電動バイクの人気

電動バイクがいま人気があるのは、テレビの番組で充電させてくれませんかという出川のレギュラー番組の影響もあるだろう。わたしも6年くらい前に、電動バイクが欲しいと思ったときがある。そのときは、青森にいたが、ホームセンターで新発売の電動バイクでも50ccのスクーターと同じ格好と大きさをしていたのが5万円以下で売られていた。それなら自転車代わりに乗ってみたいと、買おうと思った。実に値段も安い。ところが、次にそれを見に行ったら、もう展示していないで、引き下げてしまった。何か問題があったのだろうか。

 仕方なくネットで電動アシストの自転車を買った。中国製だが、一番軽いもので折りたためるものがいいと探したら、値段も4万円くらいと安く、重量は9キロよりない。一番出ているうちで軽量だ。片手で持ちあげられる。これだと、頼んだが、折りたためば、車のトランクに入るし、大きなバッグには入る。それで青森市内を走り回っていたのだが、フル充電で30キロは走ると書かれていたが、その自転車の難点は、充電のバッテリー残量の表示がないのだ。走っていて突然走らなくなる。一度は、郊外のショッピングセンターまで行って、そこから引いて帰ってきた。かなりの距離があった。普通は電気が切れても、ペダルを漕いで走らないといけない。それが、そいつはペダルがかなり重くなり、漕げないのだ。仕方なく、歩いて帰りは40分くらいかかって古本屋まで重くなった自転車を引っ張って帰った。

 その電動自転車で旅に出ようと、京都駅に着いたら、駅前のホテルに泊まったが、そこで充電して、翌日、バッグから出して、市内一周しようとしたら、チェーンが外れてギアに絡んで取れないアクシデントがあった。工具がないのでできない。どこかで自転車屋を見つけようかと歩いたら、土砂降りの雨になり、諦めて、二つに折りたたんで、青森まで宅配便でコンビニから送り返した。宅配便で送れるのは便利だった。だけど、使っているうちに、そんなアシストにもならないと、一年で乗らなくなり、親戚に安く売ってしまう。失敗した。また中国製だからというわけではなく、初期のものなので、だんだんと性能はよくなってゆくのだろう。いつもの安物で失敗したのだ。


 東京に出てきたときは、電動ではなく、折り畳みの20インチのシティサイクルにした。それはしばらく乗り回していたが、都内は坂道が多く、みんな電動アシストの自転車で奥さんたちが乗っている理由が分かった。坂ばかりなのだ。小石川と千駄木で暮らしていたときは、その坂の長いこと。降りて押して歩いた。下りだけ乗った。その繰り返しなのだ。その自転車は引っ越しのときに、連れの娘にあげてきた。いずれも安物で一万円もしなかった。


 自転車はいまもわたしの足になる。それがないと買い物にも海にも温泉にも行けない。千葉に来たらあまり坂道がないので電動でなくてもいいが、少し遠くに行く用事のときは、電車でもいいが、バイクがあればいいなと、先日は、近くのバイク屋の店頭に、いつまでも売れないである中古バイクが2万円とあったので、気になって、店の人に聞いてみた。そうしたら、30年も前のもので、部品がないので壊れたら終わりだというの、諸費用で5万くらいになるという。それなら新品を買ったほうがいい。いろいろと調べたら、50ccのバイクはもうすぐ製造中止になり、走らなくなるとか。将来的には電動バイクにみんななってしまうのだろう。まずは音がうるさい。それと、いまは125ccのバイクが人気で、免許を取りに行く人が増えているのだとか。そのクラスなら、普通乗用車と同じに50キロで走れるし、二人乗りもでき、信号右折では、50ccは人と同じで、信号が変わるまで、向かい側で待ってから直進しなければならないのに、125ccでは交差点の真ん中に侵入して右折ができる。燃費はそんなに変わらない。

 それで50ccの人気はだんだんとなくなる。わたしはいままでゼロハンという50ccバイクを何台か乗りつぶしてきた。中ではホンダのスーパースブが一番よかった。三段変速で、馬力もかなりあった。古本屋時代には、その後部座席に籠をつけて、古本のちょっとした仕入れには車でなくてバイクで行ったものだ。菓子屋時代にも乗っていた。それで黒石から弘前の店回りもした。さすが八戸までは片道100キロはあるから無理だった。満タンで3リットルのガソリンが入るが、燃費は中古でも50キロは走った。満タンで150キロだから、黒石・弘前と回って青森まで帰ってこれた。

 旅先でもバイクを借りて走った。沖縄に行ったときは、本島の南側で行っていないところをバイクで回った。レンタルは一日借りて2000円だった。

 函館まで列車で行って、そこからバイクを借りて一泊二日のツーリングをした。江差から恵山までぐるりと渡島桧山を回ったが、新車を貸してくれた。燃費は60キロは走れた。走行距離は500キロはあった。時速30キロでちんたらと走る北海道はかったるい。つい50キロと出してネズミ捕りに捕まったが、ゴールド免許であったのと旅人であったので注意だけで許してくれた。


 別にこの先、電動バイクを買おうとは思わないが、それはガソリンなら給油すればいくらでも走れるが、電動はせいぜいが40キロぐらいより走れない。そのたびに止まって、どこかで充電お願いというのも時間の無駄になる。そのうち、バッテリーの能力がアップして、100キロとか走れるようになれば、ちょい乗りだけでなく、ツーリングにも使えそうだ。予備のバッテリーを持ってゆけばいいのだ。

 電動バイクもナンバーでとれるものが出てからは公道も走れるようになる。街中でそういうのを何度も見た。立って乗るスタイルのもある。キックボードにモーターのついたものまである。玩具ではなく、実用的な乗り物として、これからはいろんな形の電動バイクが出回るのだろう。それに期待したい。音が静かなのと排気ガスを出さないものが、これからは街中を走り回る。東南アジアでは、10年くらい前に行ったときは、そんなバイクをよく見かけた。いまはもっとすごくなっているに違いない。あのバイクの洪水を見たら、息ができないくらいの排気ガスで、大変だったのが、クリーンになるとアジアの空も綺麗になるのではないか。