Satoshi Watanabe

アラフィフの会社員。埼玉在住、都内に通勤。

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最近の記事

読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その26 22 「ZERO to ONE」ピーター・ティール

ピーター・ティールは、オンライン決済サービスの会社、ペイパルの創業者。 ペイパル創業メンバーは「ペイパル・マフィア」と呼ばれ、堅い結束力を誇り、シリコンバレーで大きな影響力を持っているという。テスラやスペースXで知られるイーロン・マスクもその一人だ。 ティールはそんなペイパル・マフィアの「ボス」であり、また、自由を至上の価値とするリバタリアンであり、トランプ前大統領の支持者としても知られている。 この本は、ティールが自分の経験をスタンフォード大学の学生相手に講義した内容をまと

    • 読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その25 21 「アダプト思考」 ティム・ハーフォード

      ティム・ハーフォードはイギリスの経済学者、ジャーナリスト。 アダプト(adapt)とは、適合する、順応するという意味。英語での副題は「Why Success Always Starts with Failure」(なぜ成功はいつも失敗からはじまるのか)。 生物の進化をヒントに、「適合」という視点から、新しいビジネスを生み出すための考え方を提唱した本。 生物は、突然変異により生まれた沢山の新しいタイプの中から、環境に適合したものだけが生残り、他は淘汰される、というプロセスを積

      • 読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その24 20 「トヨタ生産方式」 大野耐一

        日本企業の中で、これまで最も成功した企業はどこか、と問われたら、多くの人はトヨタと答えるのではないか。 一時期、ジャパン・アズ・ナンバーワンなどと言われて、多くの日本企業が世界経済の中で大きな存在感を示したことがあったが、そのほとんどはかつての輝きを失い、いくつかの企業に至っては消滅してしまっている。 そんな中でトヨタは未だに世界の自動車業界においてトップを走る企業の一つであり続けている。 その強さの源泉は、トヨタ生産方式と呼ばれる、効率よく安定的に車をつくる能力だ。 このト

        • 読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その23 19 「リーン・スタートアップ」 エリック・リース

          リーン(Lean)は動詞として「傾く、もたれ掛かる」という意味があり、形容詞で「痩せた、引き締まった」という意味がある。 「リーン・スタートアップ」のリーンは形容詞の方。最近話題になったフェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグの著書「リーン・イン」のリーンは動詞の方で、「前のめりになる」とか「一歩踏み出す」という意味らしい。 著者のエリック・リースは、前節「アントレプレナーの教科書」の著書、ブランクの一番弟子で、スタートアップ企業IMVU の最高技術責任者を務め、現在はコ

        読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その26 22 「ZERO to ONE」ピーター・ティール

        • 読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その25 21 「アダプト思考」 ティム・ハーフォード

        • 読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その24 20 「トヨタ生産方式」 大野耐一

        • 読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その23 19 「リーン・スタートアップ」 エリック・リース

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その22 第3章 「起業」と「新規事業」 18 「アントレプレナーの教科書」 スティーブン・G・ブランク

          著者のブランクは、8社の企業に関わり、4社を上場させたという「伝説の起業家」で、新商品の開発は「製品開発」ではなく「顧客開発」をすべき、と述べている、とのこと。 「製品開発モデル」は、コンセプト→製品開発→機能検証→販売開始というステップで進むが、これでは顧客が買うかの検証が抜けている。 これに対して「顧客開発モデル」は、「顧客発見」「顧客実証」「顧客開拓」「組織構築」の4ステップで進み、初めは最初の2 つ、「顧客発見」「顧客実証」という探索のサイクルを回し続ける。 まずは課

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その22 第3章 「起業」と「新規事業」 18 「アントレプレナーの教科書」 スティーブン・G・ブランク

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その21 第3章 「起業」と「新規事業」 17 「企業家とは何か」 J・A・シュンペーター

          シュンペーターは流石に(名前は)知っている。といっても、「あの『創造的破壊』の人でしょ?」ぐらいのレベルだけれども。まあ、新しい章の冒頭で取り上げるに相応しい大物ではある。 ここで取り上げられているのは、シュンペーターの論文4本を日本で独自にまとめた1冊とのこと。 シュンペーターは、経済発展の原動力はイノベーションであると言い、イノベーションを生み出すのは既存知の組み合わせである「新結合」であるとした。 そして新結合には次の5つのパターンがあるという。 1.新しい商品:(例)

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その21 第3章 「起業」と「新規事業」 17 「企業家とは何か」 J・A・シュンペーター

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その20 第3章 「起業」と「新規事業」

          取り上げられているのは、以下の10冊。 17 「企業家とは何か」 J・A・シュンペーター 18 「アントレプレナーの教科書」 スティーブン・G・ブランク 19 「リーン・スタートアップ」 エリック・リース 20 「トヨタ生産方式」 大野耐一 21 「アダプト思考」 ティム・ハーフォード 22 「ZERO to ONE」ピーター・ティール 23 「【新版】ブルー・オーシャン戦略」 W・チャン・キム/レネ・モボルニュ 24 「ブルー・オーシャン・シフト」 W・チャン・キム/レネ・

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その20 第3章 「起業」と「新規事業」

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その19 第2章 「顧客」と「イノベーション」 16「ジョブ理論」 クレイトン・クリステンセン

          クリステンセン 、3冊目。前著「イノベーションへの解」の「片付けなければならない用事」を深掘りして、イノベーションを起こす方法を「ジョブ理論」としてまとめたもの。 ジョブ理論では、顧客の片付けなければならない用事を「ジョブ」と呼び、ジョブを片付けるために商品・サービスを購入することを「雇用」、その商品・サービスを雇用した結果、従来使われていた商品・サービスが不要となることを「解雇」という。 例えば、「時間をかけず、楽して部屋をキレイにしたい」というジョブを解決するためにロボ

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その19 第2章 「顧客」と「イノベーション」 16「ジョブ理論」 クレイトン・クリステンセン

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その18 第2章 「顧客」と「イノベーション」 15 「イノベーションへの解」 クレイトン・クリステンセン

          クリステンセン、2冊目。 前著「イノベーションのジレンマ」が、リーダー企業が破壊的技術を擁するベンチャーに敗れる仕組みをリーダー企業の側から描いているのに対して、この本では、ベンチャー企業の側からリーダー企業を打ち倒す方法を解明している。 まず破壊的技術には、「新市場型破壊」と「ローエンド型破壊」の2つがある、という。前者は今まで買わなかった人を顧客に取り込み、新しい市場を作るもの、後者は低コストで製品を提供し、市場を奪うものだ。どちらもリーダー企業がこれに対抗するのは難

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その18 第2章 「顧客」と「イノベーション」 15 「イノベーションへの解」 クレイトン・クリステンセン

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その17 第2章 「顧客」と「イノベーション」 14 「イノベーションのジレンマ」 クレイトン・クリステンセン

          ここから3冊、クレイトン・クリステンセンの本が並ぶ。クリステンセンは、ハーバード・ビジネス・スクールの教授でイノベーション研究の第一人者とのことだが、残念ながら今年(2020年)1月、白血病のため逝去。 この「イノベーションのジレンマ」は、クリステンセン の代表作で、「業界をリードする優秀な企業が、顧客の声に耳を傾け、新技術の開発に投資し、製品の機能改善を進めていても(と言うか、そうしているからこそ)イノベーションを起こせず、新興企業に敗れていく」というジレンマを「破壊的技

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その17 第2章 「顧客」と「イノベーション」 14 「イノベーションのジレンマ」 クレイトン・クリステンセン

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その16

          第2章 「顧客」と「イノベーション」 13 「キャズム Ver.2」 ジェフリー・ムーア  新商品を普及させる方法を、テクノロジー・ライフサイクル(新商品の普及段階)における「キャズム」(大きな谷)という概念からまとめた本。  今までにない画期的な新しい商品が世に出ると、まず、イノベーター(革新者)が飛びつき、次いでアーリー・アダプター(先駆者)が続き、その後でアーリー・マジョリティ(現実主義者)が購入して、それからレイト・マジョリティ(追従者)にまで普及、ラガード(頑固者

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その16

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その15

          第2章 「顧客」と「イノベーション」 12 「ネット・プロモーター経営」 フレデリック・F・ライクヘルド  前節に引き続き、ライクヘルドの著作。顧客ロイヤルティを具体的に把握するNPS(ネットプロモータースコア)という方法を提唱した本。  NPSの計算の仕方は、まず、「その商品やサービスを他の人に勧めるかどうか」を10段階で評価してもらい、それを「推奨者(10・9)」「中立者(8・7)」「批判者(6以下)」の3つに分類、次に、推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値を出す、こ

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その15

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その14

          第2章 「顧客」と「イノベーション」 11 「顧客ロイヤルティのマネジメント」 フレデリック・F・ライクヘルド  いきなり本題から外れるが、「ロイヤルティ」で引っかかった。「ロイヤリティ」じゃないの?  調べてみると、英語では「Royalty」と「Loyalty」があって、前者は王位とか王権、また特許や著作権の使用料の意味。後者は忠誠・忠実の意味。ここでいう顧客ロイヤルティはLoyaltyの方。どっちもRとLが違うだけで、それ以外の発音記号は一緒なので、カタカナにすれば同じに

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その14

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その13

          第2章 「顧客」と「イノベーション」  前にも書いたが、「顧客」と組み合わせるなら、「イノベーション」より第4章の「マーケティング」の方が親和性が高いような気がするが、「イノベーションも、まずは顧客ありき」なのだそう。  取り上げられているのは以下の6冊。  11 「顧客ロイヤルティのマネジメント」 フレデリック・F・ライクヘルド  12 「ネット・プロモーター経営」 フレデリック・F・ライクヘルド  13 「キャズム Ver.2」 ジェフリー・ムーア  14 「イノベーショ

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その13

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その12

          第1章 戦略 10「知識創造企業」野中郁次郎/竹内弘高  知識社会において競争力を左右する「知識」が組織の中でどのように作られるか、その仕組みを「SECI(セキ)モデル」として理論化した本。  SECIモデルのベースとなる考え方が、知識についての「暗黙知」と「形式知」の区別だ。暗黙知とは言葉にできない知識、形式知は言語化できる知識であり、氷山に例えると、海面に見えている形式知の下に、それよりも遥かに大きい暗黙知が沈んでいるというイメージ。  例えば自転車に乗れない人も「サドル

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その12

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その11

          第1章 戦略 9「ダイナミック・ケイパビリティ戦略」 デビッド・J・ティース  ケイパビリティ(Capability)とは、能力という意味。能力を表す英単語としては、より一般的な語として「Ability」があるが、Capabilityはそれに比べると専門的な分野での実務能力というニュアンスがあるらしい。経営学においては、バーニーの「企業戦略論」で述べられていた企業内部の経営資源、組織に基づく強み、能力を言うようだ。  ダイナミック・ケイパビリティとは、そのケイパビリティを時代

          読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その11