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#28. 抜歯に麻酔は要りません- サブモダリティチェンジのテクニック

今日は、痛みの管理や不快な感情の克服に革命をもたらすサブモダリティチェンジというテクニックについてお話しします。この驚くべき方法は、私たちの感覚体験を根底から変えることができ、日常生活において非常に有用です。
今回は少し長くなってしまいますが、とても役立つので是非じっくり読んでみてくださいませ。

分かりやすく言うと、「脳はイメージ次第で身体感覚に影響を与える事ができる」、もっと強烈に表現すると「脳を騙すこと」とも言えるかも知れません。
例えば、プラセボ効果をご存知でしょうか?実際には医薬的な効果がないにもかかわらず、患者が治療を受けていると信じることで体調が改善する現象のことです。この効果は、患者の期待や信念が身体の自然な治癒力を活性化させることにより生じると考えられています。
このように、患者が治療に対して持つ内的表象(つまり、治療について考える際に心の中で描くイメージや音、感覚など)のサブモダリティを変更することで、その治療に対する期待や信念を強化し、結果として体調改善を促すことができるということになります。
患者が薬を飲むことを想像する際に、その薬が体内で強力に作用する様子を鮮やかな色と明るい光で想像することで、その薬に対する信頼感や期待感を高めることができるかもしれません。これにより、実際には薬物効果がなくても、患者の心理的な反応が身体的な改善をもたらす可能性があります。

サブモダリティチェンジとは何か?
サブモダリティチェンジは、NLP(神経言語プログラミング)の一部であり、私たちの感覚体験を変化させる方法です。サブモダリティとは、感覚の細かい要素を指し、例えば視覚では色、明るさ、距離、聴覚では音量や音質などが含まれます。このテクニックは、これらの要素を意識的に変化させることで、感覚体験そのものを変えることができます。

サブモダリティチェンジの実践
たとえば、ある人が虫歯で強い痛みを感じたとします。サブモダリティチェンジを使うと、その痛みの体験を変化させることが可能です。まず、その痛みを視覚化し、例えば赤く鋭い光としてイメージします。次に、その光の色を変え、柔らかい青にし、その輪郭をぼやけさせます。これだけで、痛みの感じ方が変わり、軽減されることがあります。

サブモダリティチェンジの有効性
このテクニックは、単に想像力の問題ではなく、脳が感覚情報を処理する方法を変えることに基づいています。脳は感覚入力を解釈し、それに基づいて感覚体験を創出します。サブモダリティチェンジを通じて、私たちはこの解釈を変更し、したがって感覚体験そのものを変化させることができます。

応用事例
1. ストレスや不安の軽減:ストレスや不安を感じた時、その感覚を視覚化し、サブモダリティを変更することで、感じ方を和らげることができます。例えば、ストレスを重く暗い球体として想像し、その後それを軽く明るいものに変えることで、心理的な圧迫感を軽減できます。
皆さんは、聴衆の面前でプレゼンを行おうとしたときに、緊張でドキドキし、声が上ずり、うまく出来なかったという経験はお持ちでしょうか?私もそうでしたが、この頃は、「聴衆は全て私の幼馴染だ」とイメージを変える事で解決しています。幼馴染へ話をする時の私は自然と笑顔がこぼれ、愛着をもって相対している状態になれるというわけです。

2. ポジティブな気分への転換:落ち込んだ気分を感じた時、その感情を色や形で表現し、明るく軽やかなイメージに変えることで、気分を明るくすることができます。
嫌な上司の顔が浮かんでしょうがなければ、頭の中で「頭頂部にお花を挿した鼻水を垂らしたバカボン風イメージの上司」に変えてみてください。感じ方が変わってくるでしょう。
東京03のコントで、嫌な上司を「赤ちゃん」だと思うというネタがありましたが、まさにサブモダリティチェンジです。

3. 痛みの管理:小さな怪我や頭痛などの身体的な痛みを感じた時、その痛みをサブモダリティチェンジで軽減させることができます。痛みの場合には、痛みの形や色、感触を変えてみることで、痛みを感じる程度を減少させることが可能です。例えば、痛みを鋭い赤い矢としてイメージし、次にその形を丸くし、色を穏やかな青に変えてみます。この単純なビジュアライゼーションの変更が、痛みの感じ方に大きな違いをもたらすことがあります。

4. パフォーマンスの向上:スポーツや仕事のパフォーマンスを向上させるためにも、サブモダリティチェンジは有用です。成功体験を視覚的に思い描き、その際の感覚やイメージを強化することで、自信と能力を高めることができます。

5. 睡眠の質の向上:良い睡眠を取るためには、リラックスした状態を視覚化することが効果的です。安心感を感じる色や形を想像し、それを心地よい睡眠に結びつけることで、睡眠の質を改善することができます。

サブモダリティチェンジは、私たちの感覚体験を根本から変える強力なツールです。このテクニックを使えば、ストレスや痛み、不安などのネガティブな感情や体験をコントロールし、積極的な変化をもたらすことができます。日々の生活の中でこのテクニックを実践することにより、より積極的で充実した生活を送ることが可能になります。

「抜歯に麻酔は要りません」— この言葉は単なる比喩ではなく、あるヒプノセラピーの先生が本当に言っていた事で、実際に、歯医者には麻酔するのを断っていたそうです。サブモダリティチェンジを使えば、実際に痛みを軽減し、より快適な体験を得ることができることを意味しています。
因みに、私はじめ凡人には、さすがにこの領域には容易くは達しませんので、歯医者さんに「麻酔抜き」は頼まないでくださいね。

このテクニックは、私たちの感覚の解釈を変えることにより、人生の多くの側面において積極的な変化をもたらす可能性を秘めています。
私達の潜在的な意識は、実は想像を超える力を持っていて、それを使えるようになることで、私たちの日常生活において信じられないほどの変化をもたらすことができます。

まさにこの潜在意識の力を活用する具体的な方法の一つです。私たちの感覚体験は、単なる外部からの刺激の受け取り方ではなく、内部の解釈や処理の仕方に大きく依存しています。この内部プロセスを意識的にコントロールすることにより、私たちは自分の感じ方、考え方、さらには行動の仕方を根本的に変えることができるのです。

日々の生活において、私たちは様々な感情や体験に直面しますが、それらをどのように解釈し、反応するかは私たちの手の中にあります。サブモダリティチェンジは、これらの瞬間においてよりポジティブで健康的な選択をするための一つの手段です。このテクニックを使うことで、私たちは日常の挑戦に対してより強く、柔軟に、そして積極的に対応することができるようになります。

私たちの感覚体験の質は、私たちの生活の質を決定づけます。もし、苦痛を感じていて、その苦痛が生活に支障をきたすような状況があるのであれば、一度どうぞ試して見てください。
残念ながら文章では伝わりにくいと思います。どうぞ、よいNLPの先生を見つけてくださいませ。

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