みっち

今日もどこかのライブハウスで呑んで踊って泣いています

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    レビューが難しいなら小説を書けばいいじゃない ライブから生まれた小説

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自己紹介とか

みっちです。小説を書いています。 YOASOBIの曲に原作小説があるように、わたしの小説には原作曲があります。 そもそもなんでわたしが小説を書くようになったかという話から。 2022年6月18日、わたしは福岡市のUTEROというライブハウスにいました。YOUNDの自主企画 BAROMETER というイベント。 トップバッターのMake The Pancake のライブをみていたら、わたしの中で高2の男子が目覚めました。 名前はリョータ。親から国立大学に現役で合格しなければ学

    • 龍之介だったかもしれない

      みっちです。今日はわたしの誕生日です。小5の頭脳と高2の精神を持ったまま肉体は48歳になってしまいました。 誕生日というのは親に感謝する日だと誰かが言っていました。だからというわけではないですが、父のことを書いてみようと思います。 父は生まれてくる子が男だと信じて疑わなかったのかなんだかわかりませんが、男の子の名前ばかり考えていたといいます。その中の最有力候補が「龍之介」だったということです。だいたい子の性別というのは受精したときに決まっている(ですよね?)はずなのでわたし

      • 恵美子

        わたしはゆるやかな檻の中にいる。 スクリーンの中の暴力沙汰に目を奪われていても、数時間後には家で家族の夕食の支度をし、明日の弁当のためにおかずを取り分けることも忘れない。月曜と木曜には燃えるゴミを出し、週4日時給1000円のパートに勤しむ。 50歳既婚女性という檻。妻であり母であるという檻。簡単に抜け出せそうに見えて、結局はこの中でしか生きられない。抜け出せたとしても、また別の檻に入るだけ。わたしだけじゃない。みんながみんなそれぞれの檻の中で暮らしてる。 エンドロールの文字

        • 【日記】231001 MUSIC UNFAIR

          イグアナズのナカヅルさんユキさん夫妻とはなんかお互い名乗るタイミングがなくて9/4の秘密でようやくはじめましてして、ライブもやっとみられて、ほんとよろしくお願いしますてなった。その二人が新しくバンドはじめたですと!みに行かんとね! ユキさんにDMで予約お願いしたら丁寧なお返事がきて、「姐さん…LOVE…」となる。 急に涼しくなって長袖ひっぱりだしてUTEROへ。3日連続…受付で原尻店長に「いつもありがとうございます」言われる。 フロアに降りると戸高くんが椅子に座って寝ていた。

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          【日記】230930 夜をねり歩く

          二日酔いで重い頭をなんとか支えつつあと少しでeastern youthをみられると浮き立つ心で4時間仕事をがんばる。 帰宅。シャワー。カレー食べる。 がんばれば安増BIG FOLKに間に合いそうだったけどがんばれなかった。 ファミマの手前でとしみちゃんと多分Biwakoのキーボードの女の子に会う。 入り口に夫。「BIG FOLK今終わった」ですよねー。 常太郎くんが降りてくる。めっちゃ寒そう。裏ボアのフライトキャップとパジャマのトップスがかわいい。はなちゃん(詞麻ちゃん)も降

          【日記】230930 夜をねり歩く

          【日記】230929 LOW MID

          何気に初LOW MIDだ。 6月行きたかったんだけど大雨だったし頭痛くて断念したんだよね〜って話を入り口んとこでたにがわパイセンにした。「あの二人はやっぱすごかったですよ〜」とのこと。くうう。そして来月は1周年でゲストはStrobolightsだと教えてもらう。「変寺初めてみるんすけど、プログレってきいてます」うん、間違ってはいない、と思う。その変寺のふたりは駐車場のところに並んで立ってた。デカいふたり。 バーカンはリュウノスケくんだった。 キジウマ、夫、髭公さんの三人がそろ

          【日記】230929 LOW MID

          『敬』と神棚On the Wallのことそして『夜をねり歩く』

          仕事に行くときは700mlと500mlの水筒に麦茶を入れていくのですが最近は飲み残すこともあります。その程度しか秋を感じていないみっちです。みなさんいかがお過ごしでしょうか。 さて今回は『敬』と神棚On the Wall(以下神棚)です。 2022年6月19日秘密大爆発@ライブハウス秘密で神棚のライブをみたわたしの中に生まれた何番目かの人格タカシはbloodthirsty butchersとか eastern youthが好きなのに軽音サークルであ○○○○んのコピバンでギ

          『敬』と神棚On the Wallのことそして『夜をねり歩く』

          『彗』『暁子』とNYAIのこと

          セルフライナーノーツ的なやつ第2回です。 振り返ると昨年の夏はいっぱい書いてましたね。仕事中に登場人物の名前考えたり、脳内で会話させたりしていたなあ。 ある日ふとNYAI『tape drug』が脳内で再生されて、「宛はまだ無い手紙を書く」という歌い出しの一節で、「訳あって父親の顔も名前も知らない男の子」がわたしの中に現れました。 「これは絶対面白いお話になる!」と、ものすごくウキウキしたのを覚えています。 最初は『彗』で終わらせるつもりでしたが、「わたしも彗のお父さんのこと

          『彗』『暁子』とNYAIのこと

          『駿介』とyoundのこと

          ついさっき、youndの次のライブのお知らせをキャッチした。京都か…行きたいな! どうも、みっちです。 だいぶサボっていますが時々noteで小説を書いています。 せっかくなので小説の原作曲の紹介とセルフライナーノーツ的な解説でもしてみようかと今年の春思い立ったもののなかなか書けず気がつけばもう9月も下旬…まあ軽い気持ちで読んでみてください。 ライブレポ書くの難しいから小説にしたらええやん!と書き始めた第一作がyoundの『なだらかな日』が原作の『駿介』です。 わたしは福

          『駿介』とyoundのこと

          凛太郎

          隣人の姿を初めて見た。 朝の散歩に出るために豆柴の小太郎を抱いてエレベーターを待っていると801号室のドアが開いて若い小柄な男が出てきた。 「おはようございます。802の内藤です」 「どうも、イヌイです。乾電池の乾で、乾です。」 ああ、乾。サッカー選手にいるな。乾貴士か。 「あの、犬、大丈夫ですか?あれだったら、お先にどうぞ」 このマンションにエレベーターはひとつしかない。ペット可物件ではあるが住人全員が犬好きとは限らないので気遣いは必要だ。 「あ、いえ、こちらこそ、ご一緒し

          礼央

          むずむずもやもやする。春のせいだ。イライラする。体の奥で渦巻いている醜悪な欲望を誰かにぶちまけてしまいたい。相手は誰でもいい。大学にもバイト先にも僕のことを憎からず思っている女の子は複数いる。僕は何とも思っていないし下手すりゃフルネームすら知らない女の子たち。彼女たちの中から誰かひとりを選んで家に連れてきて享楽の限りを尽くしたところで虚しいだけだし、あとあと面倒なことになるから実行はしない。僕がいつもこんなことを考えていると知ったら、彼女たちは潮が引くように僕から離れていくだ

          奈津

          麻衣子に彼氏ができた。 P大文学部史学科古代史ゼミのエルサと陰で呼ばれている麻衣子のあんなにデレている姿、親友のわたしでさえ初めて見た。ハンス王子と出会って恋に落ちた夜のアナにも負けないくらいフワフワしている。 麻衣子の恋人はハンス王子じゃなくて27歳の学芸員。古墳マニアの二人の出会いは埴輪づくりのワークショップだったらしい。 もう一人の親友梢とわたしは、その彼に今日会ってきた。早く秀樹に報告したい。 秀樹はわたしの恋人で大学の2年先輩。新幹線で2時間の距離のQ市にある食品

          広海

          いつもの信号待ち。だいたい7時3分。2月も半ばを過ぎてずいぶん日の出が早くなった。交差点を隔てていても彼女の頬が赤いのがわかる。ほんの一瞬だけ、彼女が俺の方を見た気がした。 信号が青になる。 毎朝すれちがうだけ。 ひとつにまとめた長い髪。S女子高の制服。紺のハイソックス。黒のローファー。マフラーは白。自転車のフレームも白。学校指定の鞄と、スポーツブランドのリュック。 すれ違う瞬間は下を向いてしまう。目を見てあいさつできたらいいのに。できるわけない。 もし彼女に話しかけるチャ

          京子

          はあ、やっと着いた。わが故郷、クソ田舎。一応バスターミナルなんだけど、人がいない。かろうじてタクシーは1台待機していてほっとする。3年ぶりか?前帰ってきたときはじいちゃんの七回忌かなんかだったか。親戚からの彼氏はできたか結婚はまだかはやく親に孫の顔をうんぬんに心の底からうんざりしたし、空港から2時間強の距離も足が向かない理由には充分過ぎた。 それでも休みをやりくりして帰ってきたのは、樹里に会うため。高校時代の親友で、あたしの初恋の人。 2週間前、樹里からLINEでなつかしい

          「こんにちは」 えーっと誰のママだっけ、ん? 「こんにちは。あ!」 わたしたちは、お互いのTシャツを見て指さしあって笑った。 デザインは違えど二人ともZAZEN BOYSのTシャツ。 子どもを迎えに来た幼稚園の門の前でこんなふうにわたしと美幸ちゃんの友情が始まった。 「フジロック今年も配信あるじゃん」 公園のベンチでわたしは美幸ちゃんとコンビニのアイスコーヒーを飲んでいる。 年長の遥と年少の晃、美幸ちゃんの娘の年少の千里ちゃんは3人で砂場遊びに夢中だ。 「いい時代になったね

          美幸

          「じゃ、もう一回頭から」 テツヤの声。 わかってるよ。わかってるけどなんで?なんであたしがセンターでギター持って立ってんの? ギターのトモちゃんもベースのケイコもうなだれて何も答えてくれない。そしてテツヤなんでお前がそこにいる?そこはあたしの場所! 「おかーさん!」 は?あたしはあんたのおかあさんじゃない! 「ねえ、おかーさーん!ちーちゃんのカエルさんのくつしたどこー?」 幼稚園の体操服姿の娘、千里が枕元にしゃがんでいる。 「おかーさんおはよう」 夢か… 「おはよう」 ま