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【スゴ技の根っこに流れるマインドを学ぼう】子どもが伸びるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育て◯✖図鑑(てぃ先生)

「なんでもっと早く読まなかったんだろう」
そんな思いを感じさせるような本、みなさんにもありませんか?
私はこの本にもっと早く出会いたかったです。

この本は子育てや教育に携わる人ならだれもが出会うシチュエーションに対して、「こうすればよかったのか!」とひざを打つような鮮やかな解決策が示してあります。

こうしたHOW TO系の本は表面的に手法だけを学ぶのではなく、その手法を取る根拠や応用のヒント、根っこに流れるマインドを学ぶ必要があります。
そこまで深く読むには読み手の力量が問われることになりやすいのですが、最初から各シチュエーションに懇切丁寧に解説をしてくれているのがこの本なのです。
てぃ先生、さすがです。

解説では、脳科学や心理学などの科学的根拠や具体的なアクションについて示しています。
てぃ先生のような百戦錬磨の保育士さんにしかできない専売特許のような技術ではなく、私たちにもエッセンス程度ならば十分に再現が可能な手法が数多く掲載されています。


イラスト付きの「もったいない対応」と「せっかくなら対応」に目がいきがちだけど・・・?

「いい加減にしないともう置いてっちゃうからね!」と、遊んでいる子に声をかけてしまう例。
本当に置いていくわけではないけれど「置いてっちゃう」と声をかけるような行為は、心理学では「ダブルバインド(二重拘束)」という状態です。
「もう知らない。勝手にしなさい」なんかも、勝手にしたら勝手にしたで怒られる矛盾をはらむので、ダブルバインドです。

大人側は「こういえば言うことを聞くだろう」という意図で使っていることが多いです。
しかし、ダブルバインドはその軽々しさとは裏腹に、数えきれないほどの悪影響が出る可能性があります。

  • 矛盾したメッセージのどれを信じたらいいのかわからず、子どもが混乱状態になる

  • 条件付きの愛情を求め、親の顔色を伺ったり、自分の気持ちを表現できなくなる

  • 自己肯定感や思考力が下がる

  • 人を信用しなくなる

これらの要素が複合的に絡み合っていけば、親子関係には修復不可能な傷が残ってしまうでしょう。


公園から帰る時間が迫るというシチュエーションに対しては、

  1. 子どもに選択肢を示し、一方的な命令を回避する

  2. 子どもにあらかじめ先の見通しを伝える

  3. 子どもの納得感を得られるよう、ポジティブな言葉に言い換える

の3つの解決策が示されています。確かに、見通しをもつのがそもそも苦手な子どもにいきなり「帰るよ」と伝えたら、そりゃ「嫌だ、遊びたい」となりますよね。ちょっとした言い換えで伝わり方、受け取り方はだいぶ変わってきます。

この例のように、シチュエーションに対する対応例がイラスト付きで示されていて読みやすいので、ついついそちらばかり読んでしまいがちです。

ところが、実は次のページの見開きの解説が非常に分かりやすく、子ども側の思いや具体的な対応が示されています。
非常に学べるので、ぜひそこも読んでみてほしいです。


子どもの将来を気にしがちな私たち。でもこの瞬間の対応で将来が決まるなんてありえない

てぃ先生がは「子育てに絶対的な正解はないが、

  • 「子どもがもっと喜ぶ子育て」

  • 「家族みんなが幸せになる子育て」

はある」と示しています。

私たちは子育てという大変な責任のあることに取り組んでいます。
しかし、責任は確かにありますが、そのすべてを親が背負い込み、どこまでも自己犠牲を払わずとも、十分にいい子育てはできるのではとてぃ先生は言います。

まわりを見ていると、例えば子どもができて趣味を捨てたとか、好きなことを我慢したという人がいます。そのときは「子どものために」と思っても、子どもが少し大きくなってイヤイヤ期がきたり、思い通りにいかないことが増えたりすると、ふと自分の幸せを考えたときに、その気持ちが「子どものせいで」に変わってしまうことが、けっこうな割合であるように思います。「子どものため」って考えるのはいいことだし、自己犠牲を払うのも悪いことではないんですが、子どもの人生が一回きりであるのと同じように、ママパパの人生も一回きりです。

子どもが伸びるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育て◯✖図鑑(てぃ先生)
おわりに より

子育ての対応の中で神経をすり減らしたり、自己嫌悪におちいったりすることは少なからずあります。
その心がざわつく対応を、少しユーモラスに変えたり、長い目で見て少しゆるやかな対応に変えたりする。
そんなことの積み重ねが、子どもも親も幸せになる子育てにつながっていくのではないかと感じました。

一回の失敗が将来を決めるなんてことはありません。むしろ、失敗も含めいろいろなことを経験してそこから気付きを広げていけるような、そんな回り道だらけの子育ての方が、子どもはたくましく自立に向けて歩んでいくような気さえします。

どうしても大人の都合は気になるところですが、それとの向き合い方を少しマイルドにして、子どもとの時間を楽しんでいきませんか。


床にこぼれた水、「パパがやった!」と娘

今日の夕飯の前に、床に盛大に水がこぼれているのを見つけました。
「水がこぼれてるけど、娘ちゃん、何か知ってる?」と妻。
娘「パパがやった!」

えー。パパこぼしてないし。娘嘘ついてるし、ここでどうする?

「えー、そうだったかなあ?とりあえず拭かなきゃ。こぼしたら拭けばいいんだもんね」
とおどけつつ、タオルを出して水を拭いていると、
「○○ちゃん、こぼしちゃった」と娘。

状況から言って、娘を追及することは当然できました。
でも、そこで意地を張ったりムキになったりしなかったことで、娘は自ら正直に名乗り出ることができました。

この本でも似たような場面があります。解説にある「安心感」「チャレンジ精神」「意欲」は確かに大事です。
しかし、今回の我が家の些細な一コマは、他にもいろいろあったと思うのです。

<娘サイド>
防衛本能を超えて自ら非を認められる「勇気」
ばつの悪さを感じるような「心の成長」
失敗したらリカバーすればいいという「挽回の仕方の気付き」
・・・

<親サイド>
頭ごなしに叱らない「アンガーマネジメント」(※怒るほどのことでもないのはその通り)
ユーモラスな切り返しの大切さの実感
妻との阿吽の呼吸の連携
・・・

子育てはいろいろあります。
うまくハマることもあれば、どんなに育児書を呼んだって対応しきれないこともあります。
寝不足やストレスで虫の居所が悪かったり、仕事に追われて時間を十分に取ってあげられなかったり・・・
そんな時こそ、てぃ先生の「家族みんなが幸せになる子育て」のマインドを思い出したいと思いました。

今夜は娘は寝る前に妻と私を抱きしめに来てくれました。
うれしかったです。(語彙が小学生)



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