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「気が置けない」と「気の置けない」 (904)

「気が置けない」は、「気の置けない」とは異なるのでしょうか。実は、 「気が置けない」は「気の置けない」と同義なのです。しかし、その意味はと言うと、誤解をしている人が多いようです。

「気が置けない」は、文化庁の「国語に関する世論調査」(平成18年度16-19歳対象)によると、「相手に気配りや遠慮をしなくてはならないこと」の意味だと答えたのが60.8%でした。正しくは、「相手に気配りや遠慮をしなくてよいこと、うちとけられること」なのです。大半の人が誤って理解しているのです。

なぜ、そのように誤解するかを考えてみましょう。

あらためて注意しなければならないのは、(1)「気」とは「気遣い」だということ、(2)「ない」という否定語に惑わされるということ、そして(3)「が」は「の」と同じ主格の働きがあることでしょう。

(1)「気」とは「気遣い」と(2)「ない」という否定語から、「気が置けない」は「気遣いしない」ことだとわかります。

(3)「が」は「の」と同じ主格の働きがあるということからは、「気が置けない」は「気の置けない」と同義であることがわかります。

よって「気が置けない」は、「気遣いは置くことができない=気遣いはしない」ということだとわかるのです。要するに、打ち解けた関係だということを意味しているわけです。

(逆に「気が置ける」(または「気の置ける」)は、「気遣いが置ける=自然と気遣いしてしまう」となるのです。)

これらのことから、「気が置けない」は気遣いしないフランクな関係だとわかりました。


[参考] 「の・が」の主たる用法:
①主格    「~が」という意味  例: 水の流れる(=水が流れる)
②連体修飾格 「~の」という意味  例: 大家さんの飼い犬

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