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成仏とは死ぬことではない (839)

私たち日本人は、成仏(じょうぶつ)を「死ぬこと」と理解しがちです。しかし、本来は漢文なのですから、「成仏」は「仏に成る」と読むべきです。従って、成仏とは文字通り仏に成ることなのです。

そこで今回は、改めて「仏(ほとけ)」とは何かをまとめてみたいと思います。

仏とは、真理に目覚めた人という意味です。すなわち成仏とは、煩悩から脱してこの上ない真理を悟ることを意味しているのです。よって、単に死ぬことを成仏と思うのは早計なのです。

ここで真理とは、縁起の法のことを言っています。縁起の法とは、「すべての物事には必ず原因と結果がある。物事がそれ自体で在るものでなく、他との関係なしには在り得ない」というものです。

もう一つ、「全ての人間は本来成仏している」という考えがあります。これは「全ての人間は仏性を持つ」とも言います。ここで仏性とは、仏としての本質、仏になるための原因のことです。

ところが、人間は本来生まれた時に仏性を持っているにもかかわらず、生後に不完全な、あるいは誤った知識を得て、それを正しいと思い込んでいるのです。それらの不完全な誤った知識が仏性を覆い隠しています。
それならば、不完全な、あるいは誤った知識を取り去って、本来有している仏性に気づき従えばいいことがわかります。仏性に気づくことを「悟り」と言い、その仏性のはたらきが顕れてきている状態を成仏と呼ぶのです。

仏性に気づき、そのはたらきを発露できるようにしていくことを、仏道修行と呼んでいます。

参考までに、仏道修行のステップを示しておきましょう。

1. 法(真理)の説法を聞き、なるほど、ありがたいと思うこと。
2. 自分には仏性があるのだ、と言うことを信じる。
3. 仏性に気づき、発露できるよう修行する。

大切なのは、素直な気持ちになり、特別なことにこだわることなく、あるがままに物事を受け入れ、受け入れている仏性自体に気づくと言うことです。

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