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山と神性

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合同会社アラハラスヤッホという林業の小さな会社を経営しながら、神性や無縁性を山をフックにして日々模索しています。その中で考えていることをまとめています。
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#コラム

アジールと国家を読みながら

アジールと国家を読みながら

アジール三昧な日々でございます。
湘南のt-siteで網野善彦氏の本と一緒に買った伊藤正敏氏のアジールと国家。
どうやら2020年に発行されたばかりの本らしい。
アジールなんて1、2ヶ月前に知ったばかりの言葉だけど、今の時代と強く相似性のある刺激的な概念、歴史事象だと思う。コロナとペストくらいどんぴしゃりな感じ。
令和の時代にアジールの本なんて書いてくれるだけでありがたい、心から感謝だ。

まだア

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バギー考

バギー考

公道から山道へスムーズに移動できて、ある程度の重さの木材などを、山から引っ張ってくる移動手段__

文字にするとたったの50字弱で済んでしまうもの。だけど現実に現すのはとても難しい。
山にはいろんな面白いものが落ちている。木、石、草、花、枯れ木、苔。素材の宝庫だ。だけど人間の力は限られていて、丸太の一本運び出そうとすることすらとても大変な作業だ。
今の林業のトレンドは、道を作って木材を搬出する方法

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すべてのひとに石がひつよう 展へ

すべてのひとに石がひつよう 展へ

今日は2人でヴァンジ彫刻庭園美術館へ。
「すべての ひとに 石が ひつよう」が3/29まで開催されており、開催前から週に一回はこの展示のことが頭をよぎっていた。

僕は普段から山仕事のために山に入っているんだけど、夕日を毎日美しいと思っているように、山にいる存在たちの、特にテクスチャに、気を抜くと仕事をしていることを忘れるくらい心を動かされる美しさを感じる。
巨大な岩が傾斜地で静止している姿は抗え

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無縁、公界、楽を読む

無縁、公界、楽を読む

今回は網野善彦さんの「無縁、公界、楽」を読みつつ考えたことを徒然。

駆け込み寺に櫛を投げ入れれば追手から逃れられる。
子供の遊びのような話だけれど、女性から離婚ができない時代においての数少ない女性がとれる行動の一つだった。
女性にとって不遇の時代だったんだなということも思いつつ、駆け込み寺の治外法権っぷりにおののく。制度を超える存在として無縁があった。

本を読んだ後、無縁について眺めている。

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