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心を調(ととの)える(840)

「ととのえる」を表す漢字は、「整える」と「調える」があります。ほぼ同義なのですが、ほんの少し意味合いが異なります。

整える:「正」の字が入っていますから、「形を正しくする」という意味がある。きちんとする。形や様態を正しくする。整理、整頓など。
調える:言葉を用いてうまくまとめるという意味がある。うまくまとめる。必要なものをそろえる。調和、調律など。

従って、心をまとめると言う意味では、「調える」という漢字が適しているのです。

禅の妙心寺派の生活信条に「一日一度は静かに坐って、からだと呼吸と心を調えましょう」とあります。良い生活をするためには、からだと呼吸を、あらかじめうまくまとめておきましょうと言っているのです。

・からだを調える  適度な食生活、睡眠、運動を継続して健康体であること。
・呼吸を調える   荒い呼吸は不健康を意味する。
          正しい呼吸法で健康を維持すること。
・心を調える    落ち着きを得て、余計なことを考えない。

要するに、身体・息・心の三位一体となってまとまりを作ることが肝要だと言っているのです。

まとまりのある状態になったならば、自分自身に自信を持つことができるようになります。自分自身に頼ることができるようになるのです。このことを、「己こそ、己の寄るべ。よくととのえし己にこそ、まこと得難き寄るべを得る」と言います。寄るべは、頼るべきものを意味しますから、自分自身の中に頼るべきもの(すなわち本性・仏性)があることが分かると言っているのです。

ビジネスにおいても、一般生活においても、最後の最後は自分自身で決めるではありませんか。他人任せにしても、うまく行かないことは明白でしょう。最終責任は自分が取るのですから、自分自身で決めるしかないのです。

もう一度まとめておくと、「よく己(自分自身)をととのえておくこと」が前提です。隠しようのない、嘘のない自分自身にしておくことが前提なのです。余計なものにとらわれない(執着しない、悩まない)自分自身が出て来れば、今、ここで何をすべきかを、しっかりと考えることができます。それが、「寄るべを得る」ことなのです。

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