいたときは、スーパーに行っても、ぐっと我慢して買わないようにした。買ってもいいのは、ハイマンナンのこんにゃく畑とか、ところてんとか、スルメとか、おしやぶり昆布とか、口寂しいおやつで

          菓子三原則