粗餐

感情が揺さぶられるのは
受ける器があるから
いくら泣き叫んでも
器がなければ想いは
ただ通り過ぎていくだけ

余計な器は捨ててしまった
訴えの対象となるには
あまりにも用意が足りない
ここにあるのは
欠けた茶碗と拭き漆の汁椀
そして五寸の中鉢ぐらい

私の粗餐の前では
如何なる激昂も嫉妬も
為す術がないまま
ただ通り過ぎるだけ

受ける器を見ぬまま
彷徨い続けるだけ





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