taishi yoshida

合同会社アラハラスヤッホ代表 好きで文章を書いています。 HP : https://…

taishi yoshida

合同会社アラハラスヤッホ代表 好きで文章を書いています。 HP : https://alaharasu-yafo.com SHOP : https://shop.alaharasu-yafo.com

マガジン

  • alaharasuyafo

    アラハラスヤッホ関連の記事です。

  • 日々雑雑

  • 妄想商店

  • 山と神性

    合同会社アラハラスヤッホという林業の小さな会社を経営しながら、神性や無縁性を山をフックにして日々模索しています。その中で考えていることをまとめています。

  • 読書

    読書をしながら考えたことや、心が動いた文章を引用して、それについてつらつら思いつくままにかいてみます。 本を紹介するわけではないのであしからず。

最近の記事

安心した暮らしの移動可能性、そしてサウナ

 僕たちは大体家という動かない箱の中に住んでいる。箱にはガスや、水、お湯や電気がつながっていて、暮らしに困ることがない。僕らはそんな暮らしの基礎になる箱を持っているから、安心して仕事をしたり遊んだりすることができる。  逆に言えば災害の時のように、多くの人は箱と、箱に繋がっているガスや電気、水道などの管がなければ、仕事したり遊んだりするための安心は失われてしまう。そして、そこから復旧するまで生き延びる方法が防災でありサバイバルだ。防災やサバイバルは生き延びる方法であって、暮ら

    • 人についての短文

      人は座標のようなものだと思う。 物理的にも、同じ座標に居続ける他人は存在しない。 その座標から見た認識は、すべて独自のものを含んでいる。 時間的に見れば、座標はなにかを指し示しているように見える。 私たちはなんとなくそのなにか、もしくは座標にむかって進んでいるように見えて、舟から深い海の底に下ろされている錨を中心にして、伸ばされたロープによって円運動をしている。 平衡によって錨が外れたら、次の錨を中心に円運動を始める。 私たちは座標からの視界を持っていて、座標の位置を上空

      • 雑記 形にすること、しないこと。外在化と内在化について 

        忘れるということは、平和にとって重要な意味合いがあるのではないだろうか。 というようなことを、シラスの動画の中で東浩紀さんが言っていた。僕も、ロシアウクライナ戦争が起こってから戦争や平和について考えて、似たようなことを考えていたので、車を運転しながらいつもより集中して聞いていた。  東さんが喋っている動画を見ていると、大気圏を突き抜けて地球の重力に縛られないくらい、遠くに離れて思考しているような感覚になってくる。そういった時は、いつもよりも記憶の片隅にあるような情報が引き出

        • アラハラスヤッホは人が山に入る理由をつくる会社です。

           アラハラスヤッホは、人が山に入る理由を作る会社です。現在は主に森林整備を行なっています。2022年10月より、所有や管理している山を利用して、会員制の自然享受権の提供を始めます。   今、日本の山は、人の視点から見ればネガティブに捉えられる部分はたくさんあります。日本では山の近くであるほど、自然とのせめぎ合いの中に暮らしがあります。手を離すとどんどん森化する日本では、過疎化する集落が徐々に自然に飲まれていくような風景をみることができます。  今まで「里山」として利用され

        安心した暮らしの移動可能性、そしてサウナ

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        記事

          妄想商店:パラレルフトン巻きのジロー

          町に肉屋がある。八百屋があって、本屋もある。 なんとか屋さんというものが町にはいくつもあって、その一つ一つが景色や暮らしをつくっている。 車で走っていたらふと、「フトン巻きのジロー」という看板を見つけた。 ロゴは渦巻きのようなシンプルなものだけど、名前もあいまって道路にある看板の中ではセンスを感じる。 いや、布団巻きってなんだろう。布団をまくこと自体はイメージできる。布団をイメージして、それをまくだけ。多分子供だってそれはイメージできると思う。だけど、それが何を意味してい

          妄想商店:パラレルフトン巻きのジロー

          カフェの音風景 ① 島子屋 2022年8月 瀬戸内国際芸術祭にて

          *ヘッドホンで聴くと臨場感を感じることができるのでおすすめです。 初めての録音は香川県の直島にある「島子屋」 2022年の瀬戸内芸術祭に遊びに行った最終日に、直島から広島にいる友達に会いに行く前にちょっと食べていこう、気になっていた島子屋が宿泊している場所からも港からも近いので行ってみようということになった。  瀬戸内の島々の建物や路地は、江戸時代からあるようなものが多く、そして美しく残っている。会う人会う人、特に高齢の方々は本当に優しい。観光サービス的ではない優しさで、

          カフェの音風景 ① 島子屋 2022年8月 瀬戸内国際芸術祭にて

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          焚き火会VOL3 『山仕事とテントサウナ』

          焚き火会VOL3 『山仕事とテントサウナ』を7/19に開催します。 https://peatix.com/event/3285214 alaharasuyafoは、会社で所有、もしくは借りている山を使い、会員制の自然享受権を提供する準備として、月に一回ほど「焚き火会」を開催しています。 自然享受権とは、北欧の慣習法で、“土地の所有者に損害を与えない限りにおいて、すべての人に対して他人の土地への立ち入りや自然環境の享受を認める権利。”(Wikipedia より) 今回はお借りしている湯ヶ島の山で、軽く山で森林整備をやってひと汗かいた後、サウナでととのう、という素晴らしい時間に招待します。 山やサウナ好きはもちろん、会員制の自然享受権を一緒に作ってくれる方、興味ある方が来てくれたら嬉しいです。 サウナのみの参加も可能です。お待ちしています。

          焚き火会VOL3 『山仕事とテントサウナ』

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          猫町体験

           萩原朔太郎の猫町について考えていた。それは今日の午後からのスクーリングの題材で、その準備として作品を自分に引き寄せてみたり、自分なりの着眼点で作品を捉えておきたいと思ったからだ。  ぼーっと、最近買った2.5人掛けのソファにもたれかかったりしながらそういえば、僕もこの主人公と同じような経験を、好んでやっていたことを思い出した。  普通の高校に行くことなんて意味ないじゃん、ということで定時制の制服もない高校に、片道2時間くらいかけて通っていた。今思えば、自由な高校に行ったと

          5/21 焚き火会 vol 2 質量性のある煙と焚き火の自由化

          多くの人がカフェに行くように山や色んなところで焚き火をはじめたらどうなるだろう。 一つの場所が誰かに占有されることなく、多様なあり方を許容する方法はないだろうか。 そんなことを、質量性の高い焚き火にまかれながら話すような場になる予定です。 一緒に考えてみたい方、興味本位の方、焚き火にあたりたい方、質量のある煙ってなんやねんという方など、是非来てくれたら嬉しいです。 日時 5/21 7:00- 場所 伊豆市修善寺 奥の院集合 必要なもの 山に入る服装(道からすぐなので軽い

          5/21 焚き火会 vol 2 質量性のある煙と焚き火の自由化

          焚き火を咀嚼する

          目で、焚き火の火がちぎれる瞬間を咀嚼する 耳で、川の水が無数の石にぶつかってかなでる音を咀嚼する 鼻で、水や樹脂、炭素などを含んだヒノキの煙を咀嚼する 手で、座っている石をおおう苔を柔らかく咀嚼する

          焚き火を咀嚼する

          パンを焼く

          パンを焼く。朝の儀式の一つとして。 アウトドア用の、折りたためる足のついた網をコンロに置いて、少し高い位置で直火でパンを焼く。いつもは大体着替えたり準備したりなんたりかんたり、同時進行の朝なので若干焼き過ぎてしまう。でも今日は休みなので、水を飲みながら焼けるのを待つでもなく待つ。 ひっくり返した時に美しい焼き目がついていると喜びを感じている自分に気づく。 京都芸大通信の入学資料がテーブルに広がっているのでそれを適当に避けて、パンのもう一面が焼けるまで豆乳を飲みながら外を眺め

          パンを焼く

          新しい帽子

          帽子をひとつ買った。 ネットでの買い物は「自分が何を求めているんだろう」というダウジングのような感覚が頼りだ。自分の意図が明確であればあるほど、獣を追う猟師のようにわずかな痕跡から獲物に辿り着く。フィーリングの合うものにたどり着く。 仕事でヘルメットをかぶるので、その下に被れるような薄手で、つばの小さめのもの。 ツバ付き帽子は中学生で野球をやって以来、あんまり似合わないなという気持ちがあって被っていない。だから野球帽とは違う形がいい。色は少し明るめ。素材は化繊でもok。

          新しい帽子

          新しい食器

          一人暮らしを、したことがなかったんだな。 夕飯のポトフを食べながらそのことに気がついてハッとした。 18歳で実家を出てから15年。その間に10回ほど引っ越したり結婚したり子供ができたり離婚したり、色々あったけれど、その間ずっと愛犬のロクがいた。昨年の初めに息を引き取ったロク。黒い鼻と、小さい頃は黒かったけどだんだん白毛になっていった顔、白い首元に柴の茶。耳はカクンと折れ曲がって、後ろから歩き姿を見ると楽しそうに踊っていた。洋種と柴が混ざっていて、スマートな柴、顔はなんとなく

          新しい食器

          広大な自分のための短文

          砂浜で落ちているものを手に取っては眺める。 珊瑚の幾何学的な形の連なり、貝のミクロまで続く相似形。 目は、手に取った小さなものに共鳴して、身体を振動させる。 耳に入る波の音は遠くなり、手の中の愛しき小さなものに意識が凝縮する。 珊瑚、淡く白く光る石、螺旋の貝、錆びた鉄の破片、流木、骨。 しゃがみこんだまま、手に取っては眺め、手に取っては眺めを繰り返す。 ふと目を上げて立ち上がる。 時間は波と共に消え、海に乱反射した光が空間を広げている。 ミクロのにじり口をくぐって壺中天

          広大な自分のための短文

          アジールと国家を読みながら

          アジール三昧な日々でございます。 湘南のt-siteで網野善彦氏の本と一緒に買った伊藤正敏氏のアジールと国家。 どうやら2020年に発行されたばかりの本らしい。 アジールなんて1、2ヶ月前に知ったばかりの言葉だけど、今の時代と強く相似性のある刺激的な概念、歴史事象だと思う。コロナとペストくらいどんぴしゃりな感じ。 令和の時代にアジールの本なんて書いてくれるだけでありがたい、心から感謝だ。 まだアジールを説明できるほど掴めていない。 自己理解を深めるためにざっと思いつくままに

          アジールと国家を読みながら

          バギー考

          公道から山道へスムーズに移動できて、ある程度の重さの木材などを、山から引っ張ってくる移動手段__ 文字にするとたったの50字弱で済んでしまうもの。だけど現実に現すのはとても難しい。 山にはいろんな面白いものが落ちている。木、石、草、花、枯れ木、苔。素材の宝庫だ。だけど人間の力は限られていて、丸太の一本運び出そうとすることすらとても大変な作業だ。 今の林業のトレンドは、道を作って木材を搬出する方法。 道幅などによって1-5tの木材を運搬するキャタピラ式の重機が、山の中を行った