シナプスイッチ 人材開発・組織開発 ラーニングトルク公式ブログ

ラーニングトルク社でコンテンツ開発をしている私は、学術的な知見や効果的な講座のノウハウ…

シナプスイッチ 人材開発・組織開発 ラーニングトルク公式ブログ

ラーニングトルク社でコンテンツ開発をしている私は、学術的な知見や効果的な講座のノウハウを活かして、研修を企画・実施してきました。その経験から、研修担当者が知っておくべき知見をまとめています。 https://learningtorque.com/

最近の記事

#35. 思考を保留させる事の価値

現代社会では、常に迅速な判断と即座の行動が求められる場面が多い。 しかし、二者択一が出来ないグレーな状況に直面した時、その判断を急がずに「保留する」ことには一定の価値があります。 このブログでは、研修担当者がこの概念を理解し、それを他の人に伝える方法について探求します。 例えば中間管理職は、経営判断が現場の意向とズレた時に、大局的な判断と近視眼的な判断のズレを公明正大に表現できないという状況に立ち会う事が多いと思います。 如何に中間管理職が経営層の意図を上手に分かりやすく

    • #34. 妻からの1,000本ノック

      世の既婚の壮年男性の皆様へ 皆様も自己改善と成長のために日々努力している事と思います。然し乍ら、年齢を重ねて行くと貴方の人格的な問題を指摘してくれる人が減ってきている事に気付きませんか? 特に、比較的、尊老社会(高齢者を尊重し、彼らの知恵や経験を価値あるものとして認める社会)である日本では、裸の王様が増えやすい社会環境にあります。 若手芸人が先輩芸人(わざとおかしな振る舞いをする)に忌憚なく指摘が出来るかを隠しカメラで様子見し、指摘しなかったら、その先輩芸人は「裸の王様」認定

      • #33. ファミリービリーフを変えるのは誰の責任?

        「ファミリービリーフ(家族の信念)」とは、家族の中で共有され、世代を超えて伝承される信念や価値観のことです。 これには、文化的、宗教的、社会的な規範や期待、伝統なども含まれ、たとえば、特定の職業や結婚に対する家族の態度、金銭に関する考え方、教育の重要性などがこれにあたりますが、多くの場合、明確には言語化されておらず、その家族にとっては、なんとなく当たり前の雰囲気として浸透しています。 軽いものだと、トイレを開けて用を足す習慣、伝える言葉遣いの乱暴さや上下関係の厳しさ、出先での

        • #32. 潜在意識を覗くと何が見える?

          人格の向上、在り方の拡大のためには、葛藤を統合して昇華させるプロセスを、ワークとして経験し、自らのあらゆる光と影に向き合う事が必要と何度か書きました。 その度に、適切な所で学ぶ必要があると申し上げて来ました。 それは、体験した事の無い人に、言葉で説明しようとすると、似たような体験と結びつけて、「ああ、あのことね」と安直な左脳的理解で終わってしまうのを恐れての事です。 他人の無意識領域を扱うワークを言葉で表現するのは、誤解を与える可能性が大変高く、どんなに右脳的なワークが自分に

          #31. 勘違いしてはいけない「そのままの貴方で良い」の意味

          今日は、世で、都合良く解釈されがちな「そのままの貴方で良い」という言葉について考えてみたいと思います。 この言葉を言われたらとても心地良いし、対話において信頼関係を構築する素敵な言葉だなと私も思います。 しかし、それを「成長する必要も無い」「努力する必要も無い」「他人に嫌な思いをさせてしまう自分もそのままで良い」と受け取られたら困りますよね。 実際、そう受け取られてしまい困った経験をした人材育成に携わる方も多いのではないでしょうか?少しばかり乱用されがちなこの言葉について再考

          #31. 勘違いしてはいけない「そのままの貴方で良い」の意味

          #30.「嫌いな人」こそ、私達の良き修業の場

          私達の人生には、時として「嫌いな人」との出会いがあります。これらの人々は、私達の日々を難しくしたり、不快な感情を引き起こしたりすることがあります。しかし、今日は、嫌いな人々が私達にとって、自己成長のための貴重な機会を提供しているということを説明したいと思います。 まず、人を嫌う理由は、しばしば私たち自身の価値判断に揺らぎが生じるためです。私たちの価値観は、過去の経験や教育、文化的背景によって形成されます。これらの価値観は、他者との相互作用を通じて反映され、時には自分自身に挑

          #29. 相手の肯定的意図を探る事の絶大な効果

          私たちの日常生活や職場でのやり取りにおいて、他人の肯定的な意図を理解しようとする態度は、予想以上に大きな影響を及ぼします。 今日は、一人一人のこの姿勢が、従業員の幸福感を高め、チームの結束を強化し、組織全体の成功に大きく貢献すると言う話をさせて下さい。 「あの人はいつも上から目線」「彼は嫌味ばかり言う」「あの部下は言い訳ばかりする」などなど、会社や組織でよく目に耳にしませんか?そして私達もやはりそう思ったことがある。 これが普通の人間だと思います。 しかしながら、私達、人材

          #28. 抜歯に麻酔は要りません- サブモダリティチェンジのテクニック

          今日は、痛みの管理や不快な感情の克服に革命をもたらすサブモダリティチェンジというテクニックについてお話しします。この驚くべき方法は、私たちの感覚体験を根底から変えることができ、日常生活において非常に有用です。 今回は少し長くなってしまいますが、とても役立つので是非じっくり読んでみてくださいませ。 分かりやすく言うと、「脳はイメージ次第で身体感覚に影響を与える事ができる」、もっと強烈に表現すると「脳を騙すこと」とも言えるかも知れません。 例えば、プラセボ効果をご存知でしょうか

          #28. 抜歯に麻酔は要りません- サブモダリティチェンジのテクニック

          #27. 愛と力のバランス、どうとったら良いの?

          マーティン・ルーサー・キングJr 牧師が 「愛のない権力は無謀で虐待的であり、力のない愛は感傷的で貧弱です。最良の状態での権力は、正義の要求を実行する愛であり、最良の状態での正義は、愛に対立するすべてを正す権力です。」 “Power without love is reckless and abusive, and love without power is sentimental and anemic. Power at its best is love implemen

          #26. ケンウィルバーの4象限モデルと研修コンテンツ開発

          多くの研修会場では「個人のスキルやノウハウ」向上のみを扱う事が多く、結局現場では活かされないという事がよく起きています。「その知識、役に立った。でも私の内側では拒否している。みんなは動かないだろう。」そんな声が聞こえてきそうです。 そこで、ケン・ウィルバーの4象限モデルのご紹介です。 これは、研修コンテンツの開発者にとっても、非常に有益なフレームワークです。このモデルは、人間の経験を個人的・内的、個人的・外的、集団的・内的、集団的・外的の、4つの異なる観点から理解することを

          #26. ケンウィルバーの4象限モデルと研修コンテンツ開発

          #25. 能力の高い企業研修担当者がいつも気にしている10の事

          研修業界に長くいると、他企業で活躍するトレーナー、ファシリテーター、コンサルタント、コーチ等と「どうしたらより良い研修に出来るか」と言う会話が増えてきます。そんな会話の中から、今日は私なりに、つい忘れがちな、企業研修運営に於る重要な事トップ10をお伝えします。 1. 明確な目的の事前共有: 研修が成功するためには、目的がはっきりしていることが不可欠です。参加者は自分の学びが直接的な成果に結びつくことに期待していなければ、能動的に参加することができないからです。 「上司に言わ

          #25. 能力の高い企業研修担当者がいつも気にしている10の事

          #24. フローティングスティックと現実社会

          ドイツにあるメタログ社の日本独占インポーターであるラーニングトルク社には、フローティングスティックという商品があります。 マジックバンブーというものや、フラフープを使ったワークと使い方は同じです。 しかし、このメタログ社が開発したフローティングスティックが秀逸なのは、「すこぶる軽い」ということ。取り外しが出来るので携帯に便利だという特徴もありますが、アルミ製で細いが頑強に出来ているこの商品は、すこぶる浮きます。 ワークのネタバレになるので、詳細を説明するのは避けますが、フラ

          #23. 片側エスカレーター問題

          「エスカレーターの右側(関西では左側)は歩行したい方の為に空けておく」という暗黙の日本人的暗黙の曖昧ルールについて 皆さん、今回の話題は研修とは殆ど関係ありません。研修担当者の方、どうぞ今回は読み飛ばして下さい。ただ、どうしてもこの問題は毎日通勤をする私には毎日のように目にする光景であるため、私にとって、もはや避けては通れない話題なんです。物好きな方で共感してくれる方がいれば嬉しいですが。。 皆さんはどっち派ですか? ケース1. 歩かず左に立つ派 ケース2. 右をすり抜け

          #22. 「会社のビジョンが浸透しない」どうする?

          既にビジョンや会社理念が会社にはあり、末端まで浸透出来ているという会社は成長速度が早い。 でも、どうせ形骸化していて誰も気にしていないのなら今がチャンスです。勇気を持って破り捨てて、今いるスタッフ全員で共有できる新しいビジョンを会社全体で創り上げませんか? そこにはスタッフ一人一人が大切にしている価値観が反映され、「私が皆と共に創ったビジョンなんだ」という魂が篭り、我がゴトとして捉えられるからです。 そんな事をしたら、「意見が大きく分かれて収集がつかなくなる」と心配する方もい

          #21. 自分にできる貢献の始め方

          私は社会の幸福に貢献したいと思っています。 でも全ての人に貢献が出来るわけではない。 私が貢献出来るのは、私が向き合える範疇の人だけ。自分の許容を超えたヒトやモノ、コトに向き合うのは、今は諦めて良い。こう考えています。 ある日、駅の構内に寝ている浮浪者風の方を見て「死にそうなのか、寝ているだけか?」の判断が難しいときがありました。 私は、声を掛けないと判断した自分に対して「いつもの私だ、いつもの私だ、貢献ってなんだ」と問い、暫く解決できませんでした。 未だに声をかける勇気は

          #20.「優先順位を決める」という行為はエゴなのか?

          皆さんは、あの人と会うか別の人と会うかの優先順位、どうやって決めていますか? 「優先順位を決める」という行為自体、それはエゴと捉えられるのでしょうか?全ての判断はエゴだと判断するのに私は違和感があるため、ここで少し考えてみます。 フロイトは、人間のこころを「イド(無意識の快楽原則に従った行い)」「スーパーエゴ(環境や教育に基づく道徳心や抑制)」「エゴ(自我意識。イドとスーパーエゴの調整役)」の三領域に分けたそうですが、エゴの領域には、未来の自分ためにという視野はきっとあるも

          #20.「優先順位を決める」という行為はエゴなのか?