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親身になった心遣い(861)

親身(しんみ)という言葉があります。文字通り、「親の身になる」ということです。厳密には、「親」と「身になる」というものの合成語です。

「親」は子供のためには、損得なく献身的な行動を取ります。また、「身になる」とは、その人の役に立つとか、その人の立場に立って考えるという意味を持っています。

1.  実の親の場合には、子供の役に立つような行動を取る。
2.  実の親ではない場合には、あたかも親のような気持ちになって(立場になって)考える。
というわけです。

だから、 「親身になって」は「相手に対して、肉親または肉親のように心をこめた心遣い」という意味を持つのです。ポイントは、私情を含まないこと、見返りを求めないこと、相手のために良いと思うことを行うということにあります。

[参考]対義語は、「事務的」「他人行儀」「よそよそしい」

注意しなければならないこととして、上記のケース2の「あたかも肉親かのように」行動していくと、時に相手に感謝の意を期待するようになります。実の親でもないのに「こんなにしてやったのに」というような想いが出てくるとトラブルに結びつきます。

また、あまりに心遣いをし過ぎると、相手の自立心が失われるようになります。人生は、最後の最後は自分一人で生きていかなければなりません。度が過ぎると、相手にとってはマイナスになるということです。

「懇(ねんご)ろ」という言葉がありますが、親身の度合いが強すぎる時に起こってきます。親密すぎる関係になることです(「懇ろ」は、もともと心をこめて思うさまを示す語なのですが、最近では特に男女関係に用いる言葉になっているようです)。何事も節度をもって対するのがいいということなのでしょう。

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