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#33. ファミリービリーフを変えるのは誰の責任?

「ファミリービリーフ(家族の信念)」とは、家族の中で共有され、世代を超えて伝承される信念や価値観のことです。
これには、文化的、宗教的、社会的な規範や期待、伝統なども含まれ、たとえば、特定の職業や結婚に対する家族の態度、金銭に関する考え方、教育の重要性などがこれにあたりますが、多くの場合、明確には言語化されておらず、その家族にとっては、なんとなく当たり前の雰囲気として浸透しています。
軽いものだと、トイレを開けて用を足す習慣、伝える言葉遣いの乱暴さや上下関係の厳しさ、出先での購買行動の気楽さなど、その家庭ならではの常識があるものです。
今日は、その中でも、家族にとってあまり喜ばしくないものを扱います。

ファミリービリーフは、家族のアイデンティティを形成し、個々の家族構成員の価値観や行動の枠組みを提供する重要な役割を果たします。しかし、時にはこれらの信念が個人の成長や自立に制約を与えることもあり、家族内の緊張や対立の原因となることもあります。更に例を挙げると、

1. 教育やキャリアの選択:家族が特定の職業を重視する場合(例えば、医者や弁護士など)、家族構成員がその期待に沿ったキャリアパスを選択する圧力を感じることがあります。これは個人の真の関心や能力とは異なる場合があり、不満やストレスの原因となることがあります。

2. 結婚と家族の価値観:特定の文化や宗教的背景を持つ家族では、結婚に関する特定の期待があることがよくあります。例えば、同じ宗教や民族、社会経済的背景を持つパートナーを選ぶことが期待される場合、これが個人の愛や幸福の選択に影響を及ぼすことがあります。

3. 性別役割の期待:伝統的な性別役割観念を持つ家族では、男性や女性に特定の行動や責任が期待されることがあります。例えば、女性に家事や育児を主に担当させ、男性には外で働くことを期待する家族観念は、性別に関わらず個人の選択や能力を制限することがあります。

4. 感情表現の制限:感情を表現することを抑制する家族の信念は、家族構成員が自分の感情を正直に表現することを難しくすることがあります。これは特にアジアの一部の文化で見られる傾向で、個人の感情的な健康や自己表現に制約を与えることがあります。

これらの事例は、ファミリービリーフが個人の成長、自立、および家族内の関係に与える複雑な影響を示しています。家族の信念は、個々の家族構成員に安定性とアイデンティティを提供する一方で、時には個人の選択や発展を制約することもあります。

しかしこのファミリービリーフ、誰かが悪意を持って導入したものではありません。
「なんとなく我が家はそんな感じ」
多くの場合、そうでしょう。
他愛も無い事なら無視して良いでしょう。
しかし時代錯誤、特に人権を侵害するような暗黙のルール、そして暴力を含む人権侵害が当たり前のルールだとしたら、そのルールを残したいでしょうか?

我ごとで恐縮ですが、私の家では父親は子供と会話をしないのが、当たり前の姿でした。子供の教育や世話は全て母親の責任。父親は稼いできて家で寝るだけ。
未だに父親と話す時は緊張します。「よく知らないお爺さん」だからです。
父に悪気がないのは理解しています。
でも身体は前向きに反応しないのです。
偉そうに皆様に在り方などを問うている私ですが、息子に対する態度は、全く私の父親が私にしていた態度と同じでした。本当に気付いていませんでした。
見えていないファミリービリーフに私もおかされていたわけです。

「Hidden Belief」(隠れた信念)は、個人が意識的に認識していないが、その思考、感情、行動に影響を与える深層の信念や前提を指します。これらはしばしば無意識のうちに形成され、個人の行動や決断、世界観に影響を与える内面的なガイドラインとなります。

例えば、子供時代の経験から「失敗は受け入れられない」という隠れた信念を持つ人は、リスクを避ける傾向があるかもしれません。また、「自分は十分に良くない」という隠れた信念は自己評価に影響を及ぼす可能性があります。
これらの隠れた信念は、あなたが自己認識を深める事を通じて明らかにされ、理解されることが多く、個人がより健全な自己理解に至る手助けとなります。

息子が話しかけてこないのは息子が悪い?
息子は内向的だから?
本当でしょうか?

今の時代に適さないファミリービリーフ、みなさんも振り返ってみてみては如何でしょうか?
気付いて我を正せば、次の時代を担う息子は、その無用なファミリービリーフを後世に伝える事はありません。

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