記事一覧
人食いバクテリアと夢十夜 半覚醒時の夢?
約2ヶ月半、意識が欠落している間、私は「言葉と肉体」という束縛から解き放たれ、夢の世界を自由に彷徨った。体は鉛のように重く、瞼は開かず、声にならない声をあげる。看護師の呼びかけは遠くかすかに聞こえるだけで、その意味を理解することはできない。私の言葉は誰にも伝わらない。すぐにまた眠りの淵へと引き戻されていく。私は常に夢と現実の曖昧な境界線上を彷徨っていた。全身の痛みと幻聴に苛まれながら、これからの死
もっとみる人食いバクテリアと夢十夜 ノーベル賞を取ることになった夢
意識の無い約2ヶ月半の間にこんな夢を見た。
夕暮れ時の拝殿へと続く石畳の道は、まるで此岸から彼岸へ繋がる架け橋の様な静謐な佇まいであった。石畳の両脇には、細かな砂利が敷き詰められ、その先には聳え立つ杉の木々が天に向かって無数に伸びている。夕靄に包まれた境内には、木々の間からオレンジ色の夕日の光がフレア気味に差し込んでいた。私は砂利の上を男と歩いている。静寂を引き立てるように、ザクッザクッっと踏音
人食いバクテリアと夢十夜 クラフトコーラの夢
意識の無い約2ヶ月半の間にこんな夢を見た。
その店は幅5m程度の小さな川沿いの静かな小路にあった。入口には「クラフトコーラ」の立て看板のある小さな店。重い引き戸を開け10畳ほどの店内に入ると、瓶詰め生姜や謎スパイスの瓶が左右の壁一面の棚に並んでいた。正面には小さなカウンターがありその上にはiPad。そして、カウンターの向こうには、女店員がひとり立っていた。胸元に赤いハートの刺繍のある白いTシャツ
手術と集中治療室(ICU) 3
1月下旬、日々のリハビリがスタートした。鉛筆を持つこと、文字を書く練習から始まり、徐々にベッドの背もたれを使って腰を起こし、体を支えて座る訓練へと進んだ。土日はリハビリ先生がお休みなので、書き取りドリルの宿題。座る練習は、その時点ではまだ体を支えられないので、一人では止めるよう言われていた。
1週間ほど経つと、次はベッドの縁に座る訓練。寝た状態からベッドの脇まで移動し、ベッドから足をおろして体を起
突然の発症と意識を失うまで
2023年11月のある日曜日、人手不足に悩む知人の飲食店経営者に友人を紹介するため、自由が丘で3人で夕方から会食。初対面2人の感触もよく、もう一軒行こうと誘われたが、私の体調が優れなかったため、23時ごろの一次会で謝りつつ帰宅することに。多少無理をすればいけそうだな、とは思ったがこれでうつしたりしても申し訳ないと断ったことを記憶。症状としては、酒の吸い込みも悪く、体が重く、まるで風邪をひいたときの
もっとみる