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愛を叫びだしたくなるような。



我が家はテレビが好きだ。音楽が好きだ。

Spotifyは欠かせないし、Netflixはアニメに必要。Amazon Primeはお届け物のために入っているから使えるし、NHKオンデマンドは大河と朝ドラが好きな我が家にやっぱり必要。それらをもってしても扱っている作品に好きな作品がなかったりして、dアニメに入っていた時期もあったし、漫画は非対応だからTSUTAYAにはまた最近ちょこちょこ漫画を借りに行っている。

お手本みたいなサブスク一家の我が家は、最近また新たにFODに加入した。以来、FODでしか配信されていない好きだった作品たちを毎晩見返している。


母は『のだめカンタービレ』、父は『医龍』。

これに『花より男子』が加われば、私が唯一人生に5回以上見た映像作品リストが完成する。

私が小学生の頃あたりまではテレビドラマ黄金期で、毎週連ドラをいくつも欠かさずに見ていたし、それ以降もちょこちょこいい作品はあるから、他にも好きな作品はあるけど、この3つは格別。

花男は恋愛モノだけど、あと2つは天才が出てくる才能モノ。

「何度も観たし」と思って他のことをしようとしても、吸い寄せられるようにテレビの前に集まってきてしまう。いつしか私だけでなく、家族全員がいつのまにかソファに集結して一点を見つめている。

結末を知っているだけでなく、初見でも最後には絶対うまくいく(音楽なら優勝、医療系なら患者は助かって、恋愛系なら恋が叶う)とわかるストーリー。

わかっているのに目が釘付けになって、ハラハラドキドキしてしまう。何度観ても、初めて観たときのように物語のヤマでは涙する。見終わった後には余韻ひたひたで、ドラマの挿入歌を検索して流してみたりする。


名作と呼ばれる作品ってそんなふうに、どうしようもなく人を惹きつける。

そもそものストーリーがそれ単体で読んでもおもしろいんだろうなって思えるくらいしっかりしてるし、今は有名だけど当時はまだ無名であっただろう俳優女優陣が演じて、その作品ともに有名になっていったり、本筋と、笑いと、恋愛のバランスが絶妙だったり、名作の条件といえるようなものってたくさんあるけど。


「元気ひとつで音が変わるように、小さなことが人生を変えることがある」
のだめカンタービレ 最終楽章後編

この言葉のように、あまりに良すぎて、私も「ああなりたいな」って憧れて、実際にピアニストを目指したり、医者を目指したり、ひとの夢の、小さなきっかけになる、というのは、やはり名作あるあるだと思う。

(私にはなかったけど、あまりの引力に見る度に「うっかりピアニストになりたいとか、医者になりたいとか思わなくてよかった。(向いてないから)」と思う)


今夜は のだめの最終楽章・後編を観ていた。

何度観ても笑って泣いて、ハラハラドキドキすることに変わりはないけれど、見る度に感じることの総量は増えるな、と思う。

のだめと千秋、どちらも天才だと思っていたけど、今見るとのだめは天才中の天才で、千秋は努力型の天才だな、とか。

きっと私も彼と離れたら、千秋が引っ越した時ののだめみたいになるだろうな、とか。

ここでこの曲をのだめに弾かせるの、選曲すばらしすぎるな?!とか。

千秋先輩、イケメンすぎるな?!とか。(これは毎回)

才能とか恋愛とか言葉とか、見る度に刺さるものが増えていく。




『マドレーヌちゃん』か『夢色パティシエール』が私のパリへの憧れを決定づけた作品だと思っていたけど、今思うと『のだめカンタービレ』の映画かもしれない。のだめの映画はパリが舞台だから。


この作品をはじめて知ったときは、まだ幼稚園とかで、ピアノ好きな母が原作コミックが好きだったことからドラマを見て、映画を観に行った。

同時に、母の影響で物心ついた頃から私はピアノを習っていた。幼稚園に入ってからはクラシックバレエも習いはじめて、どっぷりクラシック音楽の世界にのめり込む幼少期だった。

好きなクラシック、弾きたいクラシックは増えていく一方で、そのレベルに達しない私は練習曲を弾かなければならなかったけど、ピアノの基礎練が好きじゃなかった。私が知るクラシックのような物語性がない、おもしろくない練習曲の楽譜を見る度に、嫌だなぁと思っていた。

一緒にするのも烏滸がましいくらいレベルは違うけど、私も のだめちゃんのように絶対音感を持っている。だからお手本で弾いてもらって耳で覚えたまま弾くのがラクで、好きだった。

だけど、クラシックは楽譜に書かれている通りに弾かなければならない。どの音をどの指で弾くかも、クレッシェンドもデクレッシェンドもスタッカートも一音の長さも、楽譜が秩序、秩序は絶対。耳で聞いたものは、やっぱりテンポが揺れるし、指も間違える。そして練習もあまりしないから、ピアノの先生や母を怒らせてしまって、小5くらいで辞めることになった。

私は決してピアノを辞めたかったわけではない。
プロになりたいと思ったことはない。特別好きだったわけでもない。だけど、弾くのが嫌いなわけではなかったし、なによりやっぱり、のだめちゃんのように、好きな音楽を自由に奏でられるようにはなりたかった。


辞めたとはいえピアノがそこそこ弾ける私は、中学に入ってから合唱コンクールの伴奏を引き受けるようになった。高校では、コンクールに出たことがあるような子と一緒に、音楽の授業で連弾をした。引き受ける曲はどれも心から弾きたいと思える美しい音楽ばかりで、習っていた頃が嘘のように真面目に練習をした。楽しかった。

それがきっかけで、今も時折ピアノの蓋を開けることがある。そして、好きな曲を耳コピで、好きなように奏でて、適当なタイミングで蓋を閉じる。

もっとピアノに情熱を向けていれば、練習をあとちょっとがんばっていれば、と思うこともあるけれど、凡人の私にとってピアノとの距離感はこれがベストなのだと思う。

だけど、やっぱり、ピアノや音楽が絡む作品は媒体問わず少し特別。

『のだめカンタービレ』『ピアノの森』『四月は君の嘘』『羊と鋼の森』『蜜蜂と遠雷』…。

だからきっと、私は死ぬまでに『のだめカンタービレ』をあと10回は見るだろうし、『羊と鋼の森』や『蜜蜂と遠雷』は懲りずに読み返すだろうな、と思う。


何が書きたかったのか、よくわからないけど、
『のだめカンタービレ』『医龍』『花より男子』には

あ"〜〜〜、好きだぁぁぁ、

と叫びたいです。


あと、パリに行きたい。

昨日までフランスをテーマにした「ヨーロッパの歴史」のレポートに取り組んでいたから、余計に。








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