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「気が置けない」と「気の置けない」 (904)
「気が置けない」は、「気の置けない」とは異なるのでしょうか。実は、 「気が置けない」は「気の置けない」と同義なのです。しかし、その意味はと言うと、誤解をしている人が多いようです。
「気が置けない」は、文化庁の「国語に関する世論調査」(平成18年度16-19歳対象)によると、「相手に気配りや遠慮をしなくてはならないこと」の意味だと答えたのが60.8%でした。正しくは、「相手に気配りや遠慮をしなくて
正しい心を維持するために-その7 (896)
7回シリーズの最終回です。
これまでに6回にわたって正しい心を維持する考え方を示してきました。その中に一貫して流れているものとして「慈(いつく)しみ」の心があります。「慈しみ」は、言い換えると「あらゆる苦しみをひそかに受け止める気持ち」となります。
仏教の言葉で言うと、「自未得度先度他(じみとくどせんどた、自ら未だ度<わた>らざる先に他を度す)」ということです。自分が救済されていなくても、まず
親身になった心遣い(861)
親身(しんみ)という言葉があります。文字通り、「親の身になる」ということです。厳密には、「親」と「身になる」というものの合成語です。
「親」は子供のためには、損得なく献身的な行動を取ります。また、「身になる」とは、その人の役に立つとか、その人の立場に立って考えるという意味を持っています。
1. 実の親の場合には、子供の役に立つような行動を取る。
2. 実の親ではない場合には、あたかも親のよ
成仏とは死ぬことではない (839)
私たち日本人は、成仏(じょうぶつ)を「死ぬこと」と理解しがちです。しかし、本来は漢文なのですから、「成仏」は「仏に成る」と読むべきです。従って、成仏とは文字通り仏に成ることなのです。
そこで今回は、改めて「仏(ほとけ)」とは何かをまとめてみたいと思います。
仏とは、真理に目覚めた人という意味です。すなわち成仏とは、煩悩から脱してこの上ない真理を悟ることを意味しているのです。よって、単に死ぬこと
変化しながら事物が存在することを空(くう)と言う(838)
「空」は「穴」と「工」から成ります。穴の上部に曲がったドーム状の形(工)を表したのが「空」という字だそうです。古くは、大きな穴の頭上に広がっているスペースを“そら”と呼んだと言います。中身がないから “から”とも呼び、何もない「無」と混同されています。
しかし、音読みでは「くう」なのです。いったい、空【くう】をどのように捉えればいいのでしょうか。
空(くう)は、恒常的・固定的実体が無いことを意