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#22. 「会社のビジョンが浸透しない」どうする?

既にビジョンや会社理念が会社にはあり、末端まで浸透出来ているという会社は成長速度が早い。
でも、どうせ形骸化していて誰も気にしていないのなら今がチャンスです。勇気を持って破り捨てて、今いるスタッフ全員で共有できる新しいビジョンを会社全体で創り上げませんか?
そこにはスタッフ一人一人が大切にしている価値観が反映され、「私が皆と共に創ったビジョンなんだ」という魂が篭り、我がゴトとして捉えられるからです。
そんな事をしたら、「意見が大きく分かれて収集がつかなくなる」と心配する方もいらっしゃると思います。然し乍ら、私が実際に行ってきた研修に於いては非常に満遍なく統合された、その会社らしいビジョンが創り出されます。どうぞチャレンジしてみて下さい。

しかし、ただ単に「みんなで決めよう」では上手く行かないのはご存知の通りです。一人一人の身が入るやり方としては、オーセンティックワークス社のSOUNDカードを使ったビジョンを共創するための方法が秀逸でお勧めです。
心理的安全性を確保した上で本来の、そして出来るだけ飾り立てない素の言葉が一人一人から出てくるようにし、その言葉を紡いでいくと言う方法はファシリテーターの力量が大きく影響するものですが、同社が用意しているマニュアルに従って進めれば、かなり高いレベルで皆の意図が統合されたビジョンが共創されます。

とは言え「うちには既に立派なビジョンもミッションもストラテジーも行動指針までも作られている。改めて作るには時期尚早、浸透だけをはかりたい」と言う方も多い事でしょう。そんな会社には、こんな素敵なプランがあります。

1.社長ストーリー: どう言う思いで作られたビジョンなのかを社長からストーリー(それが大切な価値観だと体験した原体験)を自己開示と共に話してもらう。全社員が腹落ちするようなストーリーが必要です。

2. そして、社員が落ち着いて話を聞ける場を設けて下さい。その話を聞いた上で、次のステップです。

3.社員ひとりひとりがマイ・ビジョンを明確にする。貴方が人として目指したいビジョンは何かを問います。貴方が描く理想の貴方の未来を目に見えるように表現してもらいます。

4. そのマイ・ビジョンがどのように、会社のビジョンに貢献できるかを考えて貰います。そしてそれは宣言してもらいます。一通り宣言が終わったら次のステップに移ります。

5.社長の思い、会社の思いを現実にする為に必要な改善策を全員に思い浮かぶ限り書いて貰います。
ただ、これを始めると多くの場合、会社に対する業務プロセスやルールに対する、解決しない不満が噴出します。幼児性の高い社員が多い場合は特に。

6. ここに会社が向き合うべきなのかを判別するために、策を四つの象限に仕分けします。
a. 個人の内面的向上策
b. 個人の数値化できるものの向上策
c. 組織の文化風土の向上策
d. 組織の数値化できるものの向上策
私達がこのプロジェクトで主に向き合いたいのは、cである事の合意を取ります。

7. cのリーダーを決めた上で、その取り組みに賛同する人を集めてチームを作ります。この際、部門を横断するチームにすれば、組織のサイロ化にも影響を与える事ができます。具体的なアクションを優先度と重要度を考慮した上でまず初める案件を一つ選択します。
もし体力がある会社ならば、a, b, dも組織化すると更に良い結果に導けます。

8.そして、大切にする具体的な行動を「私達は私達の理念、ビジョン、行動指針をより明確に具体的に行うために⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎に本気で取り組みます」と言う一文をチーム単位で、一人一人の声を紡ぎながら、一人一人の価値観に寄り添いながら、作成しましょう。現在地と目標地のギャップに対する具体的なアクションが決まったらスタートです。

9. 具体的アクションは全員が見えるところに掲示し、朝礼や週礼で、チームリーダーが取り組みの進捗について発表する。数値化出来ないものは、十点満点で何点かを感覚的に捉え、チームの平均値をスケーリングして発表する。

10.優秀なアクションに対しては、定期的に褒賞(お食事券など)や社長からの感謝状が貰える等のアクセントも必要で、全社的にこの取り組みをリードする人も必要です。

11.目標値に届いたら終了ですが、どんなに上手にやっても概ね三年はかかると腹を括って下さい。「三年も」と考えるか「他に手が無いなら三年で成し遂げられるなら」と考えるかは社長次第です。

12.継続させる為にはリーダーにはそれなりの時間か特別職か特別給を考える必要があります。また、リーダーは外部のコーチに依頼する事も考えて下さい。業務上の駆け引きが起きない外部コーチはラポールを築き易いため、より早急に結果を出す事が出来ます。

如何でしょうか。ご参考になれば幸いですが、クリアにイメージが出来ないような場合は、ラーニングトルクがご相談に乗ります。

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