見出し画像

うつ病で休職する同僚のことを「ずるい」と思ってしまう…そんなときは?

うつ病で、同僚が休職してしまった…。
そんなとき、今まで一緒に働いてきた周りの職員や、その方のぶんの仕事を負担する同僚も、いろいろな思いを抱えるはずです。

そんなときの対処法や切り替え方を教えます!

■うつ病とは?

一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいなどの身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合、うつ病の可能性があります。
うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスなどを背景に、脳がうまく働かなくなっている状態です。また、うつ病になると、ものの見方や考え方が否定的になります。

日本では、100人に約6人が生涯のうちにうつ病を経験しているという調査結果があります。また、女性の方が男性よりも1.6倍くらい多いことが知られています。

■対処法① うつ病を理解する

うつ病を理解することで休職者に対しての考えや感情が変化します。うつ病は誰でもなる可能性があります。

うつ病は、しっかりと休養をとることが大切です。
うつ病の治療を考える前に、まず、心身の休養がしっかりとれるように環境を整えることが大事です。職場や学校から離れ自宅で過ごす、場合によっては、入院環境へ身を委ねることにより、大きく症状が軽減することもあります。精神的ストレスや身体的ストレスから離れた環境で過ごすことは、その後の再発予防にも重要です。

うつ病の治療には、医薬品による治療(薬物療法)と、専門家との対話を通して進める治療(精神療法)があります。また、散歩などの軽い有酸素運動(運動療法)がうつ症状を軽減させることが知られています。

引用:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス (厚生労働省のページに遷移します)

■対処法② 「セルフモニタリング」をしてみる

「セルフモニタリング」とは?

自動思考(その時々に頭に浮かぶ考えやイメージ)に気づきを向けるトレーニングです。

「ずるい」と思った瞬間にリアルタイムで気づくことを指します。
「自分はこの人をずるいと思っているんだな」と、もう一人の自分が自分を眺める感覚です。眺めていると自分の思考や気分・感情に巻き込まれずに距離をとれるようになっていきます。客観的に眺められるようになると、手放せるようになってきます。

自分の思考や気分・感情に評価・判断・分析せずにそのまま受け止めることをマインドフルネスと言います。ストレスに対処するうえでも、ずるいと思っていることに気づかなければ対処できません。まず、このトレーニングをしてみてください。このセルフモニタリングだけでもかなり効果があります。

「ずるい」と思った瞬間を客観的に見つめてみよう

ずるいと思った瞬間のことを紙に具体的に書き出し整理しましょう。

いつ:○○年○月○日○○時○○分
どこで:スタッフルームで
誰に:上司の○○さんからの共有
ずるいと思ったきっかけ:○○の理由で

次にその時の自分の体験を書き出します。
認知:休んでずるい
感情:イライラ、モヤモヤ
行動:舌打ち
身体反応:少し重い感じ

※ネガティブな態度や行動は、自分も相手も傷つきますので建設的な行動をしていきましょう。同じような状況になった時は、ゆっくり深呼吸してみましょう。

このように書き出して整理しておくことでデーターベースができてきます。同じような状況になった時に対処しやすくなります。

自分の「ずるい」という気持ちと向き合ってみる

紙に書いたことを見返し、その場面をありありとリアルに思い出して、どうしてずるいと思ってしまったのか内省してみましょう。心に問いかけてみましょう。ずるいと思った背景を考えてみてください。

たとえば、
・私だって本当は休みたいよ・・・。羨ましいなぁ。
・いまも人員不足なのに、もっと大変になる・・・。
・もう限界なのに、もっと私が頑張るしかないのか・・・。

自分の体験を充分に体験すると気持ちが落ち着いてきます。落ち着いて少し冷静になったらずるいと思われた相手はどんな気持ちなのか、反対に自分がずるいと思われたらどんな気持ちなのかイメージしてみてください。

マインドフルネス呼吸法も試してみて

姿勢はあたまのてっぺんが天井に引っ張られるイメージをしましょう。呼吸に意識をむけゆっくり吸って、ゆっくり吐いて呼吸を整えます。
自分の中にたまっていたネガティブ、悪いものを全部外に出すような気持ちで吐いてください。全部だしきったら、きれいな空気を思う存分吸ってください。そのエネルギーが体全体に広がる感覚を十分に味わいましょう。

これを数回繰り返して、心身がリラックスしたら自分の頭のてっぺんから足の爪先まで、サッとスキャンするような感じでいまの自分の体の感覚にあるがままに気づいてみましょう。今の自分のちょっとした感覚、変化に気づくことができます。ゆっくり深呼吸して心が穏やかな状態、マインドフルな状態になりましょう。

■対処法③ プローブ(いたわりの言葉かけ)をやってみる

マインドフルネス呼吸法をした後に、自分にいたわりの言葉かけをしてみましょう。
いたわりの言葉を聴きながら、自分の心やからだの感じにどんな変化が生まれてくるか感じてください。

・「○○さんは、本当に頑張りましたね。本当によく頑張ってきましたね」
・「自分にやさしくてもいいんですよ。あなたは、もっともっと自分にやさしくしてあげていいんです。」
・「○○さんのせいじゃないよ。あなたは悪くないよ。」
・「○○さんは、怒っても、いいんですよ。もっと怒ってもいい。」

どの言葉かけが、心や体の感じが反応しましたか。その感じをしっかり味わってみてください。
これ以外でも、自分が言われて嬉しい言葉がありましたら、自分に言葉かけをしてみてください。

■対処法④ クリアリング・ア・スペース(心の整理術)を試してみる

ずるいなと思うと、モヤモヤしたり、イライラしてしまいます。
ずるいと思った時は、ずるいを認めて、眺める。ずるいの「置き場所」をつくってください。そのうち距離がとれて気にならなくなります。

クリアリング・ア・スペースはフォーカシングの中の1つの方法です。部屋の掃除をするように心の部屋もお掃除をするイメージです。心の部屋を掃除して整理整頓できると、スッキリして気にならなくなり、楽になります。

ネガティブな感情、モヤモヤなどの気持ちを「認めて、眺めます」。認めて眺めていると、自分と「ずるい」との間におのずと「間」がとれてきます。自分の内側に意識を向けながら、「どこに置いておけばいいのかなぁ」とやさしく問いかけてみましょう。

机の引き出し、ビンの中、金庫の中、公園のベンチ、山の上、海がキレイな砂浜など、自分が落ちつく場所に置いておきましょう。うまく置けないようなら、場所を変えてみましょう。
※置くことがしっくりこない時は、ずるいがどこにいきたかっているか問いかけてみてください。

これらの対処法を試してみて、効果があったものをできる範囲で実践してみてください。スキルがアップすれば効果も高まります。

👨島田 友和
ワ☆ノベーション代表
青山学院大学卒 グロービス経営大学院経営研究科経営専攻修了(MBA)
MBA(経営学修士)、公認心理師、社会保険労務士有資格者、社会福祉士。
総合心理教育研究所学術客員研究員。

#1on1 #心理的安全性 #アサーション #コーチング #カウンセリング #やむなし #アンガーマネジメント #コミュニケーション #人間関係 #悩み #ストレス #メンタルヘルス #カイゴトーク #ささえるラボ #マイナビ  

#介護職 #介護 #1on1 #アサーション #ストレスマネジメント #ストレス #心理的安全性 #人間関係
#島田友和 #ワノベーション #管理職 #施設 #責任者 #管理者

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?