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音をつむぐ⑦(活動履歴編7)

【20代最後・・・音楽をやめよう・・・】

前回の記事「音をつむぐ⑥」では、どん詰まりで「音楽をやめよう」と思った時期のことなどを書きました。

【妻から⇒どうぞ独りで暮らして下さい!!】

前回も書きましたが、29歳で結婚。32歳の時に長男が生まれました。28歳の時に音楽をやめようとして、大切なギターを売ってはみたものの、結局そのような物理的なことで、断ち切れるものではないことがわかったわけです。結婚してから、正社員として勤めてはいたものの、頭の中には音楽制作ということがいつもありました。結婚をして、長男が生まれてもからも、僕は音楽に携わる仕事を探していました。妻はその辺りの僕の動きを察知して、妻からの最後通告として

「そんなに音楽がやりたいなら、どうぞ独りで暮らして下さい!!」

ということを言われました。この時、妻は本当に別れようと思っていたと思います。そして、妻からの提案として、

「あなたが音楽を仕事にしたり、レーベルを立ち上げて食べていこうというなら、お金の流れがわかるようにならなくちゃいけないし、少しは経営のことなんかも知らないと話にならないじゃない!! もし本気だというなら、簿記の資格でも取ってみたら、そして、まずはそういう職種で少しやってみたらどうですか。そしたら、少しはあなたの話が聞けるし、本気度がわかるかなぁ」

と妻は言ったのでした。

【30代は子育てとお金を稼ぐことに集中】

そして、僕は33歳の時に「日商簿記検定2級」を取得(すごく勉強しましたが、一度試験には落っこちて、2度目で受かりました)紆余曲折を経て、僕は生業として経理という道を選びます。そして、2007年、35歳から医療機器メーカーに入社し、本格的に財務・経理の仕事に従事するようになります。もちろん、30代前半は心の葛藤がありました。ただ、35歳で入った医療機器メーカーで、経理というこの道でやっていくんだというエンジンがかかったと思います。

34歳で次男が生まれ、38歳で長女が誕生します。やはり、3番目の子が生まれたときに父親として、「どんな仕事をしてでも、子どもたちを食べさせる、なんとしてでも稼いでこなきゃならない」という感覚になりました。父親というのは、母親と違って、お腹を痛めて出産するわけではありませんから、肉体的な大きな変化がないんです。母親というのは出産後は母乳が出たり、ホルモンバランスが変わったり等の肉体的な変化がありますから、多くの母親は自然に子供を育てるモードに変わっていきます。男性はこの変化をやはり意識的に行わなければなりませんが、今まで通りの生活を持続させてしまう人もいるのではないでしょうか。この精神的なスイッチをどう切り替えるかというのは人それぞれだと思います。
僕の場合は、意識的なのか本能的なのかわかりませんが、3番目の長女の誕生がきっかけになって、さらにスイッチが入ったという感じです。

【ここで辞めるわけにはいかない】

38歳になった頃、経理の仕事をして、4年目に突入します。子供3人の保育園の送り迎えをやりながらの仕事ですから、時々は上司と衝突してしまうことがあったり、厳しい指導で泣きたくなるようなこともあったりしましたが、『ここで経理の仕事を辞めるわけにはいかない』と心に決めていましたので、とにかく、言われたことをやる、早く仕事を覚えるということを思いながら日々を過ごしていました。

【やっと自然体でいられるようになった】

妻はあるとき、こんなことを言いました。

「私はあなたに音楽をやるなと言ったことはないし、ましてや、私にはそんな権利はない」と。

妻の気持ちの全てはわからないんですが、彼女は頭の良い女性ですし、大学も法学部出身ということもあり、人の権利や意志をとても尊重する女性だというのは、結婚する前から僕は知っていました。そういうところに正直惹かれたということもあります。ただ、彼女が以前に言いたかったことはシンプルに

「一緒に生活して、さらに子供を育てるなら、お互いに協力すること、お互いのやりたいことも調整する必要があり、そういうふうにしてなんとかやっていかなきゃね」

ということだったと思います。
そこに僕が強引に「音楽制作」というものを優先順位の一番上に持ってきて、やろうとする姿勢に辟易していたのだと思います。

そんなことを経て、時が経ち、色んなことがあったのですが、2011年39歳の時に「春光」という楽曲を作ります。これは、自宅近くの本土寺というお寺の桜を見て作った楽曲です。アップしたものは、後日にアコースティックバージョンとして録音しなおしたものです。
嬉しいときも悲しいときも、この本土寺の桜があって、特に3人の子どもたちの入学式を迎える4月頃はこの桜が綺麗に咲いていたなと、とても思い出深い作品です。

「春光」
Music and Lyrics by Takemoto Akihito
Vocal&Acoustic Guitar :Takemoto Akihito

この後、40代に突入していきます。子供も少しずつ大きくなって、仕事の領域も変わってきて、経理から財務という仕事が主となっていきます。40代は仕事がとても面白くなっていきます。次回はそんなところも含めて書いていこうと思います。

今日も最後まで読んでくれてありがとうございました。

【takeプロフィール】
千葉県在住。会社員。
ライフワークとして音楽活動を続けています

★メジャーレーベルへの楽曲提供実績はこちら⇩

最後まで読んで頂きありがとうございました。


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