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#32. 潜在意識を覗くと何が見える?

人格の向上、在り方の拡大のためには、葛藤を統合して昇華させるプロセスを、ワークとして経験し、自らのあらゆる光と影に向き合う事が必要と何度か書きました。
その度に、適切な所で学ぶ必要があると申し上げて来ました。
それは、体験した事の無い人に、言葉で説明しようとすると、似たような体験と結びつけて、「ああ、あのことね」と安直な左脳的理解で終わってしまうのを恐れての事です。
他人の無意識領域を扱うワークを言葉で表現するのは、誤解を与える可能性が大変高く、どんなに右脳的なワークが自分にとって効果的であったとしても、他人には全く違う効果が表れるため、やはり言葉で皆様に伝えるのは、避けた方が良いというのが私の持論であり、多くのセラピストやコーチ、そして哲学者の共通見解だと思います。

また、「無意識領域」とか「右脳的ワーク」などという言葉を使った時点で「怪しい宗教」と言ったものと捉えられてしまう危惧もあります。
大前提として、私自身が、そう言ったものに違和感があり、論理的に思考する事からの逃げでは無いかと言った風に考える典型的な左脳型人間だったから、そう考えるのかも知れません。

ただ、そうやって逃げていると、私が「人格の向上に重要な効果をもたらす」と感じている役立つものを、必要な方に届けたいと思っているにも関わらず、興味すら持っていただけない状況を打開する事が出来ません。
ですので、誤解を恐れず、「こんな感じなんだよ」と言う事を今日は、頑張ってお伝えしようと思います。どうしても不安な方には、イメージトレーニングの亜流ぐらいにまずは考えて頂くと良いと思います。

無意識領域を扱う右脳的ワークには、色々な種類のものがありますが、今日は、自分と他人の関係性を取り扱う「ポジション・チェンジ」という非常に有名なワークのフローに従ってお伝えします。
このワークは、苦手だったり苦痛を感じる相手との関係を改善したいとき等に役立つものです。

私が今日お伝えしたいのは、導く側の具体的な方法ではなく、受けてみれば、左脳思考ガチガチの人にも意外と浮かんで来る事があり、役にたつ示唆を与えてくれるという期待感ですので、詳しいやり方は割愛します。あくまでも「こんな感じなんだ」という質感をお伝えします。

もし、興味が湧きましたら、導く方法は「NLPポジションチェンジ」でググれば幾つか出てきますので、可能なら、よい先生のもとで実際のワークを体験してみて下さい。

[準備]
まず、ワークを受ける際に注意して頂きたいのは、「委ねる」という態度と「考えない」事です。そうすることで右脳が働き出す感じを味わってください。
分析、解析、論理的思考をしていると、左脳が活発に動き、β波が出ています。
この状態は、集中力を持って処理する能力は高いのですが、「考えてもいなかったこと」例えば、偶然のアイデア、奇跡的な出会い、イノベーティブなアイデアに出逢いにくい。全く期待していなかったところから考えもしなかったアイデアや示唆は得難い状態です。
その場に身体を委ね、リラックスして、呼吸がゆっくりして、(眠りにつきそうでつかないぐらいに)穏やかな心地になってくると、α波が出てきます。この状態が右脳が動き出す感じです。
これが一番大事と言っても過言ではありません。
私はこのワークの構造を把握しよう、どんな理屈なのか、という思考を働かせて行っていたときには、思考的に分析してロジカルに導き出すことが出来る示唆は得られるものの、それ以上の事はなく「なんだ、この程度か」と残念に思ったものです。繰り返しますが、いつもの思考型の貴方は捨てて下さい。

[自分の潜在意識の声を聞く]
「聞く」と書きましたが、人それぞれです。感じる人もいますし、見える人(頭に映像が浮かぶ)もいます。
(因みに「VAK」でググれば、この優位感覚について学べます)
そこで部下(#8ご参照)の声をそのまま聞いてください。否定することなく、ありのままを受け入れてください。

[自分の中を覗く]
そしてポジションチェンジのワークに誘う方の声を遠くに聞いてください。
リードする方の話し方がどうとか、周りがうるさくて集中できないとかが頭に浮かび「私には体験出来ないかも知れない」等と思考が言い訳を始めますが、気に留めず、ただ声を遠くに聞いてください。

「洗脳されるのではないか?」
されません。
信頼できる人から紹介された名の通ったところなら大丈夫です。

目を閉じ、自分の呼吸、感情、身体感覚を感じながら暫くすると落ちついた気持ちになってきます。
私の妻(私と同じNLPマスタープラクティショナーです)はそれを「繭の中にいるよう」そして「エネルギーが循環し、少しずつ浸透し、手からピリピリとしたものが出てくる」感覚と表現していました。
実は毎回違った感覚を得るのですが「こんな感じ」なのは伝わったでしょうか?
因みにそうならなくても大丈夫。安心して次のステップに進んで下さい。

[相手の中を覗く]
相手の中を覗くステップの前には、しっかりディソシエイト(自己同一化から離れる)。先程まで自分の中にいましたので、ここではしっかり抜けておく必要ががあります。
今までの流れと全く関係のない、例えば「パンダの背中は何色?」なんて言う突拍子もない質問を自分に投げかけましょう。
その答えを見つけようとするだけで抜けれます。
そして、目の前にいる(テイの)「苦手な相手」の中に入ります。
まずは、その方がよくする仕草を真似て下さい。身体がその方がいつもするように。そして、どんな感情を発しているかを感じる。
次にどんな事を考えているかを思考する。
そして、今、言いたいことを我慢せずに露出させましょう。
いつもその方が居る場所に座って周辺の景色を眺め、座っている感覚を感じながら、出てくる言葉を十分にそのまま表現してください。

[融合する]
次に第三者のポジションに移動し、ディソシエイトします。そこからは、貴方と相手の両方が見えます。
貴方と相手が口に出した事、感じている事、動いている心を否定することなく、優しく見守って下さい。
この時、何かが見えてくるでしょう。
私の妻は「つっかえてるものが液体化する感覚」と表現しました。私は、「融合して昇華する」と表現しています。
[ワークはここまでです]

結局のところ、どんな具体的なものが見えてくるかに答えはありません。タイトルが釣りのように感じたらごめんなさい。
しかしながら、思考的に解決しようとする現代人は慣れ親しんでいないこの潜在意識に聞くと言う方法は、思考的には成し得ない視野を提供してくれ、人間関係の誤解を解いたり、より良い解決に導くスーパーツールです。

如何でしょうか。「一度試してみようかな」と思って頂けたら嬉しいです。

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